バルサルバ法と腹圧:重量挙げの呼吸テクニックで筋力を最大化する
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息を止めて力んだ方が重いものを上げられると聞いたけど、本当?安全なの?
バルサルバ法(息を止めて腹腔内圧を高める呼吸技術)は、高重量コンパウンド種目の安全性とパフォーマンスを両立する有効な手法。ただし血圧を一時的に大きく上昇させるため、心血管疾患・高血圧の既往がある場合は医師に相談が必要。
腹圧(IAP)が筋力発揮を助ける仕組み
腹腔内圧(IAP)とは腹部の空洞内にかかる圧力のこと。息を吸い込み横隔膜を下げながら腹筋・骨盤底筋を同時に緊張させることでIAPが高まり、脊柱が一種の「圧力シリンダー」に包まれた状態になる。この状態では脊柱起立筋単独への負荷が軽減され、より安定した体幹で高重量を扱える。Harman ら(1989)の研究ではバルサルバ法使用時の脊椎への圧縮力が有意に低下することが示されている。
バルサルバ法の正しいやり方
①バーを持つ前に深く息を吸い込む(肺容量の75〜80%程度)。②腹を360度に張り出すように腹筋群を締める(「お腹を細くする」のではなく「外に広げる」イメージ)。③喉(声門)を閉じて息を押し込む感覚を作る。④挙上の最も困難な局面(スティッキングポイント)を過ぎたら息を吐く。⑤次のレップの前に再度ブレーシングし直す(セットの間は常に再ブレーシングが原則)。
血圧への影響と注意すべき人
バルサルバ法は一時的に収縮期血圧を160〜200mmHg以上に急上昇させることがある(MacDougall et al. 1985)。健康な成人では一過性であり、問題なく回復する。ただし①高血圧の既往がある、②心臓弁膜症や動脈瘤がある、③緑内障の診断を受けている、いずれかに該当する場合は主治医に相談した上でリスクを評価すること。
- 160〜200+mmHg
- バルサルバ時の一時的収縮期血圧
軽〜中重量では「エクスピレーション呼吸法」で十分
バルサルバ法は最大重量の85%以上を扱う際に特に有効。軽〜中程度の重量(最大重量の60〜75%)であれば、「挙げるときに息を吐く(エクスピレーション呼吸法)」で十分安全に扱える。初心者はまずエクスピレーション法を習得し、ブレーシングが自然にできるようになってからバルサルバ法に移行するのが推奨される。
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