本文へスキップ
BODYDATA
JPEN
読みもの解説

オーバーリーチングとオーバートレーニングの違い:意図的な疲労蓄積とリスクの正しい理解

公開日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

オーバーリーチングとオーバートレーニングは何が違うの? あえてオーバーリーチさせることは意味があるの?

オーバーリーチングは「回復すれば適応が起きる一時的な過負荷状態」、オーバートレーニング症候群(OTS)は「長期の回復が必要な病態的な状態」。意図的なオーバーリーチング(機能的オーバーリーチング)は上級者のピーキングで使われる合理的な戦略だが、OTSに移行しないよう監視が必要。

1

3段階の疲労モデル:FO→NFOR→OTS

Overreaching-overtraining-review(本データベース収録)が定義する3段階:①機能的オーバーリーチング(FO):数日の休養で回復。通常のハードトレーニング後に起こりうる通常の疲労蓄積。筋力・パフォーマンスが一時低下しても、回復後は超回復で以前より向上する。②非機能的オーバーリーチング(NFOR):数週間の回復が必要。FO が継続した場合に移行。ホルモン・免疫系への影響が出始める。③オーバートレーニング症候群(OTS):数ヶ月以上の回復が必要。医療的介入が必要なケースも。

2

意図的なオーバーリーチングの戦略的価値

パワーリフティング・オリンピックリフティング・水泳などのエリートスポーツでは、試合の3〜4週前に意図的にボリューム・強度を急増させ(オーバーリーチング期)、その後のテーパリング(段階的な負荷削減)で超回復を引き出す「ピーキング」という手法が使われる。スーパーコンペンセーション理論に基づくこの戦略は、適切に管理すれば試合当日にパフォーマンスのピークを合わせられる。ただし対象は上級〜エリートアスリートに限られ、初心者への適用は推奨されない。

3

FOからNFOR・OTSへの移行を防ぐモニタリング指標

オーバーリーチングを意図的に行う場合でも、以下の「赤信号」が出たら即座にボリューム削減が必要:①2週間以上パフォーマンスが改善しない(または悪化する)。②安静時心拍数が平常より5〜10bpm以上高い。③気分・意欲の持続的低下(POSTSスコアの悪化)。④睡眠の質の低下(入眠困難・中途覚醒の増加)。⑤免疫低下(風邪・口内炎が頻発する)。HRV(心拍変動)モニタリングはFO→NFOR移行の早期発見に有用なバイオマーカーとして注目されている。

2週間以上
パフォーマンス改善なし→介入のサイン
+5〜10bpm
安静時心拍数の上昇→赤信号

関連するサプリ

PR

以下のリンクはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。

公開日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

プロフィールを見る
染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

Read Next

次に読む