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読みもの解説

ケトジェニックダイエットとは何か? ケトーシスの仕組みと科学を初心者向けに解説

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

ケトジェニックダイエットって結局何?どういう仕組みで痩せるの?

ケトジェニックダイエットは、糖質を強く制限してエネルギー代謝を脂肪由来のケトン体に依存する状態(ケトーシス)に移すアプローチとして説明される。ただし「糖質1日20〜50g以下」「血中ケトン体0.5mmol/L以上」といった具体的な数値について、本記事は出典を示せない。 収録している研究のうち Vargas ら(2018)はエネルギー過剰下で8週間行った24名のRCTで、ケトジェニック群の脂肪量は減ったが(−0.8kg)減量試験ではない。Tobias ら(2015)のメタ分析では1年以上の減量試験で低糖質介入のほうが体重減少が大きかったが、差は1.15kgである。Hallberg ら(2018)は2型糖尿病でHbA1cと体重の大きな改善を報告しているが、無作為化されておらず、介入は食事だけを切り出せないケアモデルである。

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ケトジェニックの定義:「低糖質」との違いはケトーシスに入れるかどうか

「低糖質ダイエット」と「ケトジェニックダイエット」は混同されやすい。ケトジェニックはケトーシス(血中ケトン体が一定以上になった状態)に入ることを条件とし、そのために糖質の摂取量を強く制限する食事法として説明される。 「血中ケトン体0.5mmol/L以上」という閾値、「糖質を1日20〜50g以下」「脂質70〜75%・タンパク質20〜25%・糖質5〜10%」という配分について、本記事は出典を示せない。 収録している Paoli ら(2013)は超低糖質食の治療的応用を論じたナラティブレビューで、抄録にこれらの数値は無い。タンパク質の摂取量と糖新生がケトーシスの維持に与える影響を調べた研究も、本記事は収録していない。

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ケトーシスの仕組み:肝臓が「ケトン体」を作るまで

通常の食事では、脳・筋肉・臓器の主なエネルギー源はグルコース(血糖)。ケトジェニック食で糖質を制限すると、肝臓のグリコーゲンが枯渇(通常12〜24時間)し、脂肪組織から放出された脂肪酸が肝臓に運ばれてβ酸化によって「ケトン体(βヒドロキシ酪酸・アセト酢酸・アセトン)」が産生される。ケトン体は血液脳関門を通過できるため、グルコースに代わって脳の燃料になる(脳はケトン体で最大約70%のエネルギーを賄える)。筋肉もケトン体を酸化燃料として使えるが、高強度運動時はグルコースとクレアチンリン酸への依存が高まるため、ケトジェニックと高強度競技の相性については後述の記事も参照。

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研究が示すケトジェニックの効果:体重・体脂肪・血糖値

収録している Vargas ら(2018)は、エネルギー過剰下で8週間行ったRCT(24名)である。ケトジェニック群は脂肪量が減ったが(−0.8kg、95%CI −1.6〜−0.1、p<0.05)、減量試験ではなく、期間の窓を比べる設計でもない。 長期については Tobias ら(2015)のメタ分析(53件のRCT・68,128名)がある。1年以上の減量試験で低糖質介入のほうが体重減少が有意に大きかった(加重平均差 1.15kg)。ただしこの差は、1年以上かけた減量としては小さい。著者らの結論も「同程度の強度の介入と比べれば低脂肪食を支持する根拠は無い」という控えめなものである。 血糖については Hallberg ら(2018)がある。2型糖尿病の成人349名(介入262名・通常ケア87名)を1年追跡し、介入群でHbA1cが7.6%から6.3%へ低下、体重が13.8kg減少、メトホルミン以外の糖尿病薬の処方が56.9%から29.7%へ減り、インスリンは使用者の94%で減量または中止された。ただしこれは無作為化されていないオープンラベルの前後比較で、介入は「栄養的ケトーシス+遠隔での継続的な医療支援+薬剤調整」を束ねたケアモデルである。食事の効果だけを切り出せない。資金提供は Virta Health Corp.。LDLコレステロールは10%上昇している(p=5.1×10⁻⁵)。

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ケトジェニックに向いている人・向かない人

向いている人:①血糖値のコントロールが難しい(2型糖尿病・インスリン抵抗性)、②満腹感を得やすい高脂肪食が好き、③精神的に「糖質量を徹底管理する」ことが苦にならない、④短期間(コンテスト前など)での体脂肪減少を優先する場合。 向かない人:①高強度・爆発力系の競技アスリート(糖質依存度が高い)、②外食・会食が多い生活スタイル(糖質制限の維持が難しい)、③腎臓疾患・肝臓疾患・脂質代謝異常症がある(脂質・タンパク質代謝への影響)、④筋肥大を最優先とするボディビルダー(後述の記事で詳解)。 上に挙げた「向いている人・向かない人」の各項目について、本記事は出典を示せない。 高強度競技での不利は別記事(ケトジェニックと筋力・パフォーマンス)で扱っているが、そこでも直接比較した試験は収録していない。腎疾患・肝疾患・脂質代謝異常症のある方は、食事法を変える前に必ず医師に相談すること。

訂正履歴訂正1回・撤回した原文12件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • ケトジェニックの定義と効果について書いていた「ケトーシスに入る必須条件は血中ケトン体濃度0.5mmol/L以上である」(現在は閾値を示さず「一定以上」とだけ書いている)「そのために糖質摂取量を1日20〜50g以下に制限する」「典型的なマクロ栄養素比率は脂質70〜75%・タンパク質20〜25%・糖質5〜10%である」「タンパク質を過剰に摂ると糖新生によってケトーシスを維持しにくくなり、一般的な高タンパク食とは考え方が異なる」、統計カードに出していた「ケトーシスを維持するための糖質量の上限=20〜50g/日」「栄養性ケトーシスの血中ケトン体濃度の定義=0.5mmol/L以上」「ケトジェニックは短期〜中期(3〜6ヶ月)の体重・体脂肪減少に有効である」「3〜6ヶ月はケトジェニックが最も体重減少の優位性を示す期間である」「長期(12ヶ月以上)では低脂肪食との体重減少の差がほぼなくなる・差が縮まる」「血糖値・インスリン感受性への効果は Strasser ら(2010)のメタ分析などのデータとも一致し、2型糖尿病リスクが高い人や高インスリン血症の改善に有望なエビデンスがある」、および「どのダイエット法が最善かよりも、自分が長期間継続できるかが最も重要である」という判断と、「アドヒアランス(継続率)が体重減少の最大の予測因子である」という Tobias ら(2015)への帰属——をすべて撤回した。閾値・糖質量・マクロ配分は、収録している Paoli ら(2013)の抄録が述べていない。Vargas ら(2018)はエネルギー過剰下で8週間行ったRCTで、減量試験ではなく期間の窓を比べる設計でもない。Tobias ら(2015)では1年以上の減量試験で低糖質介入のほうが体重減少が有意に大きく(加重平均差1.15kg)、差が消えるわけではない。同メタ分析はアドヒアランスを予測因子として解析しておらず、継続できるかどうかの重要性を裏づける出典も本記事は持っていない。Strasser ら(2010)はレジスタンストレーニングのメタ分析で、ケトジェニック食を扱っていない。糖新生とケトーシスの維持を調べた研究も収録していない。
    撤回した原文12件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. ケトジェニックはケトーシス(血中ケトン体濃度が0.5mmol/L以上)に入ることを必須条件とする
    2. これを達成するために糖質摂取量を通常1日20〜50g以下(茶碗半杯以下のご飯に相当)に制限する
    3. 典型的なマクロ栄養素比率はカロリーの70〜75%を脂質、20〜25%をタンパク質、5〜10%を糖質から摂る配分
    4. タンパク質を過剰に摂ると「糖新生」(アミノ酸からグルコースが作られる)によってケトーシスを維持しにくくなるため、一般的な高タンパク食とは考え方が異なる
    5. ケトーシスを維持するための糖質量の上限
    6. 栄養性ケトーシスの血中ケトン体濃度の定義
    7. ケトジェニックダイエットが短期〜中期(3〜6ヶ月)の体重・体脂肪減少に有効であることが示されている
    8. ケトジェニックが最も体重減少の優位性を示す期間
    9. 長期(12ヶ月以上)では低脂肪食と体重減少の差がほぼなくなることも示されており
    10. 12ヶ月以上で差が縮まる
    11. 血糖値・インスリン感受性への効果はStrasserら(2010)のメタ分析などのデータとも一致し、2型糖尿病リスクが高い人や高インスリン血症の改善に有望なエビデンスがある
    12. 最終的に「どのダイエット法が最善か」よりも「自分が長期間継続できるか」が最も重要で、Tobiasら(2015)のメタ分析もアドヒアランス(継続率)が体重減少の最大の予測因子であることを示している

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  • MCTオイル(中鎖脂肪酸)

    LCTに富む食事と比べて体重が多く減った。 加重平均差 −1.53%(95%CI −2.44〜−0.63、p<0.01)。純粋なMCTでは −1.62%(95%CI −2.78〜−0.46、p<0.01)だが、中鎖と長鎖の混合(MLCT)に富む食事では有意な減量が見られなかった(He 2024)。対象は過体重・肥満の人である。

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吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

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