BCAA(分岐鎖アミノ酸)
BCAA (Branched-Chain Amino Acids)
ロイシン・イソロイシン・バリンの3種の必須アミノ酸から構成されるサプリメント。複数のメタ分析で遅発性筋肉痛(DOMS)の軽減に一定の効果が報告されており、運動後の回復サポートを目的に利用されている。ただし、十分なタンパク質を食事から摂取している場合、単独のBCAA追加による筋タンパク質合成への上乗せ効果は限定的とされている。
研究が進みつつある成分

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(PR)研究で報告されている効果
筋肉痛(DOMS)の軽減:レジスタンストレーニング後の痛みや筋損傷マーカーの低下が複数の研究で報告されている
筋タンパク質合成のシグナル活性化:特にロイシンがmTOR経路を刺激するという研究結果がある
運動中の疲労感軽減の可能性:中枢性疲労に関わるトリプトファン競合を抑制するという仮説が検討されている
タンパク質摂取が不足しがちな場面(減量期・高齢者)での筋肉量維持サポートとして有用な可能性がある
推奨摂取量・タイミング
- 1回5〜10g、運動前・運動中・運動直後のいずれかに摂取するケースが多い。
- ロイシンを2〜3g以上含む比率が望ましいとされる。
- 食事からのタンパク質摂取量(1日1.6〜2.2g/kg体重)を優先し、不足を補う形での使用が推奨される。
注意点
- •一般的な摂取量では安全性が高いとされているが、過剰摂取による長期的影響のエビデンスは限られている。
- •腎疾患や肝疾患のある方は医師に相談の上で使用すること。
- •アミノ酸代謝疾患(メープルシロップ尿症など)がある場合は使用不可。
- •妊娠中・授乳中の方も使用前に医師に相談すること。
- •また、食事からのタンパク質が十分であれば追加効果は薄れるため、まず食事の見直しを優先すること。
根拠となる研究
BCAAサプリと遅発性筋肉痛(DOMS)― メタ分析
International Journal for Vitamin and Nutrition Research, 2019
BCAAサプリメントはプラセボと比較して、運動後24〜72時間の遅発性筋肉痛(DOMS)と筋損傷マーカー(CK値)を有意に低下させた。ただし効果量は中程度で、食事タンパク質が十分な場合の上乗せ効果は不明。
BCAA単独は筋タンパク質合成を最大化できるか? ― 神話か現実か
Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2017
BCAA単独の経口摂取が筋タンパク質合成を刺激するという主張は根拠に乏しい。ロイシンはmTORシグナルを活性化するが、BCAAs以外の必須アミノ酸(EAA)が不足すると、合成の材料を確保するために既存の筋肉を分解せざるを得ない。最大限の筋タンパク質合成にはEAA全体の供給が必要。
似た働きのサプリ
EAA(必須アミノ酸)
信頼度: 中9種の必須アミノ酸(ロイシン・イソロイシン・バリン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・ヒスチジン)
体内で合成できない9種の必須アミノ酸をすべて含む製品。研究では、筋タンパク質合成には全必須アミノ酸が揃った状態が有利であるという結果が報告されている。BCAAsのみでは他の必須アミノ酸が不足する可能性があり、EAAはより完全な基質を提供できると考えられている。
グルタミン
信頼度: 低L-グルタミン
体内で最も多く存在する非必須アミノ酸。腸管バリアの維持・免疫細胞の燃料として重要な役割を持つ。激しい運動後に血中グルタミン濃度が低下することは確認されているが、健康な人がサプリとして追加摂取しても筋力・筋肥大・パフォーマンスへの効果は複数のRCTで確認されていない。
コラーゲン(加水分解コラーゲン)
信頼度: 中加水分解コラーゲンペプチド(Type I/II/III)
腱・靭帯・軟骨・皮膚の主成分であるコラーゲンを加水分解して吸収しやすくしたサプリメント。ビタミンCとの併用で腱・靭帯のコラーゲン合成を促進する可能性をRCTが示唆している。筋肥大への直接効果は低いが、関節健康の維持や怪我予防の観点で研究が進んでいる。