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研究 vs 勘

「クレアチンは筋力を上げるだけでなく回復も早める」は本当か? 研究で確認する

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

クレアチンについて「回復も早まる」「筋肉ダメージを軽減する」という主張が見られる。回復への効果はどこまで研究で支持されているのか確認する。

Round1

クレアチンはDOMSと筋肉ダメージを軽減する

言われていること

クレアチン利用者の体験談、フィットネス系コンテンツ

クレアチンを飲んでいると翌日の筋肉痛が明らかに軽い。回復が早まって練習の頻度を上げられる。

VS

研究が示すこと

  • 収録している Santos ら(2004)のRCTでは、クレアチン摂取グループがDOMS・CKを有意に低下させた。
  • クレアチンが筋肉ダメージを軽減する機序を検証した研究を、本記事は収録していない。
判定

クレアチンとDOMS・筋肉ダメージについて本記事が収録している根拠は、Santos ら(2004)のRCT1件である。同試験ではクレアチン群でDOMSとCKが有意に低下したが、これ以外にこの論点を扱った出典を本記事は収録していない。

信頼度:根拠は弱い
Round2

クレアチンをロードすれば回復効果が早く出る

言われていること

クレアチンローディングを推奨するサプリ系コンテンツ

最初の1週間に20g/日のローディングをすれば、通常の維持量(3〜5g/日)より早く回復効果が出る。

VS

研究が示すこと

  • クレアチンローディング(20g/日×5〜7日)は筋内クレアチン貯蔵量を早期に最大化できる(Hultman et al. 1996)。
  • 通常の維持量(3〜5g/日)でも3〜4週間で同等の筋クレアチン濃度に達するため、急いでいない場合はローディング不要。
  • ローディングが維持量より優れた回復効果をもたらすかを比べた試験を、本記事は収録していない。
判定

ローディングは筋クレアチンを速く飽和させる(Hultman ら 1996)。ただしローディングが維持量より優れた回復効果をもたらすかを比べた試験を、本記事は収録していない。

信頼度:根拠は弱い
訂正履歴訂正1回・撤回した原文8件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • 導入に書いていた「クレアチンは『筋力向上サプリ』として最もエビデンスが揃っている」という評価、第1ラウンドに書いていた「Chilibeck ら(2017)のメタ分析は、二次的にCK(クレアチンキナーゼ)やミオグロビン(筋肉ダメージ指標)の低下も報告している」「細胞内のリン酸クレアチンが増えることでATP再合成が早まり、筋細胞のエネルギー状態が維持されて損傷が軽減される」という機序の説明、結論の「クレアチンの筋肉ダメージ軽減効果・DOMS軽減効果はある程度の研究支持がある」「『劇的な回復促進』ほどではなく、主効果である筋力・出力向上に付随する追加メリットと位置づけるのが適切」、および第2ラウンドの「ローディングが維持量より優れた回復効果をもたらすという直接的なRCTは少ない」「回復効果においてローディングが維持量より有意に優れるという証拠は乏しい」「副作用(消化器症状・体重増加)のリスクを考えると、急ぎでなければ3〜5g/日の維持量から始めることを推奨」——をすべて撤回した。Chilibeck ら(2017)は高齢者を対象に除脂肪量とチェストプレス・レッグプレス筋力を評価したメタ分析で、CKもミオグロビンも扱っていない。機序を検証した研究も、ローディングと維持量の回復効果を比べた試験も、消化器症状・体重増加を扱った出典も、本記事は収録していない。残る根拠は Santos ら(2004)のRCT1件と、筋内クレアチン濃度の推移を調べた Hultman ら(1996)である。あわせて両ラウンドの確信度を「mixed(賛否が割れる)」から「weak(弱い根拠がある)」に下げた。導入の評価は、本記事が収録している Santos ら(2004)と Hultman ら(1996)のどちらも述べていない。クレアチン全般のエビデンスの量を扱った出典を本記事は収録していないため、評価そのものを落とした。撤回にあわせて、関連研究から Chilibeck ら(2017)のレコードを外した。本文が引かなくなった研究を関連として並べたままにすると、根拠として読まれるため。第2ラウンドの関連研究は、本文が引いている Hultman ら(1996)のレコードに差し替えた。
    撤回した原文8件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. クレアチンは「筋力向上サプリ」として最もエビデンスが揃っているが
    2. Chilibeckら(2017)のメタ分析はクレアチンの筋力・パフォーマンスへの効果を主に評価しているが、二次的にCK(クレアチンキナーゼ)やミオグロビン(筋肉ダメージ指標)の低下も報告されている
    3. メカニズムとして、細胞内のリン酸クレアチンが増えることでATP再合成が早まり、筋細胞のエネルギー状態が維持されて損傷が軽減されると考えられる
    4. クレアチンの筋肉ダメージ軽減効果・DOMS軽減効果はある程度の研究支持がある
    5. ただし「劇的な回復促進」ほどではなく、主効果である筋力・出力向上に付随する追加メリットと位置づけるのが適切
    6. 回復効果においても、「筋クレアチンが飽和していること」が前提であり、ローディングが維持量より優れた回復効果をもたらすという直接的なRCTは少ない
    7. 回復効果においてローディングが維持量より有意に優れるという証拠は乏しい
    8. 副作用(消化器症状・体重増加)のリスクを考えると、急ぎでなければ3〜5g/日の維持量から始めることを推奨

関連するサプリ

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  • クレアチン

    高齢者では、レジスタンストレーニングにクレアチンを加えると除脂肪量と筋力の増加が大きかった。 22件のRCT(計721名、平均年齢57〜70歳)を統合したメタ分析で、除脂肪量は平均差 +1.37kg(95%CI 0.97〜1.76、p<0.00001)、チェストプレス筋力は標準化平均差0.35(p=0.0002)、レッグプレス筋力は同0.24(p=0.01)だった(Chilibeck 2017)。若年者を対象にした同種のメタ分析を、本サイトはまだ収録していない。

  • オメガ3(魚油)

    筋力への効果は「非常に小さい」。 健常な若年・高齢者を対象とした14件・計1,443名のメタ分析で、筋力の標準化平均差は0.12(95%CI 0.006〜0.24、P=0.04)。下限が0.006とほぼ0である。 著者ら自身が「非常に小さいが有意」と表現している(Santo André 2023)。

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公開日: 更新日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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