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研究 vs 勘

プロテインバーについて、収録した出典が言える範囲

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

移動中でも手軽にタンパク質を補給できるプロテインバーについて、「食事の代替になるか」がよく議論される。本記事が収録しているのは Tang ら(2009)の1件だけで、プロテインバーそのものを評価した研究ではない。食事の代替になるかを、収録した出典から判断することはできない。

Round1

プロテインバーは食事と同等の筋肥大サポートを提供できるか

言われていること

プロテインバーメーカー・コンビニ栄養食品情報

プロテインバーには25〜30gのタンパク質が入っているから、鶏胸肉と同じ筋肥大効果がある。忙しい時はプロテインバーで完全に食事を代替できる。

VS

研究が示すこと

  • 同研究は、健康な若年男性18名(1群6名)が片脚のレジスタンス運動を行ったあと、必須アミノ酸量を10gに揃えたホエイ加水分解物・ミセラーカゼイン・大豆タンパク質分離物のいずれかを摂取し、混合筋タンパク質合成を測ったものである。 安静時の合成速度はホエイ0.091±0.015、大豆0.078±0.014、カゼイン0.047±0.008 %/h で、ホエイはカゼインより約93%高く(P<0.01)、大豆より約18%高かった(P=0.067)。運動後も同順で、ホエイはカゼインより約122%(P<0.01)、大豆より31%高かった(P<0.05)。大豆もカゼインより安静時64%・運動後69%高かった(いずれも P<0.01)。 著者らは、この差がタンパク質の消化の速さ、あるいはロイシン含量のわずかな違いに関係している可能性があるとしている。
判定

プロテインバーを評価した研究を、本記事は収録していない。食事の代替になるかは示せない。

信頼度:研究待ち
Round2

プロテインバーは移動中・間食のタンパク質補給に適しているか

言われていること

クリーンイーティング推奨派・添加物回避派

コンビニで売られているプロテインバーは添加物だらけで体に悪い。健康的なトレーニーはプロテインバーを食べるべきではない。

VS

研究が示すこと

  • 摂取頻度で分けて比べた研究も、添加物を扱った資料も、飽和感を測った研究も、本記事は収録していない。
判定

プロテインバーの使い方(頻度・文脈)を比べた研究を、本記事は収録していない。

信頼度:研究待ち
訂正履歴訂正1回・撤回した原文15件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • 導入に書いていた「これがあれば食事がいらない」と思っているトレーニーは多い。しかし『食事の代替』として常用することには、栄養の質と加工度の観点で問題がある」、第1ラウンドの「タンパク質量が等量なら急性の筋タンパク合成刺激は同等に近いが、食事の代替として常用する場合には複数の問題がある」「プロテインバーの多くは糖アルコール(消化不良・腹部膨満の原因になりやすい)・人工甘味料・高加工成分を含み、ホールフードと比較して飽和感が低く・微量栄養素が乏しい」「超加工食品(UPF)の慢性摂取は体重増加・代謝疾患リスクと関連するという大規模観察研究(NOVA分類研究)が複数ある」「『1〜2本/日の補助的使用』と『毎食代替』では栄養の質が大きく異なる」、その結論の「補助的な使用(移動中・間食)では有用だが、食事の代替として常用するには栄養の質・飽和感・加工度の問題がある」「鶏肉・卵・豆腐との同コスト比較では栄養質で劣る」、第2ラウンドの「タンパク質の補給という観点では、プロテインバーは移動中・外出先での現実的な選択肢」「1日1〜2回の間食・補助的使用では慢性的な超加工食品摂取の問題は生じにくい」「添加物への過度な恐れは『添加物=直接有害』という証拠のない前提に基づくことが多い」「問題は『常用・多用によって栄養の質と飽和感が下がること』であり、使用頻度・文脈次第で合理的な選択になりうる」「全体的な食事の質が高い前提で、補助的に使うのは現実的で合理的」、およびその結論の「週数回の補助的使用は現実的で合理的」「毎食代替・主要タンパク源としての常用は推奨しない」「外出時の利便性とコストのトレードオフを理解した上で活用すること」——をすべて撤回した。本記事が収録しているのは Tang ら(2009)の1件だけで、プロテインバーも、加工度も、飽和感も、微量栄養素も、超加工食品も、添加物も、コストも、摂取頻度による違いも扱っていない。同研究は、必須アミノ酸量を10gに揃えたホエイ加水分解物・ミセラーカゼイン・大豆タンパク質分離物の混合筋タンパク質合成を比べたものである。
    撤回した原文15件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. 移動中でも手軽にタンパク質を補給できるプロテインバー——「これがあれば食事がいらない」と思っているトレーニーは多い
    2. しかし「食事の代替」として常用することには、栄養の質と加工度の観点で問題がある
    3. タンパク質量が等量なら急性の筋タンパク合成刺激は同等に近いが、食事の代替として常用する場合には複数の問題がある
    4. プロテインバーの多くは糖アルコール(消化不良・腹部膨満の原因になりやすい)・人工甘味料・高加工成分を含み、ホールフードと比較して飽和感が低く・微量栄養素が乏しい
    5. 超加工食品(UPF)の慢性摂取は体重増加・代謝疾患リスクと関連するという大規模観察研究(NOVA分類研究)が複数ある
    6. 「1〜2本/日の補助的使用」と「毎食代替」では栄養の質が大きく異なる
    7. 補助的な使用(移動中・間食)では有用だが、食事の代替として常用するには栄養の質・飽和感・加工度の問題がある
    8. 鶏肉・卵・豆腐との同コスト比較では栄養質で劣る
    9. タンパク質の補給という観点では、プロテインバーは移動中・外出先での現実的な選択肢
    10. 1日1〜2回の間食・補助的使用では慢性的な超加工食品摂取の問題は生じにくい
    11. 添加物への過度な恐れは「添加物=直接有害」という証拠のない前提に基づくことが多い
    12. 問題は「常用・多用によって栄養の質と飽和感が下がること」であり、使用頻度・文脈次第で合理的な選択になりうる
    13. 全体的な食事の質が高い前提で、補助的に使うのは現実的で合理的
    14. 週数回の補助的使用は現実的で合理的。毎食代替・主要タンパク源としての常用は推奨しない
    15. 外出時の利便性とコストのトレードオフを理解した上で活用すること

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  • ホエイプロテイン

    レジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると、筋力・除脂肪量が増える。 健常成人の49件のRCT(計1,863名)のメタ分析で、6週間以上のトレーニングに補給を加えると1RM筋力が+2.49kg、除脂肪量が+0.30kg、筋線維横断面積が+310µm²増えた。総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日(95%CI 1.03〜2.20)と推定されている。ただし著者らはこの分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)を明記しており、確立した閾値ではない。(Morton 2018)

  • カゼインプロテイン

    就寝前の摂取で夜間の全身タンパク質バランスが改善する。 若年男性16名が夕方にレジスタンス運動を行い、運動後に20gのタンパク質+60gの糖質を摂ったうえで、就寝30分前に40gのカゼインまたはプラセボを摂取した。カゼイン群では全身タンパク質合成(311対246 µmol/kg/7.5時間)と正味のタンパク質バランス(+61対−11)がいずれも改善した(P<0.01)。ただし筋タンパク質合成そのものは約22%高いにとどまり、有意水準ぎりぎり(P=0.05)だった(Res 2012)。

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吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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