ベルベリン
メギ科植物や黄連などに含まれる植物性アルカロイド。血糖・脂質の代謝に関わる指標への影響が研究されており、研究の蓄積は2型糖尿病患者を対象としたものが中心。糖尿病でない肥満者を対象とした大規模RCTでは、内臓脂肪と肝脂肪はプラセボと差が無かった。 「飲めば内臓脂肪が落ちる」という位置づけの製品ではない。
研究が進みつつある成分

購入する
(PR)研究で報告されている効果
血糖・インスリン関連の指標への関与(主に2型糖尿病患者を対象とした研究)
脂質(LDLコレステロール・ApoB)や炎症マーカーへの影響に関する研究がある
糖尿病でない肥満者を対象とした6か月のRCTでは、内臓脂肪面積と肝脂肪量はプラセボと有意差がなかった
推奨摂取量・タイミング
- 収録した研究で用いられているのは1〜1.5g/日で、分割して食事とあわせて摂る設計が多い。プロトコルは研究間で統一されていない。 具体的な用量と結果は関連研究のページを参照すること。
- 吸収率が低いために分割が必要だという説明について、本サイトは出典を示せない。
注意点
- •収録した出典が示しているのは、ベルベリンが血糖を下げるということまでである(Yin 2008、Zhao 2023)。
- •糖尿病薬(メトホルミン・インスリンなど)と併用した場合を評価した試験を、本サイトは収録していない。 血糖の管理で服薬している人は、使用前に必ず医師に相談すること。
- •薬物代謝酵素を阻害することが健常者で確認されている。 ベルベリン300mgを1日3回反復投与した試験で、CYP2D6の活性低下(尿中デキストロメトルファン/デキストロルファン比が9倍、P<0.01)、CYP2C9の活性低下(ロサルタン/E-3174比が2倍、P<0.01)、CYP3A4の阻害(ミダゾラムのCmax +38%、AUC +40%、経口クリアランス −27%)が示された。
- •著者らは「ベルベリンを投与する際は薬物相互作用を考慮すべき」と結論している(Guo 2012)。
- •処方薬を服用中の人は、服用中のすべての薬について医師または薬剤師に確認してから使うこと。 消化器症状(下痢・吐き気・腹部不快感)は使い始めに多い。 Yin ら(2008)では20名(34.5%)で報告されている(抄録に分母の内訳の記載はない)。
- •妊娠中・授乳中の使用について、本サイトは出典を示せない。 一般に禁忌とされ子宮収縮作用が挙げられることがあるが、それを確かめられる資料を収録していない。
- •妊娠中・授乳中の人、妊娠の可能性がある人は医師に相談すること。
- •長期の高用量使用の安全性についても、本サイトは出典を示せない。 本情報は教育・参考目的であり、疾患の診断・治療を意図しない。
根拠となる研究
2型糖尿病患者に対するベルベリンの有効性(メトホルミン対照RCT)
Metabolism, 2008
著者ら自身が「パイロット試験」と位置づけている小規模試験。研究Aでは新規診断の2型糖尿病患者36名を、ベルベリンまたはメトホルミン(いずれも0.5gを1日3回)に無作為に割り付け、3か月間投与した。ベルベリン群ではHbA1cが9.5%から7.5%へ、空腹時血糖が10.6から6.9 mmol/Lへ、食後血糖が19.8から11.1 mmol/Lへ、中性脂肪が1.13から0.89 mmol/Lへ低下し、降糖効果はメトホルミンと同程度だった。研究Bでは、血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者48名にベルベリンを上乗せし、HbA1cが8.1%から7.3%へ低下、空腹時インスリンとHOMA-IRがそれぞれ28.1%・44.7%減少した。一過性の消化器系有害事象が20名(34.5%)で報告され、肝・腎機能の障害は認められなかった。比較対象はプラセボではなく実薬であり、盲検化についても抄録は述べていない。
ベルベリンが血糖・インスリン関連指標に与える影響(メタ分析)
The Journal of Nutrition, 2023
ベルベリンとプラセボを比較したランダム化試験20件(n=1,761)のメタ分析。空腹時血糖は0.52 mmol/L低下(95%CI −0.72〜−0.33、18研究n=1,522)、HbA1cは4.48 mmol/mol低下(95%CI −6.53〜−2.44、7研究n=756)。女性・糖尿病患者・アジア人でより大きい効果が示唆されたが、著者らは研究数が限られるため再現の確認が必要としている。
糖尿病でない肥満・MASLD患者におけるベルベリンと内臓脂肪(6か月RCT・陰性)
JAMA Network Open, 2026
糖尿病のない肥満かつMASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)の患者337名を対象に、ベルベリン1g/日を6か月投与した多施設・二重盲検RCT。主要評価項目である内臓脂肪面積(1.4%、97.5%CI −2.4〜5.2)と肝脂肪量(0.9%、97.5%CI −0.4〜2.1)はいずれもプラセボと有意差がなかった。 副次評価項目のうちLDLコレステロール(−7.72 mg/dL、95%CI −13.13〜−1.93)、ApoB(−3.42 mg/dL、95%CI −6.33〜−0.51)、hs-CRP(−0.072 mg/dL、95%CI −0.140〜−0.004)では差が見られたが、他の副次評価項目では見られなかった。主要評価項目が陰性の試験における副次的な所見であり、確証的なものではない。
出典
- Yin J, Xing H, Ye J (2008) Metabolism — 2型糖尿病患者におけるベルベリンの有効性(57(5):712-717)
- Zhao JV, et al. (2023) J Nutr — ベルベリンが血糖・脂質に与える影響(RCTの系統的レビューとメタ分析)
- Lei L, et al. (2026) JAMA Netw Open — 糖尿病のない肥満かつMASLD患者におけるベルベリンと内臓脂肪(RCT)
- Guo Y, et al. (2012) Eur J Clin Pharmacol — ベルベリンの反復投与はヒトのシトクロムP450を阻害する(68(2):213-217)
似た働きのサプリ
アルファリポ酸(ALA)
信頼度: 中α-リポ酸
抗酸化物質として知られる化合物。本サイトが収録しているのは、代謝疾患のある患者を対象としたメタ分析1件である。 健常者を対象とした試験は収録していない。
サイリウム(オオバコ)
信頼度: 高サイリウムハスク(Plantago ovata種皮)
水溶性の粘性食物繊維を多く含むオオバコ種皮。腸内でゲル状になる。LDLコレステロールの低下と慢性便秘の改善についてはメタ分析があり、血糖への効果は「血糖コントロールが崩れている人ほど大きく、正常な人では見られない」という形で報告されている。
ガーリック(ニンニク)
信頼度: 中ニンニク(Allium sativum)エキス・アリシン含有
食品としても使われる球根。108件のRCT・計7,137名を統合したメタ分析で、血圧・脂質・血糖・炎症マーカーの改善が報告されている。ただし効果量は小さく(収縮期血圧 −3.71 mmHg、LDL −5.90 mg/dL)、著者らは「とくにベースラインのリスク因子が不良な成人で」改善が見られたとしている。体重・BMIには影響が無い。