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研究 vs 勘

「果糖ブドウ糖液糖は普通の砂糖より肝臓に悪い」は本当か? 果糖代謝 通説 vs 研究

公開日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

「果糖ブドウ糖液糖は普通の砂糖より肝臓に悪い」という主張は、SNSや健康情報サイトで頻繁に見かける。果糖の代謝と脂肪肝の関連を示す研究は確かに存在するが、その多くは「果糖ブドウ糖液糖 対 ショ糖(砂糖)」を直接比較したものではない。何が実際に示されているのかを、研究間の違いを踏まえて整理する。

Round1

果糖ブドウ糖液糖はショ糖(普通の砂糖)より脂肪肝・肝機能悪化を招きやすいか

言われていること

反HFCS言説・一部の健康情報サイト・SNS

果糖ブドウ糖液糖はショ糖より果糖の含有率が高く、果糖は肝臓で直接脂肪に変換されるため、普通の砂糖よりも脂肪肝や肝機能悪化を招きやすい。

VS

研究が示すこと

  • ショ糖はブドウ糖と果糖が1:1で結合した二糖類で、消化管で分解された後は果糖ブドウ糖液糖(果糖42〜55%程度)とほぼ同じ形で吸収される。
  • 767名を統合したメタ分析では、HFCSとショ糖の間で体重・血糖・脂質などの代謝指標に有意差はなかった。
  • また、果糖摂取そのものの脂肪肝への影響を検証した13試験・260名のメタ分析では、他の炭水化物と等カロリーで果糖を置き換えた試験では肝機能マーカーに変化がなかった一方、総エネルギーを超える形で果糖を過剰摂取した試験でのみ肝内脂質・ALTが上昇した。
判定

同じ量なら、果糖ブドウ糖液糖が普通の砂糖より特別に肝臓に悪いという根拠は乏しい。肝機能への影響を左右するのは糖の種類そのものよりも総摂取カロリーが必要量を超えているかどうか。

信頼度:中程度の根拠
Round2

ジュース類を日常的に多く飲むこと自体は肝臓に負担をかけるか

言われていること

「差がない=無害」という短絡的な解釈

『HFCSとショ糖に差がない』なら、ジュースやスポーツドリンクを好きなだけ飲んでも肝臓への影響はないはずだ。

VS

研究が示すこと

  • 過体重・肥満の成人にエネルギー必要量の25%を果糖飲料またはブドウ糖飲料で10週間摂取させたRCTでは、両群とも同程度体重が増えたが、内臓脂肪の増加・インスリン感受性の低下は果糖飲料群でのみ見られた。
  • また前述のメタ分析でも、総カロリーを超える形での果糖過剰摂取(1日+104〜220g・エネルギー+21〜35%)は肝内脂質・ALTを有意に上昇させた。
  • 糖の種類による優劣は小さくても、日常的な飲みすぎによる総カロリー超過は肝臓に負担をかけうる。
判定

『HFCSかショ糖か』よりも『総カロリーが必要量を超えているか』が肝臓への影響を左右する。日常的にジュース・スポーツドリンクを大量に飲んで総カロリーが過剰になっている場合は、糖の種類を問わずリスクが上がる。

信頼度:中程度の根拠

公開日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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