トレーニングと競技のための炭水化物(レビュー)
Burke LM, et al.
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
アスリートの炭水化物摂取を「利用可能性(availability)」の観点から整理したレビュー。総摂取量と運動との時間関係によって、筋と中枢神経に十分な基質がある状態(高利用可能性)と、日々の運動プログラムに対して不足する状態(低利用可能性)に分かれる。競技や高強度トレーニングでは高利用可能性が重要になる。運動中の摂取量は種目の性質に応じて調整すべきで、約1時間の高強度種目では少量(口をすすぐだけでも)が中枢神経系を介して効果を持ち、長時間種目では毎時30〜60g、2.5時間を超える種目では最大90gまで増やす利点がありうる。著者らは、訓練適応を高めるために「train-low」戦略を追加することが、よく訓練された人のパフォーマンス向上につながるかは不明だと明記している。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 測定したアウトカム・研究デザインレビューのため被験者数は無い。id の -meta は実体と合わないが URL の後方互換のため変更していない。train-low の効果を主張する根拠にはできない。
- 訂正履歴
1件を表示
- 「低グリコーゲン状態でのトレーニングが脂質代謝酵素活性を有意に上昇させる」としていたが、抄録は train-low の効果を「不明」と結論している。全面的に書き直した。変更履歴
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
約1時間の高強度種目では、少量の炭水化物(口をすすぐだけでも)が中枢神経系を介してパフォーマンスを高める。
- 2
長時間種目では毎時30〜60gが目安で、2.5時間を超える種目では最大90gまで増やす利点がありうる。
- 3
その高い摂取速度を吸収するには、異なる種類の炭水化物を配合した製品が有効な場合がある。
- 4
競技や高強度トレーニングでは、炭水化物の高い利用可能性が重要になる。
- 5
「train-low」戦略が、よく訓練された人のパフォーマンス向上につながるかは不明だと著者らが明記している。
関連する研究
レジスタンストレーニング中のケトジェニック食が体組成に与える効果:ランダム化比較試験
Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2018
エネルギー過剰条件で8週間のレジスタンストレーニングを行ったトレーニング経験のある男性24名を、ケトジェニック群(9名)・非ケトジェニック群(10名)・対照群(5名)に無作為に割り付け、体組成をDXAで評価したRCT。ケトジェニック群は脂肪量(-0.8 kg、95%CI -1.6〜-0.1、p<0.05)と内臓脂肪(-96.5 g、p<0.05)が有意に減少した一方、筋量は-0.1 kg(p>0.05)で有意な増加を示さなかった。非ケトジェニック群は体重(+0.9 kg)と筋量(+1.3 kg)がいずれも有意に増加している。著者らは、ケトジェニック食は除脂肪量を減らさずに脂肪量と内臓脂肪を減らす選択肢になりうるが、エネルギー過剰下で筋量を増やす目的には向かないかもしれない、と結論づけている。本試験は体組成のみを評価しており、筋力やパワーなどのパフォーマンステストは行っていない。
2種類の異なる減量速度が体組成・筋力・パワー関連パフォーマンスに与える影響
International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 2011
エリートアスリート24名を、週0.7%の緩徐減量群(13名)と週1.4%の急速減量群(11名)に無作為に割り付けたRCT。全員が週4回のレジスタンストレーニングを継続した。体重の減少率は両群とも約5.5%で同等だったが、脂肪量の減少は緩徐群31%・急速群21%で緩徐群のほうが大きく、除脂肪量は緩徐群で2.1%増加した一方、急速群では変化しなかった(群間差 p<0.01)。著者は、減量しながら除脂肪量と1RM筋力を伸ばしたいなら週0.7%を目指すべきだと結論づけている。
この研究を扱った記事
- 解説
運動中の果糖+ブドウ糖の混合飲料 ─ 収録した出典が示せる範囲
まず、収録した3件のいずれも果糖ブドウ糖液糖(HFCS)そのものを扱っていない。 実際に投与した試験は Currell & Jeukendrup 2008(ブドウ糖と果糖の2:1溶液)の1件だけで、Rowlands 2015 は14件を統合した批判的レビュー(果糖+「ブドウ糖またはマルトデキストリン」)、Burke 2011 は糖質の組み合わせを特定しないレビューである。 HFCSを投与して他の糖質と比べた試験を本記事は収録していないため、以下の結果をHFCSに当てはめられるかどうかは判定できない。 摂取量の目安については、Burke ら(2011)が「長時間の種目では毎時30〜60g、2.5時間を超える種目では毎時90gまでが有益になりうる」「配合された炭水化物はそうした高い摂取速度での吸収を最大化しうる」と述べている。ただしこれは摂取の目標値であって、利用の上限ではない。 混合摂取そのものの効果について、収録した2件が示しているのは次の範囲である。 批判的レビュー(Rowlands 2015、14件・男性・主にサイクリング)では、同カロリーのブドウ糖/マルトデキストリンと比べ、果糖と、ブドウ糖またはマルトデキストリンを0.5〜1.0:1で組み合わせた飲料を1分あたり1.3〜2.4g摂ると平均パワーが1〜9%向上した(95%信頼区間 0〜19。下限は0である)。RCT(Currell & Jeukendrup 2008、男性サイクリスト8名)では、同じ摂取速度(1.8g/分)でブドウ糖+果糖2:1がブドウ糖のみより8%速くタイムトライアルを完走した。 輸送体(SGLT1・GLUT5)の機序、女性での結果、筋力トレーニングへの当てはめについては、いずれも出典を示せない。
吉崎 槙吾
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吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
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「ケトジェニックでの増量は非効率」「インスリンがないと筋肉がつかない」という主張と、「ケトジェニックで増量している」という実践者の声が混在する。何が正しくて何が誤解なのか、研究データを使って整理する。
吉崎 槙吾
最終確認:
