ウェイトゲイナー
Weight Gainer
タンパク質(多くはホエイ)と炭水化物(マルトデキストリン・オーツなど)を高比率で配合した高カロリーサプリメント。1食あたり600〜1,200kcalを摂取できる設計で、食事だけでカロリー目標に届かない人の増量を補助する目的で作られている。増量にまつわる本サイト収録の研究は、それぞれ別の問いに答えたものである——エリート選手で増量プロトコルの大小を比べた試験では、より多く摂取した群で脂肪量の増加が大きかった。別に、トレーニング経験者でタンパク質摂取量を大きく変えた試験では、体重・脂肪量・除脂肪量のいずれにも有意な変化が無かった。両者は対象・介入・期間・測定方法が異なり、カロリーの出どころによって結果が変わるかどうかを判定できる材料ではない。 いずれも小規模な単一研究であり、総摂取カロリーとその内訳を管理することが前提になる。
研究が進みつつある成分

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(PR)研究で報告されている効果
製品としての機能は「カロリーを摂りやすくすること」である。 1食600〜1,200kcalという設計自体が、食事だけで目標に届かない人の総摂取カロリーを埋めることを狙っている(この用途を直接検証した試験を本サイトはまだ収録していない)。
タンパク質成分については、レジスタンストレーニング(6週間以上)にタンパク質補給を加えると1RM筋力が+2.49kg、除脂肪量が+0.30kg、筋線維横断面積が+310µm²増えることがメタ分析で示されている(protein-intake-muscle-meta)。ただし総タンパク質摂取量が1日あたり体重1kgにつき1.62gを超えると、それ以上の除脂肪量の上乗せは見られない。
同メタ分析では、補給の効果はトレーニング経験者のほうが大きく(+0.75kg)、加齢とともに小さくなる(除脂肪量で−0.01kg/歳)。対象は健常成人で、6週間以上のレジスタンストレーニングを行ったRCTに限られる。
炭水化物成分によるグリコーゲン補充やコンディション維持については、本サイトはまだ出典を示せない。 一般に語られる説明であり、上記3件の研究が検証したものではない。
推奨摂取量・タイミング
- 製品により異なるが、1食600〜1,200kcalが一般的。
- プロテイン単体製品(1食20〜40g)と比べてカロリー密度が非常に高い点にまず注意する。
- 増量の速さについて、Garthe ら(2013)はエリート選手39名(平均19歳、8〜12週間)を、栄養指導を受ける群と自由摂取群に分けて比較した。
- 総摂取エネルギーは3,585kcal/日 対 2,964kcal/日(いずれも総量であり、維持量を超えた余剰の値ではない)。
- 結果は、体重の増加は栄養指導群のほうが大きかった(+3.9%対+1.5%)が、除脂肪量の増加に群間差は無く、脂肪量の増加だけが大きかった(+15%対+3%)。
- 著者らは「増量プロトコルにおける余剰エネルギーは、望ましくない体脂肪の増加を招くため慎重に検討すべき」と結論している。
- 1日200〜300kcal程度の小さい余剰に抑える「リーンバルク」が脂肪増を抑える方針としてよく参照されるが、この具体的な数値を検証した試験を本サイトは収録していない。
- 摂取タイミング(トレーニング後か食間か)を比較した試験も、本サイトの収録範囲には無い。
注意点
- •増量にまつわる本サイト収録の2件は、それぞれ別の問いに答えたものである。 Garthe ら(2013、エリート選手39名・8〜12週間)は増量プロトコルの大小を比べ、より多く摂取した群(3,585kcal/日)で脂肪量の増加が大きかった(+15%対+3%)。
- •Antonio ら(2014、トレーニング経験者30名・8週間)はタンパク質摂取量を変え、1日あたり体重1kgにつき4.4gまで増やしても、体重・脂肪量・除脂肪量のいずれにも有意な変化が無かった。
- •この2件は、対象・介入・期間・摂取量の測定方法がいずれも異なる。 炭水化物由来とタンパク質由来の余剰を比べた試験ではないため、カロリーの出どころによって結果が変わるかどうかは、この2件からは判定できない。 Antonio の結果を根拠に、炭水化物中心のウェイトゲイナーでも脂肪は増えないと考えることはできないし、Antonio 側にはn=30・食事が自己報告という限界もある。
- •Garthe ら(2013)では、より多く摂取した群で40mスプリントが有意に低下している。 体重を増やすこと自体が競技パフォーマンスに不利に働く場合がある。
- •ウェイトゲイナーは1食で数百〜1,000kcal以上になるため、食事全体のカロリー管理が前提になる。
- •マルトデキストリンを主成分とする製品は血糖値の急上昇を招きやすいとされ、血糖の管理が必要な人は成分表示を確認すること。
- •1食あたりの量が多いため、消化器への負担や膨満感が生じる場合がある。
- •乳糖不耐の人はホエイベースの製品に注意し、必要に応じてWPI(ホエイアイソレート)ベースのものを選ぶ。
- •本情報は教育・参考目的であり、疾患の診断・治療を意図しない。
根拠となる研究
タンパク質補給はレジスタンストレーニングによる筋量・筋力増加を高める(メタ分析)
British Journal of Sports Medicine, 2018
健常成人を対象とした49件のRCT(計1,863名)を統合したメタ分析。6週間以上のレジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると、1RM筋力(+2.49kg)・除脂肪量(+0.30kg)・筋線維横断面積(+310µm²)がいずれも有意に増加した。補給の効果は加齢とともに小さくなり、トレーニング経験者では大きかった。総タンパク質摂取量が1.62 g/kg/日を超えると、それ以上の除脂肪量の上乗せは見られなかった。
エネルギー余剰の大きさと体組成 ― エリート選手の計画的増量 vs 自由摂取(RCT)
European Journal of Sport Science, 2013
エリート選手39名(平均19歳)を計画的増量群(約3585kcal)と自由摂取群(2964kcal)に無作為化し8〜12週間追跡した結果、除脂肪量の増加は両群で差がなく、余剰カロリーが大きいほど脂肪量の増加が大きかった。
高タンパク質の過剰摂取と体組成 ― トレーニング経験者の8週RCT
Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2014
レジスタンストレーニング経験者30名(平均24歳)で、高タンパク群(4.4g/kg/日、307g/日)と通常群(1.8g/kg、138g/日)を8週間比較した結果、体重・脂肪量・除脂肪量・体脂肪率に群内・群間の有意な変化はなく、過剰なタンパク質由来のカロリーは脂肪を増やさなかった。
似た働きのサプリ
ホエイプロテイン アイソレート
信頼度: 高ホエイプロテイン アイソレート(WPI)
ホエイタンパク質を精製してタンパク質含有率を高めた製品(WPI)。コンセントレート(WPC)と比べて乳糖・脂質が少ないという組成上の違いがある。ただし本サイトが収録しているホエイの試験(Tang 2009)が用いたのはWPIではなくホエイ加水分解物であり、WPIそのもので確認された結果ではない。 また、乳糖が少ないことで消化器症状が減るかどうかを検証した試験も収録していない。
ホエイプロテイン
信頼度: 高ホエイ(乳清)タンパク質
食事で不足しがちなタンパク質を手軽に補う手段。ロイシンを多く含み、筋タンパク質合成のスイッチを入れやすい。あくまで総タンパク質量を満たすための「補助」であり魔法の粉ではない。
エッグホワイトプロテイン
信頼度: 中卵白(アルブミン)タンパク質
卵白を乾燥・粉末化したプロテイン。乳製品不使用で、ホエイ・カゼインが使えない人の代替として機能する。消化速度はホエイとカゼインの中間程度。