アシュワガンダについて、収録した出典が言える範囲
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アシュワガンダは本当にストレスを減らしてトレーニング回復に役立つの?
収録した3件が報告しているのは次のとおりである。Chandrasekhar ら(2012)では、ストレス評価尺度のスコアが60日目にプラセボ群より有意に低下し(P<0.0001)、血清コルチゾールも有意に低下した(P=0.0006)。 Wankhede ら(2015)では、8週間で1RM・筋サイズ・テストステロンの増加がプラセボ群を上回り、体脂肪率の低下も大きかった。 Langade ら(2019)では、10週間で入眠潜時・睡眠効率・睡眠の質・PSQI・不安(HAM-A)が有意に改善した。
コルチゾールとストレスについて ─ 収録した1件が報告していること
収録しているのは Chandrasekhar ら(2012)の1件であり、抄録は用量の範囲も尺度の名称も報告していない。 同RCTが報告しているのは、高濃度フルスペクトラムのアシュワガンダ根エキスを投与した群で、60日目にすべてのストレス評価尺度のスコアがプラセボ群より有意に低下し(P<0.0001)、血清コルチゾールも有意に低下した(P=0.0006)ことである。 有害事象は軽度で両群で同程度、重篤な有害事象の報告は無かった。 著者らは、このエキスがストレスへの抵抗性を安全かつ有効に高め、自己評価による生活の質を改善すると述べている。なお後述の Wankhede ら(2015)は筋力・筋サイズ・テストステロンを扱った研究で、コルチゾールやストレス尺度は測定していない。
筋力・筋肉量への効果
Wankhede ら(2015)のRCTは、レジスタンストレーニングの経験に乏しい18〜50歳の男性57名を、アシュワガンダ根エキス300mgを1日2回摂る群(29名)とデンプンのプラセボ群(28名)に無作為に割りつけ、8週間のレジスタンストレーニングを行わせたものである。ベンチプレスの1RMはプラセボ26.4kg(95%CI 19.5〜33.3)に対しアシュワガンダ46.0kg(95%CI 36.6〜55.5、p=0.001)、レッグエクステンションはプラセボ9.8kg(95%CI 7.2〜12.3)に対し14.5kg(95%CI 10.8〜18.2、p=0.04)だった。 筋サイズは腕(プラセボ5.3cm²対8.6cm²、p=0.01)と胸部(1.4cm対3.3cm、p<0.001)で有意に大きく増加した。 運動誘発性の筋損傷の減少もアシュワガンダ群で大きく、これは血清クレアチンキナーゼの安定化によって評価された(プラセボ1307.5 U/L、アシュワガンダ1462.6 U/L、p=0.03)。テストステロンの増加(プラセボ18.0 ng/dL対96.2 ng/dL、p=0.004)と体脂肪率の低下(1.5%対3.5%、p=0.03)もアシュワガンダ群のほうが大きかった。 抄録は筋サイズの測定方法を報告しておらず、大腿の結果も報告していない。 対象は「レジスタンストレーニングの経験に乏しい」男性である。
睡眠の質への効果
Langade ら(2019)の二重盲検RCTは、不眠と不安のある患者60名を、アシュワガンダ根エキス300mgを1日2回摂る群(40名)とデンプンのプラセボ群(20名)に2:1で割りつけ、10週間投与したものである。入眠潜時は10週後にアシュワガンダ群で有意に短く(29.00±7.14分 対 プラセボ33.94±7.65分、p=0.019)、睡眠効率はベースラインの75.63±2.70から83.48±2.83へ改善した(プラセボは75.14±3.73から79.68±3.59)。 睡眠の質もプラセボより有意に改善し(p=0.002)、PSQIと不安(HAM-A)でも有意な改善が見られた。 抄録は起床時の覚醒度を評価項目として挙げているが、その有意性を報告していない。 睡眠の質の向上が回復を促すかを検証した研究も、製品名(KSM-66®)についても、本記事は出典を示せない。
安全性について ─ 収録した出典が言える範囲
甲状腺への影響も、妊娠中の使用も、製品ごとの品質も、これを扱った研究を本記事は収録していない。 収録した3件が安全性について報告しているのは、Chandrasekhar ら(2012)の「有害事象は軽度で両群で同程度、重篤な有害事象の報告は無かった」という記述と、Langade ら(2019)の「忍容性は良好だった」という記述までである。いずれも投与期間は8〜10週間である。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文14件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 要約に書いていた「アシュワガンダ(KSM-66®・Sensoril®など標準化エキス)は、コルチゾール低下・主観的ストレス・不安の軽減にRCTで一貫したエビデンスがある」「筋力・筋肉量にも若干の向上効果が示されており、アダプトゲン系の中では最も研究が充実した選択肢の一つ」、第1節の「Chandrasekhar ら(2012)をはじめとする複数の二重盲検RCTでは、アシュワガンダの標準化エキス(KSM-66® 300〜600mg/日)を8〜12週間摂取したコース後に血清コルチゾールが有意に低下し、PSS(知覚ストレス尺度)やHAM-A(ハミルトン不安評価尺度)のスコアも改善することが報告されている」、統計カードの「コルチゾール低下率(RCT)=14〜27%」「標準化エキスの有効量=300〜600mg/日」、第2節の「筋サイズは周径囲と皮下脂肪厚から推定する方法で腕・胸部・大腿を評価しており、MRIによる測定ではない」「対象がトレーニング初心者である点は割り引いて読む必要があり、上級者で同じ効果量が出るとは限らない」、第3節の「Langade ら(2019)の二重盲検RCTでは、アシュワガンダ(KSM-66® 300mg×2回/日)を10週間摂取したグループが、PSQI(睡眠質問票)スコア・入眠時間・睡眠効率・翌朝の気分で有意な改善を示した」「睡眠の質向上を通じた間接的な回復促進効果も期待できる」、第4節の「アシュワガンダはナス科の植物で、通常摂取量では安全性が高いとされる」「まれに消化器の不快感・眠気が報告されるが重篤な副作用は少ない」「甲状腺ホルモンを増加させる可能性が示唆されており、甲状腺疾患・薬服用中の人は医師に相談が必要」「妊娠中は禁忌とされている」「KSM-66®・Sensoril®など品質の担保された標準化エキスを選ぶことを推奨(ウィタノリド濃度が明記されているもの)」——をすべて撤回した。収録している3件(Chandrasekhar ら 2012/Wankhede ら 2015/Langade ら 2019)はいずれも別々のアウトカムを測っており、「一貫したエビデンス」を裏づけるものではない。アダプトゲン間で研究量を比べた資料も収録していない。用量の範囲も尺度の名称も製品名も、コルチゾールの低下率も、筋サイズの測定方法も大腿の結果も、翌朝の気分の有意性も、甲状腺への影響も妊娠中の使用も製品ごとの品質も、抄録は報告していない。統計カードの値(14〜27%・300〜600mg/日)と、12文字未満のラベル「標準化エキスの有効量」はremoved に収められないため、ここに原文のまま記録している。なお「対象がトレーニング初心者である」という点自体は、抄録の「レジスタンストレーニングの経験に乏しい」という記述として本文に残している。撤回したのは「上級者で同じ効果量が出るとは限らない」という外挿の評価である。第1節の見出し「RCTで確認されたコルチゾール・ストレス低下効果」も改めた。収録しているのは1件で、「RCTで確認された」という複数形の含みが実態と合わないため。
撤回した原文14件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
アシュワガンダ(KSM-66®・Sensoril®など標準化エキス)は、コルチゾール低下・主観的ストレス・不安の軽減にRCTで一貫したエビデンスがある
筋力・筋肉量にも若干の向上効果が示されており、アダプトゲン系の中では最も研究が充実した選択肢の一つ
Chandrasekharら(2012)をはじめとする複数の二重盲検RCTでは、アシュワガンダの標準化エキス(KSM-66® 300〜600mg/日)を8〜12週間摂取したコース後に血清コルチゾールが有意に低下し、PSS(知覚ストレス尺度)やHAM-A(ハミルトン不安評価尺度)のスコアも改善することが報告されている
コルチゾール低下率(RCT)
筋サイズは周径囲と皮下脂肪厚から推定する方法で腕・胸部・大腿を評価しており、MRIによる測定ではない
対象がトレーニング初心者である点は割り引いて読む必要があり、上級者で同じ効果量が出るとは限らない
Langade ら(2019)の二重盲検RCTでは、アシュワガンダ(KSM-66® 300mg×2回/日)を10週間摂取したグループが、PSQI(睡眠質問票)スコア・入眠時間・睡眠効率・翌朝の気分で有意な改善を示した
睡眠の質向上を通じた間接的な回復促進効果も期待できる
アシュワガンダはナス科の植物で、通常摂取量では安全性が高いとされる
まれに消化器の不快感・眠気が報告されるが重篤な副作用は少ない
甲状腺ホルモンを増加させる可能性が示唆されており、甲状腺疾患・薬服用中の人は医師に相談が必要
妊娠中は禁忌とされている
KSM-66®・Sensoril®など品質の担保された標準化エキスを選ぶことを推奨(ウィタノリド濃度が明記されているもの)
RCTで確認されたコルチゾール・ストレス低下効果
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ホスファチジルセリン疲労困憊までの時間が延びた。 活動的な男性14名に大豆由来のホスファチジルセリン750mgを1日1回・10日間摂取させ、45・55・65%VO2maxで各10分の自転車運動を行った後、85%VO2maxで疲労困憊まで漕がせる試験を2回実施した。ホスファチジルセリンを摂取した条件では85%VO2maxでの疲労困憊までの時間が7分51秒から9分51秒へ延び(p=0.001)、プラセボでは変化しなかった(群間 p=0.005)(Kingsley 2006)。著者らは「ホスファチジルセリン補給で運動能力の改善を報告した最初の研究」と述べており、単一の小規模試験である。
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収録している出典が扱っているのは、心理的ストレスとホルモン・回復の関係ではない。 Stults-Kolehmainen & Sinha(2014)は、心理的ストレスが身体活動量に与える影響を168件から検討したレビューで、前向き研究55件のうち76.4%が、心理的ストレスがその後の身体活動の低下や座位行動の増加を予測すると報告している。 Gordon ら(2018)は、レジスタンストレーニングがうつ症状を減らすかを調べた33件のRCT(1,877名)のメタ分析で、平均効果量0.66(95%CI 0.48〜0.83、P<0.001)だった。 心理的ストレスがホルモン・回復・筋肥大に与える影響を調べた研究を、本記事は収録していない。
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