就寝前のカゼインプロテイン摂取が一晩の筋タンパク質合成と筋力向上に与える効果(RCT)
Res PT, et al.
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
健康な若年男性16名が夜20時にレジスタンス運動を行い、直後に回復用の栄養(タンパク質20g・糖質60g)を摂ったうえで、就寝30分前(23時30分)にカゼイン40gを含む飲料またはプラセボを摂取し、その後7.5時間の消化吸収動態とタンパク質代謝を比較した試験。睡眠中もカゼインは効率よく消化・吸収され、血中アミノ酸濃度が速やかに上昇して夜間を通じて維持された。就寝前の摂取により全身のタンパク質合成速度(311 vs 246 µmol/kg per 7.5h)と正味のタンパク質収支(+61 vs -11 µmol/kg per 7.5h)がいずれも有意に改善した(p<0.01)。混合筋タンパク質合成速度は約22%高かったが、こちらは有意水準ぎりぎりだった(0.059 vs 0.048 %/時、p=0.05)。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 被験者数・測定したアウトカム・研究デザイン・対象集団筋タンパク質合成の22%上昇は p=0.05 の境界域。有意だったのは全身の合成速度と収支である。運動直後の栄養補給を行ったうえでの追加摂取という設計に注意。
- 訂正履歴
1件を表示
- 混合筋タンパク質合成の22%上昇を「有意に向上」としていたが、抄録では borderline significance(p=0.05)。「12週間継続したフォローアップ研究で筋肥大・筋力の追加向上」は別論文の内容を本レコードに書き込んでいた。変更履歴
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
全身のタンパク質合成速度が有意に高まった(311 vs 246 µmol/kg per 7.5時間、p<0.01)。
- 2
正味のタンパク質収支が陽性に転じた(+61 vs -11 µmol/kg per 7.5時間、p<0.01)。プラセボ側は負のままである。
- 3
混合筋タンパク質合成速度は約22%高かったが、有意水準ぎりぎり(p=0.05)にとどまる。断定的に「有意に向上した」とは言いにくい。
- 4
睡眠中もカゼインは効率よく消化・吸収され、血中アミノ酸濃度が夜間を通じて維持された。
- 5
運動直後にタンパク質20g・糖質60gを摂ったうえでの追加摂取である。1日の総摂取が不足している状況を再現した試験ではない。
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関連する研究
タンパク質を12時間でどう分けるか(10g×8 / 20g×4 / 40g×2)と筋タンパク質合成(RCT)
Journal of Physiology, 2013
トレーニング経験のある健康な男性24名を3群(各8名)に分け、レジスタンス運動後の12時間で計80gのホエイプロテインを、1.5時間ごとに10g×8回(PULSE)、3時間ごとに20g×4回(INT)、6時間ごとに40g×2回(BOLUS)のいずれかのパターンで摂取させた試験。安静時と運動後1・4・6・7・12時間に筋生検を行い、筋原線維タンパク質合成(MPS)とmRNA発現、細胞内シグナルを評価した。3パターンとも12時間を通じてMPSが安静時より増加したが(88〜148%)、INT(20g×4回)が PULSE・BOLUS より31〜48%高かった。一方、細胞内シグナルのリン酸化の大きさは BOLUS>INT>PULSE の順だった。MPSで示されているのは INT が PULSE・BOLUS より高かったことまでで、PULSE と BOLUS のどちらが高いかは抄録に無い。したがって両者の順序が逆であるとは言えず、言えるのは一致していないことである。
ロイシン摂取量と筋タンパク質合成(MPS)の用量反応関係
American Journal of Clinical Nutrition, 2009
健康な若年男性6名が5回にわけて来所し、脚のレジスタンス運動を行ったあと、全卵タンパク質を0g・5g・10g・20g・40g含む飲料を無作為な順序で摂取して、その後4時間の筋タンパク質合成(MPS)とアルブミン合成、ロイシン酸化を測定した試験。MPSは用量に応じて増え、20gで最大に達した。アルブミン合成も同じく20gで頭打ちになった。一方、MPSを調節すると考えられていたシグナル分子(p70S6K・リボソームタンパクS6・eIF2Bε)のリン酸化は、どの用量でも変化しなかった。著者らは、運動後のMPSの刺激はアミノ酸の利用可能性に関係している可能性があるとしている。ロイシン酸化は20gと40gの両方で有意に増えており、組織タンパク質に取り込める速度を超えた分は不可逆的に酸化されることが示された。
ホエイ加水分解物・カゼイン・大豆分離プロテイン摂取が安静時および筋力トレーニング後の筋タンパク合成に与える影響
Journal of Applied Physiology, 2009
健常な若年男性18名(各群6名)が片脚のレジスタンス運動を行い、必須アミノ酸を10gに揃えたホエイ加水分解物・ミセラーカゼイン・大豆分離タンパクのいずれかを摂取して、安静時と運動後の混合筋タンパク質合成(MPS)を比較した試験。抄録は「3群に割りつけた(assigned)」とだけ記しており、無作為割付とは述べていない。無作為化比較試験としては扱わない(idは公開URLの後方互換のため変更していない)。ホエイは血中の必須アミノ酸・分岐鎖アミノ酸・ロイシン濃度をカゼイン・大豆より大きく上昇させた(p<0.05)。安静時のMPSは速いタンパク質ほど高く(ホエイ0.091・大豆0.078・カゼイン0.047 %/時)、ホエイはカゼインより約93%高かった(p<0.01)が、大豆との差(約18%)は p=0.067 で有意に届かなかった。運動後も同じ順序で、ホエイはカゼインより約122%(p<0.01)、大豆より31%(p<0.05)高かった。大豆もカゼインより安静時64%・運動後69%高い(いずれも p<0.01)。
この研究を扱った記事
最終確認:

