
サウナで成長ホルモンが大量に分泌されて筋肥大・回復が促進される
言われていること
バイオハッキング系コンテンツ、Hubermanlab等の長寿・健康メディア
80〜100℃のサウナに入ると成長ホルモン(GH)が通常の5〜10倍に急増。これが筋肥大と回復を劇的に促進する。
研究が示すこと
- 収録している Leppäluoto ら(1986)は、健康な男性10名・女性7名が80℃のフィンランド式サウナに1日2回・1時間ずつ7日間入った試験である。 男性では血清GHが16倍、プロラクチンが2.3倍に上昇した(いずれもP<0.01)。女性ではプロラクチンが4倍以上に上昇している(P<0.01)。 血清コルチゾールと血漿ACTHは低下し、尿中カテコールアミンはわずかに増加した(P<0.05)。甲状腺ホルモン・TSH・テストステロン・FSH・LHには有意な変化が無かった。 ただし高体温に対するGHの上昇は3日目以降に減衰しており、著者らは、プロラクチンとおそらくGHの放出増加は、熱曝露による脱水と関係している可能性があると述べている。 GHの上昇が筋肥大や回復につながるかを調べた研究を、本記事は収録していない。
収録している Leppäluoto ら(1986)が示しているのは、7日間のサウナで男性の血清GHが16倍に上昇したこと(P<0.01)、そしてその上昇が3日目以降に減衰したことである。著者らは、この上昇が熱曝露による脱水と関係している可能性を挙げている。 GHの上昇が筋肥大や回復につながるかを調べた研究を、本記事は収録していない。
サウナは心血管健康と長寿に効果がある
言われていること
フィンランドの大規模コホート研究を引用したコンテンツ、長寿研究者
週に複数回サウナに入ることで心血管疾患リスクが下がり、健康寿命が延びる。
研究が示すこと
- サウナの使用頻度と死亡リスクの関係について、本記事は収録している出典から具体的な数値を示せない。 この論点で収録しているのは Laukkanen ら(2018)の1本だけである。
サウナの使用頻度と死亡リスクの関係について、収録した出典から具体的な数値を示せない。この論点は判定できないものとして扱う。
訂正履歴訂正2回・撤回した原文7件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 本文が名指ししている論文の年が出典と違っていた(1988と書いていたが、収録しているのは1986年の論文)ため、抄録から書き直した。 ①「サウナによるGH分泌増加は複数の研究で確認されている(Leppäluoto et al. 1988 など)。ただしGHの急上昇が直接的に筋肥大を引き起こすかどうかは別問題。Acute hormones studies(本データベース収録)は、トレーニング後の急性ホルモン反応(GH・テストステロン上昇)と長期的な筋肥大に強い相関がないことを示している。サウナによるGH増加が筋肥大に実質的に貢献するというRCTエビデンスは現状乏しい。」(第1ラウンドの研究側)── 命題は3つある。(a) GH分泌増加が「複数の研究で確認されている」という文献状況、(b) 引いていた論文の年(1988)、(c) 急性ホルモン反応と筋肥大の相関について「本データベース収録」の研究を名前を挙げずに参照していたこと。収録しているのは Leppäluoto ら(1986)の1件で、年も1986である。 同試験が報告しているのは男性でGHが16倍・プロラクチンが2.3倍に上昇したこと(P<0.01)、コルチゾールとACTHは低下したこと、GHの上昇は3日目以降に減衰したこと、著者らがこの上昇を熱曝露による脱水と関係づけていることである。急性ホルモン反応と筋肥大の関係を扱った研究は、本記事の出典に入っていない。 ②「サウナがGHを増加させることは事実だが、そのGH増加が筋肥大や実質的な回復促進に直結するかは現状証明されていない。GH分泌を目的にサウナを使う根拠は現時点では弱い。」(第1ラウンドの判定)── 命題は3つある。(a) GHを増加させることは「事実」だという断定、(b) 筋肥大や回復への直結が「現状証明されていない」という文献状況、(c) GH分泌を目的にサウナを使う根拠が「弱い」という評価。(a) は収録試験が7日間・男性10名で16倍の上昇を報告している範囲に言い直し、(b)(c) は文献全体を数えた資料が無いので「本記事は収録していない」に改めた。
撤回した原文2件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
サウナによるGH分泌増加は複数の研究で確認されている(Leppäluoto et al. 1988 など)。ただしGHの急上昇が直接的に筋肥大を引き起こすかどうかは別問題。Acute hormones studies(本データベース収録)は、トレーニング後の急性ホルモン反応(GH・テストステロン上昇)と長期的な筋肥大に強い相関がないことを示している。サウナによるGH増加が筋肥大に実質的に貢献するというRCTエビデンスは現状乏しい。
サウナがGHを増加させることは事実だが、そのGH増加が筋肥大や実質的な回復促進に直結するかは現状証明されていない。GH分泌を目的にサウナを使う根拠は現時点では弱い。
- サウナと心血管健康・長寿について書いていた「週4〜7回サウナを使用する男性は週1回の使用と比較して心血管疾患死亡リスクが50%低く、全死因死亡リスクが40%低かった」という数値と、それを Laukkanen ら(2015, 2018)のフィンランド人大規模コホート研究(KIHD study)に帰属させたこと、「これは観察研究である」「サウナ習慣と健康的なライフスタイル(社会的結びつき、運動習慣など)の交絡が存在する」「RCTによる因果関係の証明はまだ限られる」という、特定の研究の限界としての但し書き、および結論に書いていた「サウナと心血管健康・長寿の観察的な相関は示されている」「サウナ自体が原因かどうかは観察研究では確定できない」「副作用リスクが低い」「主観的な回復感・リラクゼーションへの効果もある」「健康な成人にとっての選択肢として否定する根拠も現時点では乏しい」——をすべて撤回した。本記事が収録しているのは Laukkanen ら(2018)の1本だけで、2015年の研究は収録していない。数値をいずれかの研究に帰属させる根拠が無く、但し書きも結論も、その帰属を前提にしていた。あわせて、この論点の確信度を「mixed(賛否が割れる)」から「insufficient(判定できない)」に下げた。収録した出典から数値を示せない以上、賛否が割れているとも言えないため。
撤回した原文5件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Laukkanen ら(2015, 2018)のフィンランド人大規模コホート研究(KIHD study)では、週4〜7回サウナを使用する男性は週1回の使用と比較して心血管疾患死亡リスクが50%低く、全死因死亡リスクが40%低かった
ただしこれは観察研究であり、サウナ習慣と健康的なライフスタイル(社会的結びつき、運動習慣など)の交絡が存在する
RCTによる因果関係の証明はまだ限られる
サウナと心血管健康・長寿の観察的な相関は示されているが、サウナ自体が原因かどうかは観察研究では確定できない
ただし副作用リスクが低く、主観的な回復感・リラクゼーションへの効果もあることから、健康な成人にとっての選択肢として否定する根拠も現時点では乏しい
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電解質(エレクトロライト)体水分の不足(低水和)は心血管系と体温調節への負担を増やし、有酸素パフォーマンスを低下させる(Shirreffs 2011)。

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出典
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収録した2件が述べているのは次のことである。Meeusen ら(2013)の合意文書は、アスリートが重い心理的症状などを伴わずに短期のパフォーマンス低下を経験することがあり、この機能的オーバーリーチングは回復後に最終的にパフォーマンスの向上につながるとしている。 トレーニングと回復の均衡が保たれない場合には非機能的オーバーリーチング(NFOR)が起こりうるが、NFOR と OTS の区別は非常に難しく、臨床経過と除外診断に依存する。 OTS の症状が NFOR より重いと一般には考えられているが、著者らはこれを裏づける科学的証拠も反証する証拠も無いと明記している。 現在いくつかのマーカーが使われているが、一般に受け入れられる基準をすべて満たすものは無い。 Kreher & Schwartz(2012)のレビューは、OTS が十分な休息を伴わない過剰な運動への不適応反応であり、神経系・内分泌系・免疫系という複数の身体システムの乱れと気分の変化を伴うものとして現れるとしている。 同レビューは、OTS が欧州スポーツ科学会の見解に沿った恣意的な定義による臨床診断のままであり、過去の研究の大半が OTS ではなくオーバーリーチングのアスリートを対象としてきたため、まだ多くが未解明だと結論している。
吉崎 槙吾