スポーツドリンクの果糖ブドウ糖液糖は運動中に役立つのか?
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スポーツドリンクにわざわざ果糖ブドウ糖液糖(ブドウ糖+果糖の混合)が使われているのはなぜ? 運動中の体にどう働くのか?
ブドウ糖と果糖は腸管で別々の輸送体を使って吸収されるため、両方を混ぜて摂ると単一の糖質だけを摂るより多くの糖質を素早く利用できる。単一糖質の利用速度(酸化率)は1時間あたり約60gが上限だが、混合摂取では約90〜105gまで高められる。ただしこの知見の多くは2時間を超える長時間の持久系運動を対象とした研究に基づいており、数十分程度の筋力トレーニングにそのまま当てはまるとは限らない。
ブドウ糖と果糖は腸管の別ルートで吸収される
ブドウ糖は主にSGLT1という輸送体、果糖はGLUT5という別の輸送体を使って腸管から吸収される。ブドウ糖だけを大量に摂るとSGLT1の輸送能力が上限に達し、それ以上は吸収・利用のペースが上がらない。果糖を同時に摂ると、果糖はブドウ糖とは別ルートで吸収されるため、合計の糖質利用量を底上げできる。
単一糖質の利用速度には上限がある
運動中にブドウ糖など単一の糖質だけを摂取した場合、体が酸化(エネルギーとして利用)できる速度はおよそ1時間あたり60gが上限とされる。それ以上を摂っても腸管の吸収能力が追いつかず、消化器の不快感(お腹の張り・下痢など)につながりやすい。
ブドウ糖+果糖の混合摂取でどう変わるか
ブドウ糖と果糖を同時に摂取すると、別々の輸送体を使うことで糖質の利用速度を1時間あたり約90〜105gまで高められることが報告されている。2時間を超える持久系サイクリングを対象にしたRCTでは、同じ糖質摂取速度(1.8g/分)でも、ブドウ糖単独よりブドウ糖+果糖の方がタイムトライアルの所要時間が約8%短かった。
- 約60g/時
- 単一糖質(ブドウ糖のみ等)の利用速度上限
- 約90〜105g/時
- ブドウ糖+果糖の混合摂取時の利用速度
- 約8%短縮
- 混合摂取群のタイムトライアル短縮(対ブドウ糖単独)
どんな運動・時間帯に効果が期待できるか
この効果を示す研究の多くは、2時間を超えるような長時間の持久系運動(サイクリング等)を対象にしている。筋力トレーニングのような数十分〜1時間程度のセッションでは、そもそも糖質の利用速度が律速になるほどの継続的なエネルギー需要が生じにくく、同じ効果がそのまま当てはまるとは限らない。長時間の持久系トレーニングや大会当日のエネルギー補給という文脈で理解するのが適切。
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