
ケトジェニックでは絶対に筋肉はつかない
言われていること
ボディビルフォーラム・増量期は「高炭水化物が絶対」という通説
「糖質がないとカタボリックになって筋肉が分解されるだけ。ケトジェニック増量なんてあり得ない」
研究が示すこと
- この主張は誇張。
- ketogenic-diet-body-composition-rct を含む研究では、適切なカロリーサープラスと十分なタンパク質(体重1kgあたり1.6〜2.2g)があれば、ケトジェニック状態でも除脂肪体重の増加が確認されている。
- また protein-intake-muscle-meta が示すように、筋タンパク合成(MPS)の主要な刺激はインスリンではなく「タンパク質摂取量」と「レジスタンストレーニング」。
- ケトジェニックでも両条件を満たせば筋肉の純増は可能。
- ただし high-protein-overfeeding-rct では同カロリー・同タンパク質条件で比較した際に高糖質食群と同等の速度での筋肥大が難しい場合がある。
- 「できない」は嘘だが「非効率」は一定根拠がある。
ケトジェニックで筋肉をつけること自体は可能。「絶対につかない」は誇張。ただし同条件比較では高糖質食と同等のスピードで筋肥大するのが難しい場合がある。筋肥大を最大化したいフェーズには向かないが、「ケトジェニック中に筋肉は一切つかない」は誤り。
ケトジェニックでの増量は体脂肪ばかり増えて筋肉がつかない
言われていること
「脂肪→脂肪蓄積が直線的」というカロリーパーティション論
「ケトジェニック増量でカロリーサープラスにすると、脂肪ばかり増えて筋肉はつかない。高脂肪食は体脂肪増加には最も効率がいい」
研究が示すこと
- high-protein-overfeeding-rct では、同カロリーサープラスでも高タンパク質摂取群では脂肪蓄積が有意に少なく除脂肪体重増加が多いことが示されており、カロリーの「種類」より「タンパク質摂取量」がボディコンポジションを決める主要因。
- ケトジェニック増量でも高タンパク質を確保すれば体脂肪蓄積を最小化しながら除脂肪体重を増やすことは原理上可能。
- ただし実際のケトジェニック増量では脂質カロリーが高くなりやすく、意識的にタンパク質量を確保しないと脂肪過多の増量になりやすい点は実践上の注意点。
「ケトジェニング増量=体脂肪ばかり」は単純化しすぎ。タンパク質をしっかり確保(体重1kgあたり2g以上)すれば体組成を管理しながら増量可能。実践上はタンパク質が不足しがちな点が落とし穴。
ケトジェニック増量は「リーンバルク」として最適な戦略だ
言われていること
ケトジェニック推進コミュニティの増量戦略論
「ケトジェニック増量なら体脂肪を最小限に抑えながら筋肉だけつけられる。インスリンを出さないので脂肪がつきにくい」
研究が示すこと
- 「低インスリン=脂肪がつかない」は単純化しすぎ。
- 脂肪蓄積はインスリン単独でなくエネルギー収支全体(摂取カロリー > 消費カロリー)で決まり、脂肪酸そのものもASP(アシル化刺激タンパク)経路などでインスリン非依存的に脂肪細胞に取り込まれる。
- carbohydrate-periodization-meta でも低糖質群が高糖質群より体脂肪増加を「常に少なく」抑えるわけではなく、増量時のカロリーサープラス管理が最重要。
- また「ケトジェニック増量でパフォーマンス維持」の問題点として、高強度トレーニングが制限されることでトレーニングボリュームが下がり、ひいては筋肥大刺激が減少するリスクがある。
「ケトジェニックがリーンバルクに最適」は過大評価。低インスリンが脂肪蓄積を自動的に防ぐわけではなく、エネルギー収支が支配的。さらに高強度トレーニング制限が筋肥大刺激を下げるリスクがある。炭水化物を活用したリーンバルクと比べて優位性を示す根拠は現状弱い。
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