ホエイプロテイン アイソレート
ホエイタンパク質を精製してタンパク質含有率を高めた製品(WPI)。コンセントレート(WPC)と比べて乳糖・脂質が少ないという組成上の違いがある。ただし本サイトが収録しているホエイの試験(Tang 2009)が用いたのはWPIではなくホエイ加水分解物であり、WPIそのもので確認された結果ではない。 また、乳糖が少ないことで消化器症状が減るかどうかを検証した試験も収録していない。
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研究の蓄積があるベーシックな成分

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(PR)周辺情報の研究で報告されていること
ホエイは運動後の筋タンパク質合成を速く立ち上げる。 若年男性18名(各群6名)に、必須アミノ酸10g相当を含むホエイ加水分解物・ミセラーカゼイン・大豆分離タンパクのいずれかを摂取させた試験で、運動後の混合筋タンパク質合成はホエイがカゼインより約122%(p<0.01)、大豆より31%(p<0.05)高かった。ホエイは血中の必須アミノ酸・分岐鎖アミノ酸・ロイシン濃度をもっとも大きく上昇させている(Tang 2009)。用いられたのはWPIではなく加水分解物であり、各群6名の急性反応の試験で、長期の筋肥大は測定していない。
タンパク質補給としての効果はメタ分析で確認されている。 6週間以上のレジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると1RM筋力が+2.49kg、除脂肪量が+0.30kg増える。総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日(95%CI 1.03〜2.20)と推定されている。ただし著者らはこの分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)を明記しており、確立した閾値ではない。(Morton 2018)これはホエイに限った話ではなく、タンパク質全般の効果である。
「ロイシンが多いからmTORC1を効率的に活性化する」という説明は、それを直接検証した試験では支持されていない。 若年男性36名で、ホエイ20g・大豆20g・ロイシンを添加してホエイと同等にした大豆20gを比較したところ、血中ロイシン濃度のピークには明確な差がついた(322 対 216 対 328 µmol/L、P<0.05)にもかかわらず、筋原線維・ミトコンドリアのタンパク合成速度にも、mTORC1・p70S6k・4E-BP1・rpS6 のシグナルにも差は出なかった(Churchward-Venne 2019)。ホエイの利点をロイシン含量だけで説明することはできない。
WPI(アイソレート)はコンセントレートより乳糖・脂質が少ない。 これは製法上の組成の違いである。ただし「そのため消化器症状が出にくい」という点を検証した試験を、本サイトはまだ収録していない。
推奨摂取量・タイミング
- 収録した試験が実際に用いた条件は次のとおり。 Tang ら(2009)は運動直後に、必須アミノ酸10g相当を含むホエイ加水分解物を摂取させ、その後の数時間の筋タンパク質合成を測定した(WPIではない。 各群6名の急性反応の試験であり、長期の筋肥大は測定していない。
- 総摂取グラム数は抄録に記載が無く、本サイトは確認していない)。
- Morton ら(2018)は6週間以上のレジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えた試験をまとめ、総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日(95%CI 1.03〜2.20)と推定されている。ただし著者らはこの分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)を明記しており、確立した閾値ではない。 よく言われる「1回20〜40g」「運動後30〜60分以内」といった目安について、本サイトは出典を示せない。 上記の急性反応の試験から、長期の効果が最大になる量やタイミングを導くことはできない。
注意点
- •乳アレルギーのある人は使用不可。
- •腎機能に問題がある場合は医師に相談すること。
- •上記の比較試験(Tang 2009)は各群6名・計18名の急性反応の試験であり、長期の筋肥大や筋力の差を示したものではない。 「メタ分析(Morton 2018)が示すとおり、総タンパク質摂取量が足りていれば、どの種類を選ぶかによる差は小さくなる」と書いていたが、同メタ分析はそういう比較をしていないため撤回する。 同メタ分析は、事前に定めた4つの共変量とは別に、カテゴリ変数として「タンパク質補給源(ホエイ 対 大豆)」を含む単変量メタ回帰を追加で行っている(全文の記載)。
- •著者らはこれを仮説生成的と位置づけており、有意だったのは全身のレジスタンストレーニングと監督下であることが1RMの変化に対して、の2つだけで、除脂肪量の変化にはどの変数も影響しなかった。 WPIとWPCの直接比較は行っていない。「WPIはコンセントレートより高価なため、コスパを重視するならコンセントレートも選択肢になる」も、価格を扱った出典を収録していないため撤回する。 本情報は教育・参考目的であり、疾患の診断・治療を意図しない。
根拠となる研究
ホエイ加水分解物・カゼイン・大豆分離プロテイン摂取が安静時および筋力トレーニング後の筋タンパク合成に与える影響
Journal of Applied Physiology, 2009
健常な若年男性18名(各群6名)が片脚のレジスタンス運動を行い、必須アミノ酸を10gに揃えたホエイ加水分解物・ミセラーカゼイン・大豆分離タンパクのいずれかを摂取して、安静時と運動後の混合筋タンパク質合成(MPS)を比較した試験。抄録は「3群に割りつけた(assigned)」とだけ記しており、無作為割付とは述べていない。無作為化比較試験としては扱わない(idは公開URLの後方互換のため変更していない)。ホエイは血中の必須アミノ酸・分岐鎖アミノ酸・ロイシン濃度をカゼイン・大豆より大きく上昇させた(p<0.05)。安静時のMPSは速いタンパク質ほど高く(ホエイ0.091・大豆0.078・カゼイン0.047 %/時)、ホエイはカゼインより約93%高かった(p<0.01)が、大豆との差(約18%)は p=0.067 で有意に届かなかった。運動後も同じ順序で、ホエイはカゼインより約122%(p<0.01)、大豆より31%(p<0.05)高かった。大豆もカゼインより安静時64%・運動後69%高い(いずれも p<0.01)。
タンパク質補給はレジスタンストレーニングによる筋量・筋力増加を高める(メタ分析)
British Journal of Sports Medicine, 2018
健常成人を対象とした49件のRCT(計1,863名)を統合したメタ分析。6週間以上のレジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると、1RM筋力(+2.49kg)・除脂肪量(+0.30kg)・筋線維横断面積(+310µm²)がいずれも有意に増加した。収録試験のあいだのメタ回帰では、年齢が高いほど補給の上乗せ効果が小さく(除脂肪量で −0.01 kg/歳、p=0.002)、トレーニング経験者では大きい(+0.75kg、p=0.03)という関連が推定された。補給量も対象集団も試験ごとに違うので、年齢そのものの効果とは読めない。 総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日と推定されている。その95%信頼区間(1.03〜2.20)と、この分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)は、抄録ではなく全文(PMC5867436)の記載である。
出典
- Tang JE, et al. (2009) J Appl Physiol — ホエイ加水分解物・カゼイン・大豆分離タンパクの摂取が安静時および運動後の筋タンパク合成に与える影響(107(3):987-992)※この成分・この用量帯そのものを評価した研究ではありません(判断の材料として周辺情報を示しています)
- Morton RW, et al. (2018) Br J Sports Med — タンパク質補給がレジスタンストレーニングによる筋量・筋力増加に与える影響(メタ分析、52(6):376-384)※この成分・この用量帯そのものを評価した研究ではありません(判断の材料として周辺情報を示しています)
- Churchward-Venne TA, et al. (2019) J Nutr — ホエイ・大豆・ロイシン強化大豆の摂取後で、筋原線維およびミトコンドリアのタンパク合成速度に差は無かった(149(2):210-220)※この成分・この用量帯そのものを評価した研究ではありません(判断の材料として周辺情報を示しています)
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