運動後のタンパク質摂取 ─ 収録した2件が示せる範囲
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トレーニング後30分以内にプロテインを飲まないと効果が半減するって本当?
収録している2件は、どちらもタンパク質についての文献である。 Aragon & Schoenfeld(2013)のレビューは、運動後のウィンドウの重要性は——その存在すらも——いくつもの要因によって変わりうるとし、近年の証拠が古典的な見方に直接異議を唱えていると述べている。Areta ら(2013)のRCT(トレーニング経験のある男性24名)は、12時間の回復期にホエイ80gを10g×8回/20g×4回/40g×2回に分けて比べ、20gを3時間ごと(INT)が他の2つより筋原線維タンパク合成が大きかった(31〜48%、P<0.02)。どの配分でも安静時より上がっている(88〜148%)。
「アナボリックウィンドウ」について収録したレビューが述べていること
Aragon & Schoenfeld(2013)は運動後の栄養摂取タイミングを扱ったレビューである。同レビューは、運動後のウィンドウの重要性は——その存在すらも——いくつもの要因によって変わりうるとし、近年の証拠は運動後の栄養摂取が同化作用に対して持つ意義という古典的な見方に直接異議を唱えていると述べている。 ウィンドウを管理した群と管理しなかった群の比較も、「30分以内」「1〜2時間以内」といった時間の目安も、本記事は出典を示せない。 抄録が述べているのは、ウィンドウの重要性が要因によって変わりうるという水準である。
分配についてRCTが実際に比べたこと
Areta ら(2013)は、トレーニング経験のある健常男性24名を3群(各8名)に割り付け、レジスタンス運動後の12時間の回復期にホエイ80gを摂らせたRCTである。配分は3通り——10gを1.5時間ごとに8回(PULSE)/20gを3時間ごとに4回(INT)/40gを6時間ごとに2回(BOLUS)。 どの配分でも筋原線維タンパク合成は安静時より上がった(88〜148%、P<0.02)。そのうえで INT が PULSE と BOLUS より大きかった(31〜48%、P<0.02)。 一方、シグナル伝達のリン酸化の大きさは概して BOLUS > INT > PULSE の順だった。ただし抄録は、筋タンパク合成について PULSE と BOLUS のどちらが高いかを示していない。したがって「シグナルと合成が逆の順序だった」とは言えず、言えるのは一致していないことである。著者らの結論は「3時間ごとに20gのホエイを摂ることが、PULSE や BOLUS より筋タンパク合成の刺激において優れていた」である。 この試験が比べたのは食事の回数でも体重あたりの量でもなく、12時間で80gをどう割るかである。1食あたりの量の目安も、食事間隔の目安も、就寝前の摂取についても、本記事は出典を示せない。
- 20g × 3時間ごと
- 12時間で80gを分けた3通りのうち、筋タンパク合成が最大だった配分(24名)
- +31〜48%
- INT が PULSE・BOLUS を上回った幅(P<0.02)
- BOLUS > INT > PULSE
- シグナル伝達のリン酸化の大きさの順(合成の順とは一致しない。合成側の PULSE と BOLUS の順序は抄録に無い)
タイミングが重要になる場面について
Aragon & Schoenfeld(2013)が述べているのは、ウィンドウの重要性がいくつもの要因によって変わりうるということである。どの要因がどう効くかを、本記事は出典で示せない。 16時間以上の絶食、1日2回のセッション、高齢者を対象にした試験を、本記事は収録していない。
炭水化物とグリコーゲンについて
グリコーゲンの回復について、本記事は出典を示せない。 収録した2件はどちらもタンパク質を扱ったもので、グリコーゲンの再合成を測った試験を収録していない。 タンパク質と炭水化物を一緒に摂った群と別々に摂った群を比べた試験も、本記事は収録していない。 Areta ら(2013)が投与したのはホエイのみである。 なお、本記事の情報は教育・参考目的であり、医療上のアドバイスではありません。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文12件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 第1節に書いていた「Protein-timing-muscle-truthに関連する複数のメタ分析(Schoenfeld & Aragon 2013の再解析、Aragon & Schoenfeld 2013)では、トレーニング前後の2時間を『プロテインウィンドウ』として管理したグループと、タイミングを特に制限しなかったグループで筋肥大の差が見られないという結果が多い」「『30分以内に飲まないと無駄になる』というのは過剰な解釈であり、1〜2時間以内であれば急ぐ必要はない」、第2節の「Areta ら(2013)のRCTでは、同じ1日のタンパク質総量でも『均等に4食に分散(25〜30g/食)』の方が『3食均等(体重1kgあたり0.24g/食)』より筋タンパク質合成が高いことが示されている」「この観点では、タイミングより『1日を通してタンパク質を一定間隔で摂り続ける習慣』の方が重要」「特に就寝前のカゼインプロテイン(Resら2012のRCTの知見)は、夜間の回復期にMPSを維持する上で有効」、統計カードに出していた「MPS最大化に十分な1食あたりのタンパク質量=25〜40g/食」「食事間隔の目安=3〜5時間」、第3節の「①空腹のまま(16時間以上絶食後)にトレーニングした場合:エネルギーと筋タンパク質が枯渇しているため、直後の摂取が有効」「②1日2回以上のトレーニング(競技シーズン):次のセッションまでの回復時間が短く、速やかな補給が重要」「③高齢者:MPS感受性(特にロイシン応答)が低下しているため、運動後のタンパク質供給タイミングがより重要になりうる」、第4節の「グリコーゲン(筋肉の糖質エネルギー貯蔵)の回復は、次の運動まで4時間以上ある場合は『急いで補充』する必要はない」「ただし8時間以内に次のセッションがある場合(1日2回練習など)、運動直後に炭水化物(1.0〜1.2g/kg)を摂ることでグリコーゲン再合成速度が最大化される」「タンパク質と炭水化物を同時に摂る(例:プロテイン+バナナ)と、インスリン分泌によるグリコーゲン再合成・タンパク質合成の相乗効果が期待できる」——をすべて撤回した。ウィンドウを管理した群と管理しなかった群の比較を、収録している Aragon & Schoenfeld(2013)の抄録は報告していない。「Schoenfeld & Aragon 2013 の再解析」と「Res ら(2012)」を本記事は収録していない。Areta ら(2013)が比べたのは食事の回数でも体重あたりの量でもなく、12時間で80gをどう割るかであり、用いたのは20gを3時間ごとで、それ以外の量や間隔を検討していない。16時間以上の絶食も、1日2回のセッションも、高齢者も、グリコーゲンの再合成も、タンパク質と炭水化物を一緒に摂ることの効果も、収録した2件は扱っていない。統計カードの2枚は Areta ら(2013)が検討していない量と間隔である(同試験が用いたのは20gを3時間ごと)。統計カードは値とラベルが別のフィールドに分かれているため、「25〜40g/食」「3〜5時間」という値と、12文字未満のラベル「食事間隔の目安」は removed に収められない(removed は日本語として連続した原文を12文字以上で持つ必要がある)。この4つはここに原文のまま記録している。removed に入れたのは、12文字以上のラベル「MPS最大化に十分な1食あたりのタンパク質量」である。
撤回した原文12件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Protein-timing-muscle-truthに関連する複数のメタ分析(Schoenfeld & Aragon 2013の再解析、Aragon & Schoenfeld 2013)では、トレーニング前後の2時間を「プロテインウィンドウ」として管理したグループと、タイミングを特に制限しなかったグループで筋肥大の差が見られないという結果が多い
「30分以内に飲まないと無駄になる」というのは過剰な解釈であり、1〜2時間以内であれば急ぐ必要はない
Aretaら(2013)のRCTでは、同じ1日のタンパク質総量でも「均等に4食に分散(25〜30g/食)」の方が「3食均等(体重1kgあたり0.24g/食)」より筋タンパク質合成が高いことが示されている
この観点では、タイミングより「1日を通してタンパク質を一定間隔で摂り続ける習慣」の方が重要
特に就寝前のカゼインプロテイン(Resら2012のRCTの知見)は、夜間の回復期にMPSを維持する上で有効
①空腹のまま(16時間以上絶食後)にトレーニングした場合:エネルギーと筋タンパク質が枯渇しているため、直後の摂取が有効
②1日2回以上のトレーニング(競技シーズン):次のセッションまでの回復時間が短く、速やかな補給が重要
③高齢者:MPS感受性(特にロイシン応答)が低下しているため、運動後のタンパク質供給タイミングがより重要になりうる
グリコーゲン(筋肉の糖質エネルギー貯蔵)の回復は、次の運動まで4時間以上ある場合は「急いで補充」する必要はない
ただし8時間以内に次のセッションがある場合(1日2回練習など)、運動直後に炭水化物(1.0〜1.2g/kg)を摂ることでグリコーゲン再合成速度が最大化される
タンパク質と炭水化物を同時に摂る(例:プロテイン+バナナ)と、インスリン分泌によるグリコーゲン再合成・タンパク質合成の相乗効果が期待できる
MPS最大化に十分な1食あたりのタンパク質量
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出典
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- 研究 vs 勘
アクティブリカバリー vs 完全休養:回復を早めるのはどちらか? 研究で比較する
「オフ日に軽く動いた方が回復が早い」と言う人もいれば、「休みの日は完全に休むのが一番」という声もある。アクティブリカバリー(軽い運動による積極的回復)と完全休養(何もしない)を、回復指標の観点から比較する。
吉崎 槙吾
- 解説
アシュワガンダについて、収録した出典が言える範囲
収録した3件が報告しているのは次のとおりである。Chandrasekhar ら(2012)では、ストレス評価尺度のスコアが60日目にプラセボ群より有意に低下し(P<0.0001)、血清コルチゾールも有意に低下した(P=0.0006)。 Wankhede ら(2015)では、8週間で1RM・筋サイズ・テストステロンの増加がプラセボ群を上回り、体脂肪率の低下も大きかった。 Langade ら(2019)では、10週間で入眠潜時・睡眠効率・睡眠の質・PSQI・不安(HAM-A)が有意に改善した。
吉崎 槙吾
- 解説
冷水浴(アイスバス)について、収録した出典が言える範囲
収録している Bleakley ら(2012)のコクランレビューが示すのは、受動的な介入(安静または無介入)と比べたときの筋肉痛の軽減である。 運動後24時間(SMD −0.55、95%CI −0.84〜−0.27、10試験)、48時間(−0.66、−0.97〜−0.35、8試験)、72時間(−0.93、−1.36〜−0.51、4試験)、96時間(−0.58、−1.00〜−0.16、5試験)のいずれでも統計的に有意だった。ただし結果は異質性が高い。 Roberts ら(2015)は、12週間のトレーニング後に筋力と筋量の増加がアクティブリカバリー群のほうが冷水浴群より大きかったと報告している(P<0.05)。
吉崎 槙吾
