低用量ホエイへのロイシン強化は運動後の筋タンパク質合成を早期には引き上げるが、持続はしない(RCT)
Churchward-Venne TA, Burd NA, Mitchell CJ, West DW, Philp A, Marcotte GR, Baker SK, Baar K, Phillips SM
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
健常な男性24名(1条件あたり8名)を対象に、片脚のレジスタンス運動後に「25gのホエイプロテイン」「6.25gの低用量ホエイ+ロイシンを25g条件と同量になるよう添加」「6.25gの低用量ホエイ+ロイシン以外の必須アミノ酸を添加」の3条件を比較。運動後1〜3時間の筋タンパク質合成は3条件とも同程度まで高まったが、3〜5時間にかけて上昇を維持できたのは25gの完全なタンパク質を摂取した条件のみだった。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 被験者数・測定したアウトカム・研究デザイン・対象集団測定されているのは急性の筋タンパク質合成速度であり、長期の筋肥大ではない。対象は男性24名、片脚のレジスタンス運動という設計である。
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
男性24名が片脚のレジスタンス運動の後、25gのホエイ(WHEY)/6.25gのホエイ+ロイシンをWHEYと同量まで添加(LEU)/6.25gのホエイ+ロイシン以外の必須アミノ酸をWHEYと同量まで添加(EAA-LEU)のいずれかを摂取した。
- 2
血中ロイシン濃度は WHEY と LEU で同等で、EAA-LEU より高かった(P=0.001)。
- 3
運動後1〜3時間の筋線維タンパク質合成は、食後条件・運動後条件のいずれでも空腹時より上昇し、3条件のあいだに差は無かった。
- 4
3〜5時間で空腹時より有意に高い状態を保てたのは WHEY だけだった(WHEY 184%に対し LEU 55%、EAA-LEU 35%、P=0.036)。
- 5
ロイシンや他の必須アミノ酸を足すだけでは、運動後の筋タンパク質合成を長く支えられない。 著者らは、運動によって生じる筋タンパク質の蓄積を高めるには完全なタンパク質が最も適しているだろうと結論している。
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EAA(必須アミノ酸)必須アミノ酸が揃っていることの理屈は、総説が示している。 BCAA単独では他の必須アミノ酸が不足し、合成の材料を確保するために既存の筋肉を分解せざるを得ない。最大限の筋タンパク質合成には必須アミノ酸全体の供給が必要である(Wolfe 2017)。
収録した総説は必須アミノ酸の供給という考え方を扱っていますが、EAA製品そのものの効果を検証した試験は収録していません。 総説は「最大限の筋タンパク質合成には必須アミノ酸全体の供給が必要」と述べており、これはBCAA単独より理にかなう位置づけです(Wolfe 2017)。ただしこれは配合製品を投与して結果を測った試験ではありません。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)遅発性筋痛(DOMS)の軽減が報告されている。 8件の研究から37の効果を集めたメタ分析で、効果量は0.7286(95%CI 0.5017〜0.9555、p<0.001)だった。著者らはこれを「大きな減少」と表現している。ただしDOMSを評価した人数は計61名と少ない(Fedewa 2019)。このメタ分析が扱っているのは筋肉痛のみで、CKなどの筋損傷マーカーは扱っていない。
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関連する研究
ロイシン摂取量と筋タンパク質合成(MPS)の用量反応関係
American Journal of Clinical Nutrition, 2009
健康な若年男性6名が5回にわけて来所し、脚のレジスタンス運動を行ったあと、全卵タンパク質を0g・5g・10g・20g・40g含む飲料を無作為な順序で摂取して、その後4時間の筋タンパク質合成(MPS)とアルブミン合成、ロイシン酸化を測定した試験。MPSは用量に応じて増え、20gで最大に達した。アルブミン合成も同じく20gで頭打ちになった。一方、MPSを調節すると考えられていたシグナル分子(p70S6K・リボソームタンパクS6・eIF2Bε)のリン酸化は、どの用量でも変化しなかった。著者らは、運動後のMPSの刺激はアミノ酸の利用可能性に関係している可能性があるとしている。ロイシン酸化は20gと40gの両方で有意に増えており、組織タンパク質に取り込める速度を超えた分は不可逆的に酸化されることが示された。
タンパク質補給はレジスタンストレーニングによる筋量・筋力増加を高める(メタ分析)
British Journal of Sports Medicine, 2018
健常成人を対象とした49件のRCT(計1,863名)を統合したメタ分析。6週間以上のレジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると、1RM筋力(+2.49kg)・除脂肪量(+0.30kg)・筋線維横断面積(+310µm²)がいずれも有意に増加した。収録試験のあいだのメタ回帰では、年齢が高いほど補給の上乗せ効果が小さく(除脂肪量で −0.01 kg/歳、p=0.002)、トレーニング経験者では大きい(+0.75kg、p=0.03)という関連が推定された。補給量も対象集団も試験ごとに違うので、年齢そのものの効果とは読めない。 総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日と推定されている。その95%信頼区間(1.03〜2.20)と、この分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)は、抄録ではなく全文(PMC5867436)の記載である。
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