片側トレーニングについて、収録している出典が示していること
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片脚スクワットや片腕プレスについて、研究は何を示しているのか?
収録している Munn ら(2004)は、片腕カールと両腕カールを比べたRCTではなく、片側のトレーニングが「反対側」の筋力に与える影響(交差教育)を統合したメタ分析である。17件を組み入れ13件を統計的に統合し、反対側の最大随意筋力の増加は7.8%(95%CI 4.1〜11.6%)、鍛えた側に生じた効果の35.1%(20.9〜49.3%)だった。著者らの結論は、片側の筋力トレーニングは反対側にわずかな筋力増加をもたらす、である。 もう1件の Gentil ら(2017)は、「筋力トレーニングにおいてメタ分析の結果に実用的な意義はあるか」というOpinion 記事であり、片側と両側を比べた系統的レビューではない。 片側と両側を比べた研究も、左右差の是正やスポーツ動作への転移を扱った研究も、本記事は収録していない。
収録している出典が示しているのは「反対側」への効果である
Munn ら(2004)は、最大随意筋力の50%以上の強度で2週間以上行った、片側のレジスタンストレーニングの無作為化対照試験を集めたメタ分析である。個々の研究で報告された反対側への効果は初期筋力の−2.7%から21.6%まで幅があり、統合すると7.8%(95%CI 4.1〜11.6%)、これは鍛えた側に生じた効果の35.1%(20.9〜49.3%)にあたる。 「バイラテラル欠損」と呼ばれる現象について、収録2件のどちらも扱っていない。
片側と両側を比べた研究は収録していない
片側と両側を比べた研究を、本記事は収録していない。 Munn ら(2004)は反対側への効果を統合したメタ分析であり、片腕カールと両腕カールの比較は行っていない。Gentil ら(2017)は筋力トレーニングにおけるメタ分析の実用的意義を論じた Opinion 記事である。 片側種目が体幹に与える刺激についても、収録2件は扱っていない。
スポーツパフォーマンスへの効果については出典を収録していない
収録している2件はどちらも、スポーツパフォーマンスへの転移を扱っていない。
プログラムへの取り入れ方についても出典を収録していない
プログラムへの取り入れ方を比べた研究を、本記事は収録していない。 分かっていないのは、(1) 片側と両側で筋力・筋肥大に差が出るのか、(2) 左右差の是正にどれだけのボリュームが要るのか、(3) スポーツ動作へどう転移するのか、の3点である。 決着させるには、総ボリュームを揃えたうえで片側と両側を割り付け、両者の筋力・筋断面積・左右差を追う試験が要る。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文15件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 要約に書いていた「ユニラテラル(片側)トレーニングは、左右差の修正・転倒予防・スポーツ特異的なパワー向上に優れる」「筋肥大・最大筋力では両側種目(バイラテラル)と同等〜やや劣るが、機能的な強さ・バランス・コアの安定性を同時に高める点で補完的価値がある」、第1節の「両側同時に力を発揮する(バイラテラル)場合、片側ずつの合算より出力が小さくなる現象を『バイラテラル欠損(BD)』という」「BDはトレーニング初心者・年配者・特定のスポーツ選手で顕著に現れる」「ユニラテラルトレーニングはこのBDを縮小させ、片側当たりの出力を向上させる効果がある」、第2節の「Munn ら(2004)のRCTでは、片腕カールと両腕カールを比較した際に筋力向上(1RM)は同等だった」「筋肥大に関しては、等価なボリューム・強度であれば片側でも両側でも差が小さいというメタ分析の結果がある(Gentil et al. 2017)」「ただしユニラテラルは同じ重量に対して体幹コアへの安定化刺激が大きく、コア筋群も同時に鍛えられる」、統計カードの「筋力向上(バイラテラル比)=同等」「ユニラテラルの追加効果=+コア刺激」、第3節の「多くのスポーツ動作(走る・蹴る・投げる)は片側主体の動作」「ユニラテラルトレーニングで養われる片側筋力と神経筋協調は、これらの動作に直接転移しやすい」「特にスプリント速度・方向転換能力・単脚ジャンプ力の向上に有効とする研究が多い」、第4節の「バイラテラル(両側)とユニラテラル(片側)を組み合わせた『ハイブリッドアプローチ』が最も実用的」「主要種目(スクワット・デッドリフト・ベンチ)をバイラテラルで行い、補助種目にブルガリアンスプリットスクワット・シングルレッグRDL・シングルアームダンベルプレスを加える形が多く採用されている」「1日のセッションに1〜2種のユニラテラル種目を取り入れるだけでも左右差の改善効果が得られる」——をすべて撤回した。出典の読み違いが大きかった。 収録している Munn ら(2004)は片腕カールと両腕カールを比べたRCTではなく、片側のトレーニングが「反対側」の筋力に与える影響(交差教育)を統合したメタ分析である。Gentil ら(2017)は「筋力トレーニングにおいてメタ分析の結果に実用的な意義はあるか」という Opinion 記事で、片側と両側を比べた系統的レビューではない(出典ラベルも訂正した)。バイラテラル欠損も、体幹への刺激も、スポーツ動作への転移も、プログラムへの取り入れ方も、収録2件はどちらも扱っていない。統計カードの値(同等・+コア刺激)と、12文字未満のラベル「ユニラテラルの追加効果」はremoved に収められないため、ここに原文のまま記録している。removed に入れたのは12文字以上のラベル「筋力向上(バイラテラル比)」である。なお第1節で「バイラテラル欠損」に触れる際、括弧内でその定義を書いていたが、定義そのものが撤回対象なので名称だけにした。
撤回した原文15件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
ユニラテラル(片側)トレーニングは、左右差の修正・転倒予防・スポーツ特異的なパワー向上に優れる
筋肥大・最大筋力では両側種目(バイラテラル)と同等〜やや劣るが、機能的な強さ・バランス・コアの安定性を同時に高める点で補完的価値がある
両側同時に力を発揮する(バイラテラル)場合、片側ずつの合算より出力が小さくなる現象を「バイラテラル欠損(BD)」という
BDはトレーニング初心者・年配者・特定のスポーツ選手で顕著に現れる
ユニラテラルトレーニングはこのBDを縮小させ、片側当たりの出力を向上させる効果がある
Munn ら(2004)のRCTでは、片腕カールと両腕カールを比較した際に筋力向上(1RM)は同等だった
筋肥大に関しては、等価なボリューム・強度であれば片側でも両側でも差が小さいというメタ分析の結果がある(Gentil et al. 2017)
ただしユニラテラルは同じ重量に対して体幹コアへの安定化刺激が大きく、コア筋群も同時に鍛えられる
筋力向上(バイラテラル比)
多くのスポーツ動作(走る・蹴る・投げる)は片側主体の動作
ユニラテラルトレーニングで養われる片側筋力と神経筋協調は、これらの動作に直接転移しやすい
特にスプリント速度・方向転換能力・単脚ジャンプ力の向上に有効とする研究が多い
バイラテラル(両側)とユニラテラル(片側)を組み合わせた「ハイブリッドアプローチ」が最も実用的
主要種目(スクワット・デッドリフト・ベンチ)をバイラテラルで行い、補助種目にブルガリアンスプリットスクワット・シングルレッグRDL・シングルアームダンベルプレスを加える形が多く採用されている
1日のセッションに1〜2種のユニラテラル種目を取り入れるだけでも左右差の改善効果が得られる
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出典
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- 解説
プライオメトリクスについて、収録した出典が言える範囲
収録している Meylan & Malatesta(2009)は、思春期初期のサッカー選手を対象とした8週間の介入研究である。同じリーグでプレーし週2回・90分の同じサッカードリルを行う児童のうち、14名(13.3±0.6歳)が訓練群、11名(13.1±0.6歳)が対照群となり、訓練群はサッカードリルの一部をプライオメトリクス(ジャンプ・ハードル・バウンド・スキップ・フットワーク)に置き換えた。 訓練群では10m走のタイムが2.1%、アジリティテストのタイムが9.6%短縮し、反動跳び(CMJ)の跳躍高が7.9%、コンタクトテストが10.9%増加した。対照群には8週間で有意な変化が無かった。 収録している Rønnestad & Mujika(2014)は、持久系トレーニングに高負荷または爆発的な筋力トレーニングを組み合わせた場合の持久的パフォーマンスを扱ったレビューであり、プライオメトリクスそのもののメタ分析ではない。
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- 研究 vs 勘
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吉崎 槙吾
- 解説
「フィジカルの化け物」はなぜ強いのか:体格・遺伝・才能を研究で分解する
研究から言えるのは集団レベルの傾向だけで、特定の誰かの強さを説明するものではない。そのうえで大きく2つに分けられる。①体格:体重・BMI、除脂肪量(脂肪を除いた筋肉・骨・水分の合計)、絶対的な筋力は互いに相関する。ただし「脂肪ではなく筋肉が効いている」という読み方は、除脂肪量を介した媒介も脂肪の独立した寄与も解析していない横断研究からは出せない。 ②遺伝的素因:ACTN3のR型アレルはパワー系のエリート選手にやや多い(オッズ比1.21)。ただしこれは集団レベルの関連であり、素因と環境がどの割合で効くのかを比べた研究は本記事に収録していない。
吉村 浩嗣
