
コンプレッションウェアはDOMSと筋肉損傷マーカーを軽減する
言われていること
スポーツブランドの広告、長距離ランナー・トライアスロン選手の口コミ
コンプレッションタイツを運動後に穿いておくと筋肉痛が軽くなり、翌日のパフォーマンスも回復しやすい。
研究が示すこと
- Hill ら(2014)のメタ分析は、運動後24・48・72時間の測定を含む12件の研究を統合したものである。
- 着圧ウェアの使用は、DOMSの重症度(Hedges' g=0.403、95%CI 0.236〜0.569、p<0.001)・筋力(0.462、0.221〜0.703)・筋パワー(0.487、0.267〜0.707)・CK(0.439、0.171〜0.706)のいずれでも中程度の効果を示した。
- 著者らは、着圧ウェアは筋損傷からの回復を高めるのに有効だと結論している。
- 冷水浴やフォームローリングと直接比較した解析ではない。 機序について、Hill ら(2014)の抄録は何も述べていない。 Beliard ら(2015)は静脈還流をキーワードに挙げているものの、同誌の本文は PMC でも Europe PMC でも公開されておらず(open access ではない)、浮腫・筋の振動・固有受容感覚を含めて、本記事はその中身を確認できていない。
着圧ウェアが筋損傷後の回復を高めることは、収録しているメタ分析(12件)でDOMS・筋力・筋パワー・CKのいずれにも中程度の効果として示されている。どの競技・どの場面で使うべきかを比べた研究も、他の回復手段と組み合わせた場合を調べた研究も、本記事は収録していない。
着圧の強さが高いほど回復効果が大きい
言われていること
高圧コンプレッション製品の販促コンテンツ
圧力が強いコンプレッションウェアほど効果が高い。市販品より医療用の弾性ストッキングのようなものの方が効く。
研究が示すこと
- Beliard ら(2015)は、下肢の着圧を定量した前向き無作為対照試験23件をまとめたレビューである。
- 運動中に着用した場合の効果については見解が分かれており、多くの研究で即時のパフォーマンス・回復にもDOMSにも有益な効果を示せていない。 一方、回復期に着用した場合には有益な傾向があり、それを調べた5件すべてでパフォーマンスの回復が改善し、うち3件でDOMSの軽減が報告されている。 そして着圧の強さと効果のあいだに明らかな関係は無く、低い圧力でも高い圧力でも有益な効果が得られている。 同レビューが述べているのは、アスリート向け製品が下肢に加える圧力は製品によって大きく異なる、というところまでである。
「着圧が強いほど効果が大きい」という関係は、収録しているレビューでは見られていない——低い圧力でも高い圧力でも有益な効果が得られている。具体的な mmHg の推奨も、高圧のリスクも、本記事は出典を収録していない。 また同レビューは、運動中に着用した場合の効果は見解が分かれる一方、回復期に着用した場合には有益な傾向があると整理している。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文11件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 出典を照合した結果、以前この記事が公開していた次の記述を撤回した。
①「Hill ら(2014)のメタ分析(11研究)では、コンプレッションウェアの着用がDOMSの主観的評価(小〜中程度の効果量)とCK(筋肉ダメージマーカー)の早期低下に有意な効果を示した」——統合されたのは12件である。効果量も、抄録が報告しているのはDOMSの重症度 0.403・筋力 0.462・筋パワー 0.487・CK 0.439 の4つで、いずれも中程度である。②「ただし効果量は小〜中程度(d≈0.3〜0.5)で、冷水浴・フォームローリングと比較して特に優れているわけではない」——冷水浴やフォームローリングと直接比較した解析ではない。③「主なメカニズム候補は、①静脈還流の促進(浮腫軽減)、②筋肉の振動・外部衝撃の緩衝、③固有受容感覚のフィードバック改善」——Hill ら(2014)の抄録は機序に触れていない。Beliard ら(2015)は静脈還流をキーワードに挙げているものの、同誌の本文は PMC でも Europe PMC でも公開されておらず、本記事はその中身を確認できていない。
④「コンプレッションウェアはDOMS軽減・血流改善に小〜中程度の効果がある」、⑤「特に長距離走・球技など衝撃が多い競技、長時間移動(フライト等)後の浮腫軽減に実用的」、⑥「ただし「魔法の回復ツール」ではなく、他の回復手段(睡眠・栄養)と組み合わせた補助的手段として位置づけることが適切」——血流も浮腫も、競技ごとの使いどころも、他の回復手段との組み合わせも、収録した2件は扱っていない。
⑦「コンプレッションウェアの最適圧力帯は研究によってばらつきがあり、明確なコンセンサスはない(Beliard et al. 2015のレビュー)」——同レビューが述べているのは、着圧の強さと効果のあいだに明らかな関係は無く、低い圧力でも高い圧力でも有益な効果が得られているということである。⑧「スポーツ用で一般的な圧力(20〜30mmHg)でも十分な効果が確認されており、「高いほど良い」という単純な関係は示されていない」、⑨「過度に高い圧力(>40mmHg)は神経・血管圧迫のリスクがあり、一般人への使用は推奨されない」、⑩「スポーツ用の標準圧力(20〜30mmHg)が最も実用的で安全。」、⑪「医療用の高圧弾性ストッキングを回復目的で一般使用することは推奨されない。」——mmHg の具体的な数値も、高圧のリスクも、収録した2件は扱っていない。
あわせて、この記事の出典のうち Beliard ら(2015)のURLは、肥満児の脂肪肝マーカーを扱う別論文(PMC4306761)を指していた。正しい論文(PMID 25729293 / PMC4306786)に差し替えたうえで本文を書き直した。これは出典の差し替えなので `removed` には収めていない。
撤回した原文11件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Hill ら(2014)のメタ分析(11研究)では、コンプレッションウェアの着用がDOMSの主観的評価(小〜中程度の効果量)とCK(筋肉ダメージマーカー)の早期低下に有意な効果を示した。
ただし効果量は小〜中程度(d≈0.3〜0.5)で、冷水浴・フォームローリングと比較して特に優れているわけではない。
主なメカニズム候補は、①静脈還流の促進(浮腫軽減)、②筋肉の振動・外部衝撃の緩衝、③固有受容感覚のフィードバック改善。
コンプレッションウェアはDOMS軽減・血流改善に小〜中程度の効果がある。
特に長距離走・球技など衝撃が多い競技、長時間移動(フライト等)後の浮腫軽減に実用的。
ただし「魔法の回復ツール」ではなく、他の回復手段(睡眠・栄養)と組み合わせた補助的手段として位置づけることが適切。
コンプレッションウェアの最適圧力帯は研究によってばらつきがあり、明確なコンセンサスはない(Beliard et al. 2015のレビュー)。
スポーツ用で一般的な圧力(20〜30mmHg)でも十分な効果が確認されており、「高いほど良い」という単純な関係は示されていない。
過度に高い圧力(>40mmHg)は神経・血管圧迫のリスクがあり、一般人への使用は推奨されない。
スポーツ用の標準圧力(20〜30mmHg)が最も実用的で安全。
医療用の高圧弾性ストッキングを回復目的で一般使用することは推奨されない。
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出典
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