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研究 vs 勘

「サウナはトレーニング回復に効く」は本当か? 熱暴露の生理的効果と研究エビデンス

公開日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

フィンランド式サウナ・スチームサウナ・赤外線サウナなど、トレーニング後のサウナ習慣を持つアスリートは多い。「疲労物質の排出」「成長ホルモンが出る」「血流が良くなって回復が早まる」などのメリットが語られるが、研究レベルではどこまで支持されているのか。

Round1

サウナで成長ホルモンが大量に分泌されて筋肥大・回復が促進される

言われていること

バイオハッキング系コンテンツ、Hubermanlab等の長寿・健康メディア

80〜100℃のサウナに入ると成長ホルモン(GH)が通常の5〜10倍に急増。これが筋肥大と回復を劇的に促進する。

VS

研究が示すこと

  • サウナによるGH分泌増加は複数の研究で確認されている(Leppäluoto et al. 1988 など)。
  • ただしGHの急上昇が直接的に筋肥大を引き起こすかどうかは別問題。
  • Acute hormones studies(本データベース収録)は、トレーニング後の急性ホルモン反応(GH・テストステロン上昇)と長期的な筋肥大に強い相関がないことを示している。
  • サウナによるGH増加が筋肥大に実質的に貢献するというRCTエビデンスは現状乏しい。
判定

サウナがGHを増加させることは事実だが、そのGH増加が筋肥大や実質的な回復促進に直結するかは現状証明されていない。GH分泌を目的にサウナを使う根拠は現時点では弱い。

信頼度:根拠は弱い
Round2

サウナは心血管健康と長寿に効果がある

言われていること

フィンランドの大規模コホート研究を引用したコンテンツ、長寿研究者

週に複数回サウナに入ることで心血管疾患リスクが下がり、健康寿命が延びる。

VS

研究が示すこと

  • Laukkanen ら(2015, 2018)のフィンランド人大規模コホート研究(KIHD study)では、週4〜7回サウナを使用する男性は週1回の使用と比較して心血管疾患死亡リスクが50%低く、全死因死亡リスクが40%低かった。
  • ただしこれは観察研究であり、サウナ習慣と健康的なライフスタイル(社会的結びつき、運動習慣など)の交絡が存在する。
  • RCTによる因果関係の証明はまだ限られる。
判定

サウナと心血管健康・長寿の観察的な相関は示されているが、サウナ自体が原因かどうかは観察研究では確定できない。ただし副作用リスクが低く、主観的な回復感・リラクゼーションへの効果もあることから、健康な成人にとっての選択肢として否定する根拠も現時点では乏しい。

信頼度:賛否が分かれる

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公開日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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