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読みもの解説

プライオメトリクスについて、収録した出典が言える範囲

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

ジャンプ系トレーニングで爆発力や走力は本当に上がるの?

収録している Meylan & Malatesta(2009)は、思春期初期のサッカー選手を対象とした8週間の介入研究である。同じリーグでプレーし週2回・90分の同じサッカードリルを行う児童のうち、14名(13.3±0.6歳)が訓練群、11名(13.1±0.6歳)が対照群となり、訓練群はサッカードリルの一部をプライオメトリクス(ジャンプ・ハードル・バウンド・スキップ・フットワーク)に置き換えた。 訓練群では10m走のタイムが2.1%、アジリティテストのタイムが9.6%短縮し、反動跳び(CMJ)の跳躍高が7.9%、コンタクトテストが10.9%増加した。対照群には8週間で有意な変化が無かった。 収録している Rønnestad & Mujika(2014)は、持久系トレーニングに高負荷または爆発的な筋力トレーニングを組み合わせた場合の持久的パフォーマンスを扱ったレビューであり、プライオメトリクスそのもののメタ分析ではない。

1

伸張-短縮サイクル(SSC)について ─ 扱った出典が無い

収録している Rønnestad & Mujika(2014)は、持久的パフォーマンスの改善について、効率の低いII型線維の動員が遅れること、神経筋効率の改善、速筋のIIX型がより疲労に強いIIA型へ転換すること、あるいは筋腱の剛性の改善が関係している可能性を挙げているが、これは仮説として述べられたものである。

2

収録した研究が報告している数値

Meylan & Malatesta(2009)が報告しているのは、訓練群における10m走 -2.1%、アジリティ -9.6%、CMJ +7.9%、コンタクトテスト +10.9% である(訓練群14名・対照群11名、13歳前後のサッカー選手、8週間)。

+7.9%
反動跳びの跳躍高(Meylan 2009・訓練群14名の群内変化)
-2.1%
10m走のタイム(同・群内変化)
3

プログラム設計について ─ 検討した出典が無い

Meylan & Malatesta(2009)の介入は週2回・90分のサッカー練習の一部を置き換える形で8週間行われたが、同抄録は接地回数も休息時間も報告していない。これは1つの試験の条件であって、推奨値ではない。

4

筋力トレーニングとの組み合わせについて ─ 検討した出典が無い

収録している Rønnestad & Mujika(2014)が扱っているのは、持久系トレーニングと筋力トレーニングを組み合わせた場合の持久的パフォーマンスである。ランニングエコノミーは高負荷・爆発的のいずれの筋力トレーニングを組み合わせても改善するが、サイクリングエコノミーには高負荷の筋力トレーニングが推奨されるとしている。乳酸閾値でのパワー出力・速度への影響については、結果が一致していない。

訂正履歴訂正1回・撤回した原文12件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • 出典を照合した結果、以前この記事が公開していた次の記述を撤回した。 ①「プライオメトリクス(伸張-短縮サイクルを活用したジャンプ・ホップ・バウンドなどの爆発的運動)は、ジャンプ力・スプリント速度・スポーツ特有のパワーを有意に向上させることがメタ分析で示されている」②「週2〜3回・8〜12週のプログラムで効果が確認されている」③「Meylan & Malatesta(2009)および Rønnestad & Mujika(2014)を含む複数のメタ分析では、プライオメトリクストレーニングで垂直跳び高度が平均4〜8%向上し、スプリント速度(10〜30m)も有意に改善することが示されている」——収録している2件はどちらもメタ分析ではない。Meylan & Malatesta(2009)は思春期初期のサッカー選手25名の8週間の介入研究、Rønnestad & Mujika(2014)は持久系トレーニングに筋力トレーニングを組み合わせた場合の持久的パフォーマンスのレビューである。4〜8%という数値も10〜30mという距離の範囲も、収録した抄録には無い。 ④「筋肉は「伸ばされた直後に縮む」とき、最大の力を発揮する。これを伸張-短縮サイクル(SSC)と呼ぶ」⑤「腱に弾性エネルギーが蓄積され、短縮相で一気に解放される」⑥「プライオメトリクスはこのSSCを反復練習することで、神経筋の反応速度と弾性エネルギーの活用効率を高める」——弾性エネルギーも神経筋の反応速度も、収録した2件は測っていない。 ⑦「①週2〜3回の頻度で行う」⑧「②1セッションあたりの「接地回数(フットコンタクト)」を初心者80〜100回、中級者120〜150回、上級者200回以内に設定する」⑨「③低強度(両脚ジャンプ)から始め、段階的に単脚・深い着地・方向転換を伴う高強度種目に移行する」⑩「④セット間休息は神経系の回復を優先して2〜3分確保する」——頻度・接地回数・進行の仕方・休息時間を比べた研究を、収録した2件は行っていない。Meylan & Malatesta(2009)の介入が週2回だったことは本文に残しているが、これは1つの試験の条件であって推奨値ではない。 ⑪「レジスタンストレーニングとプライオメトリクスを組み合わせた「コンプレックストレーニング(例:スクワット直後にジャンプ)」は、どちらか単独より爆発力の向上が大きいとされる(Post-Activation Potentiation, PAP の活用)」⑫「ただしコンカレントトレーニングのセッション内での配置は、筋力→爆発力の順序が原則」——PAP を測った研究も、セッション内の順序を比べた研究も収録していない。
    撤回した原文12件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. プライオメトリクス(伸張-短縮サイクルを活用したジャンプ・ホップ・バウンドなどの爆発的運動)は、ジャンプ力・スプリント速度・スポーツ特有のパワーを有意に向上させることがメタ分析で示されている。
    2. 週2〜3回・8〜12週のプログラムで効果が確認されている。
    3. Meylan & Malatesta(2009)および Rønnestad & Mujika(2014)を含む複数のメタ分析では、プライオメトリクストレーニングで垂直跳び高度が平均4〜8%向上し、スプリント速度(10〜30m)も有意に改善することが示されている。
    4. 筋肉は「伸ばされた直後に縮む」とき、最大の力を発揮する。これを伸張-短縮サイクル(SSC)と呼ぶ。
    5. 腱に弾性エネルギーが蓄積され、短縮相で一気に解放される。
    6. プライオメトリクスはこのSSCを反復練習することで、神経筋の反応速度と弾性エネルギーの活用効率を高める。
    7. ①週2〜3回の頻度で行う。
    8. ②1セッションあたりの「接地回数(フットコンタクト)」を初心者80〜100回、中級者120〜150回、上級者200回以内に設定する。
    9. ③低強度(両脚ジャンプ)から始め、段階的に単脚・深い着地・方向転換を伴う高強度種目に移行する。
    10. ④セット間休息は神経系の回復を優先して2〜3分確保する。
    11. レジスタンストレーニングとプライオメトリクスを組み合わせた「コンプレックストレーニング(例:スクワット直後にジャンプ)」は、どちらか単独より爆発力の向上が大きいとされる(Post-Activation Potentiation, PAP の活用)。
    12. ただしコンカレントトレーニングのセッション内での配置は、筋力→爆発力の順序が原則。

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  • クレアチン

    高齢者では、レジスタンストレーニングにクレアチンを加えると除脂肪量と筋力の増加が大きかった。 22件のRCT(計721名、平均年齢57〜70歳)を統合したメタ分析で、除脂肪量は平均差 +1.37kg(95%CI 0.97〜1.76、p<0.00001)、チェストプレス筋力は標準化平均差0.35(p=0.0002)、レッグプレス筋力は同0.24(p=0.01)だった(Chilibeck 2017)。若年者を対象にした同種のメタ分析を、本サイトはまだ収録していない。

  • カフェイン

    最大筋力・筋パワーの向上は有意だが、効果量は小さい。 筋力を扱った10件・パワーを扱った10件を統合したメタ分析で、筋力が標準化平均差0.20(95%CI 0.03〜0.36、p=0.023)、パワーが0.17(95%CI 0.00〜0.34、p=0.047)。パワーの信頼区間の下限はほぼ0である。 サブグループでは上半身の筋力が有意(0.21、p=0.026)、下半身は有意でない(0.15、p=0.147)。ただし群間差の検定は示されておらず、部位による効果差は結論できない(Grgic 2018)。

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吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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