ベータアラニン
筋肉内のカルノシン濃度を高め、細胞内のpH緩衝として働くとされるアミノ酸。メタ分析では60〜240秒と240秒超の運動で改善が認められ、60秒未満では有意に達していない。ただし区分間の差は検定されていないため、持続時間で効果が違うとも、60秒未満で効かないとも結論できない。改善が認められたのは運動「容量」の指標で、運動「パフォーマンス」の指標では有意な改善が検出されていない(p=0.204)。これも効果が無いことの証明ではない。 摂取後のチクチク感(パレステジア)はISSNが唯一報告されている副作用としている。
研究が進みつつある成分

購入する
(PR)研究で報告されている効果
運動指標の改善はプラセボより大きかった。 15論文・23の運動テスト・計360名(β-アラニン群174名・プラセボ群186名)を統合したメタ分析で、効果量の中央値は0.374対0.108(p=0.002)。これは運動指標の2.85%の改善に相当し、そのときのβ-アラニン総摂取量の中央値は179gだった(Hobson 2012)。
運動時間で分けた区分ごとの結果。 60〜240秒の運動で改善が認められ(p=0.001)、240秒を超える運動でも認められた(p=0.046)。60秒未満では有意に達していない(p=0.312)。ただし区分間の差を検定した結果は示されていないため、持続時間によって効果が違うとも、60秒未満では効かないとも、この解析からは結論できない(Hobson 2012)。
「容量」と「パフォーマンス」の区別が重要である。 改善が認められたのは運動容量(capacity、疲労困憊まで続けられる量)の指標であり(p=0.013)、運動パフォーマンス(performance、決まった課題をどれだけ速くこなせるか)の指標では有意な改善が検出されなかった(p=0.204。非有意は効果が無いことの証明ではない)(Hobson 2012)。
ISSNは、4〜6g/日を2〜4週間以上続けることでパフォーマンスが改善し、効果は1〜4分続く時間制限のない課題・タイムトライアルでより顕著だとしている。 一方で「筋力への効果、25分を超える持久パフォーマンスへの効果、カルノシンに関連するその他の健康上の利益については、さらなる研究が必要」とも明記している(Trexler 2015)。
「インターバルトレーニング・HIIT・中距離競技での持久力改善」という表現について、本サイトは競技種目別に検討した出典を示せない。 収録しているのは運動の持続時間で分けた解析である。ISSNは「25分を超える持久パフォーマンスへの効果についてはさらなる研究が必要」としている(Trexler 2015)。
推奨摂取量・タイミング
- ISSNは、1日4〜6gを最低2〜4週間続けることを挙げている。 唯一報告されている副作用はパレステジア(チクチク感)で、1回1.6gに分割するか徐放性の製剤を使うことで軽減できるとされる。
- 他のサプリとの組み合わせについて ISSN が述べているのは、「β-アラニンの摂取が十分な量(1日4〜6g)と十分な期間(最低4週間)である場合、単一成分・多成分のサプリと組み合わせることが有利になりうる」ということである(Trexler 2015)。 組み合わせによって上乗せの効果が出ることを示した試験を、本サイトは収録していない。 メタ分析で2.85%の改善に対応した総摂取量の中央値は179gだった(Hobson 2012)。
注意点
- •摂取後にチクチク感(パレステジア)が出ることがある。
- •ISSNは唯一報告されている副作用としており、1回1.6gに分割するか徐放性製剤で軽減できるとしている(Trexler 2015)。
- •メタ分析で有意に達したのは60〜240秒と240秒超の区分で、60秒未満では有意でない。ただし区分間の差は検定されておらず、特定の運動時間で効かないと断定できるわけではない(Hobson 2012)。
根拠となる研究
出典
似た働きのサプリ
アシュワガンダ
信頼度: 中ウィザニア・ソムニフェラ根エキス
アーユルヴェーダで用いられてきたハーブ。コルチゾールの低下は23件・1,706名を統合したメタ分析で報告されている(標準化平均差 −1.18)。筋力については、トレーニング経験のほとんど無い若年男性57名を対象とした8週間のRCT1件を収録している。
ビーツ(硝酸塩)
信頼度: 中硝酸塩(Dietary Nitrate)、ビートルートエキス
硝酸塩を多く含むビーツの搾汁。33件を統合したメタ分析で、高強度インターバルスプリント・平均パワー・最大酸素摂取量のいずれも有意に改善している。ただし効果量はいずれも小〜中程度で、競技レベルや摂取方法による違いは検定では有意でなく、著者ら自身が「仮説を生成するもの」と位置づけている。
ベタイン無水物
信頼度: 中ベタイン(トリメチルグリシン)無水物
無水ベタイン。本サイトは、無水物と他のベタイン製剤を直接比較した試験を収録していない。以下はベタイン一般についての結果で、有意だったのは最大筋力(とくに下半身)であり、上半身の筋力には有意な効果が見られていない。