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研究 vs 勘

「断食すると筋肉が溶ける」は本当か? インターミッテントファスティング 通説 vs 研究

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

「食べないと筋肉が分解される」——この恐怖がインターミッテントファスティング(IF)の実践を躊躇わせる。16時間の断食で筋肉が溶けるのか、それともトータルの栄養管理ができていれば問題ないのか。研究の答えを確認する。

Round1

16時間の断食で筋タンパク質の分解が起きるか

言われていること

「こまめに食べた方がいい」派のフィットネス情報

16時間も食べないと体がエネルギー不足になり、筋肉を分解してエネルギーにする。プロテインを飲まない時間が長いと筋肉が落ちる。3〜4時間おきに食べないと筋合成が止まる。

VS

研究が示すこと

  • 断食中に筋タンパク質の分解が実際どれだけ進むかを、16時間という条件で直接測った研究は見当たらない。
  • よく引かれる Tinsley & La Bounty(2015)のレビューは、隔日断食で体重が約3〜7%・体脂肪が約3〜5.5kg減ったといった体組成と血中脂質を整理したもので、抄録はタンパク質摂取量にも筋タンパク分解にも触れていない。
  • 時間制限食(いわゆる16時間断食)については「研究が限られ、現時点で明確な結論は出せない」と明記している。
  • 分かっているのは、レジスタンストレーニングと十分なタンパク質が除脂肪量を増やすこと(Morton 2018)までで、そこに断食の時間帯が何を足し引きするかは別の問いである。
判定

「16時間の断食で筋肉が分解される」も「されない」も、直接確かめた研究が見当たらない。ただし総タンパク質と総カロリーが確保されていれば大きな問題は起きにくい、という経験則は、少なくとも体組成のデータと矛盾していない。決着させるには、総摂取量を揃えたうえで食事の時間帯だけを変え、筋タンパク質の収支を直接測る試験が要る。

信頼度:研究待ち
Round2

断食中に筋トレを行うことは筋肉にとって危険か

言われていること

プレワークアウト栄養重視のフィットネス文化

空腹でトレーニングすると体が栄養不足で筋肉が分解される。必ずプレワークアウトの食事を摂ってからトレーニングすべきだ。断食中に追い込むのは自殺行為。

VS

研究が示すこと

  • 空腹状態でのトレーニングが筋タンパク分解や体組成に与える影響を調べた研究を、本記事は収録していない。
判定

断食下のトレーニングと通常時を比べた研究を、本記事は収録していない。筋肉量への影響を示せない。

信頼度:賛否が分かれる
訂正履歴訂正1回・撤回した原文4件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • 空腹時トレーニングについて書いていた「体脂肪酸化率を高めるが筋タンパク分解もわずかに上昇する」「8週間の介入でIF群・通常食群ともに筋肉量の維持が確認された(Moro ら 2016)」「90分以上の高強度トレーニングや慢性的なタンパク質不足と組み合わせるとリスクが高まる」「30分以内の中強度トレーニングなら空腹でも実施可能で、運動後に十分なタンパク質を摂ることで回復は十分に補える」——をすべて撤回した。Moro ら(2016)を本記事は収録しておらず、残る3点も出典を示せない。
    撤回した原文4件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. 空腹状態でのトレーニングは体脂肪酸化率を高めるが、同時に筋タンパク分解もわずかに上昇する
    2. 健常者でのIFと通常食を比較した研究(Moro et al. 2016)では、8週間の介入でIF群・通常食群ともに筋肉量の維持が確認された
    3. 長時間の高強度トレーニング(90分以上)や慢性的なタンパク質不足と組み合わせた場合はリスクが高まる
    4. 30分以内の中強度トレーニングなら空腹でも実施可能であり、運動後に十分なタンパク質を摂ることで回復は十分に補える

関連するサプリ

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  • ホエイプロテイン

    レジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると、筋力・除脂肪量が増える。 健常成人の49件のRCT(計1,863名)のメタ分析で、6週間以上のトレーニングに補給を加えると1RM筋力が+2.49kg、除脂肪量が+0.30kg、筋線維横断面積が+310µm²増えた。総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日(95%CI 1.03〜2.20)と推定されている。ただし著者らはこの分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)を明記しており、確立した閾値ではない。(Morton 2018)

  • BCAA(分岐鎖アミノ酸)

    遅発性筋痛(DOMS)の軽減が報告されている。 8件の研究から37の効果を集めたメタ分析で、効果量は0.7286(95%CI 0.5017〜0.9555、p<0.001)だった。著者らはこれを「大きな減少」と表現している。ただしDOMSを評価した人数は計61名と少ない(Fedewa 2019)。このメタ分析が扱っているのは筋肉痛のみで、CKなどの筋損傷マーカーは扱っていない。

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吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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