レジスタンストレーニングによる筋タンパク合成の変化と筋肥大への寄与(レビュー)
Damas F, Phillips SM, Vechin FC, Ugrinowitsch C
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
レジスタンストレーニング後の筋タンパク合成(MPS)が、トレーニング期の各段階でどう変化し筋肥大に寄与するかを整理したレビュー。未訓練者では運動直後の急性のMPS上昇が、その後の筋肥大と相関しないことが示されている。訓練が進むとMPSの上昇は早くピークを迎え持続が短くなり、総体としての合成反応は小さくなる。著者は、トレーニングがMPS反応を鈍らせてタンパク質蓄積を制限しうるとしつつ、それがいつ起こるかは分かっていないと述べている。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 測定したアウトカム・研究デザインレビューのため被験者数は無い。抄録は対象集団を特定していない(訓練状態の別のみ言及)。
- 訂正履歴
1件を表示
- 「初期1〜4週の筋力向上は神経系適応」「筋肥大は4〜8週以降から顕著」「見た目の変化は数週遅れる」を記述していたが、いずれも本論文の抄録に無く、別文献の知見を帰属させていた。全面的に書き直した。変更履歴
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
未訓練の状態で測った運動直後の筋タンパク合成の上昇は、その後の筋肥大と相関しない。
- 2
訓練が進むと、運動後の筋タンパク合成の上昇はピークが早まり持続が短くなる。
- 3
その結果、訓練された状態では総体としての合成反応が小さくなる。
- 4
著者は、この鈍化がタンパク質蓄積を制限しうるとしつつ、いつ起こるかは未解明だと明記している。
- 5
本レビューは筋タンパク合成を主題としており、神経系の適応や見た目の変化の時期は扱っていない。
この研究を扱った記事
- 解説
筋トレを2週間続けたときに何が起きるか、収録した出典が言える範囲
筋トレ開始後2週間では、筋肉量の目に見えた変化はほぼない。収録している Moritani & deVries(1979)は、若年の男性7名・女性8名に8週間の等張性トレーニングを行わせ、初期の筋力増加の大部分は神経要因によるもので、その後は神経要因と筋肥大の双方が寄与し、最初の3〜5週を過ぎると筋肥大が優勢になると報告している。 2週間時点で体内に何が起きているかを直接測った研究を、本記事は収録していない。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「加圧トレーニングは軽い重量でも筋力が伸びる」は本当か? 通説 vs 研究
加圧トレーニング(BFR: Blood Flow Restriction)は、カフやバンドで手足の血流を制限しながら低重量(1RM の20〜30%)で行うトレーニング法。「高重量なしで筋肥大・筋力向上ができる」と話題だが、過大評価の声もある。主な主張を研究と比較する。
吉崎 槙吾
- 解説
バルサルバ法と腹圧について、収録した出典が言える範囲
収録している MacDougall ら(1985)は、経験豊富なボディビルダー5名の上腕動脈にカテーテルを留置し、高重量挙上中の血圧を直接記録した研究である。 収縮期・拡張期血圧は各種目の短縮性収縮の局面で急速に極めて高い値まで上昇し、伸張性収縮で低下した。 最も高いピークは両脚レッグプレスで、群平均は320/250 mmHg、ある被験者では480/350 mmHg を超えた。 片腕カールをフェイラーまで続けた場合のピークは群平均255/190 mmHg だった。 単発の最大挙上時、またはフェイラーに近づいたときの口腔内圧30〜50 Torr は、観察された血圧上昇の一部がバルサルバ法によるものであることを示している。 著者らは、健常な若年者が挙上を行う際には、血管の機械的圧迫・強い昇圧反応・バルサルバ反応が組み合わさって極端な血圧上昇が生じ、比較的小さな筋量で行った場合でも血圧は極端になると結論している。
吉崎 槙吾
最終確認: