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研究 vs 勘

「クレアチンはローディングしないと効果が遅い」は本当か? 最初の1週間に大量摂取すべきか研究で検証

公開日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

クレアチンを始める際に「最初の5〜7日間は20g/日を摂取してからメンテナンスに移行する(ローディングプロトコル)」という方法が広く知られている。「効果の出現を早める」という理屈だが、ローディングをしなくても同じ効果が得られるのか、副作用との兼ね合いはどうなのか。研究データで評価する。

Round1

ローディングはしないと効果が遅くなる

言われていること

クレアチンサプリメーカーの推奨プロトコル、フィットネス系コンテンツ

最初の1週間に20g/日を飲まないと筋肉内クレアチンが満タンになるのに4〜5週かかる。ローディングすれば1週間で効果が出始める。

VS

研究が示すこと

  • creatine-resistance-training-metaを含む複数の研究が示すように、ローディング(20g×5日)は確かに筋内クレアチン貯蔵量を約1週間で飽和状態に近づける。
  • 一方、維持量(3〜5g/日)を継続するだけでも約3〜4週間後には同様の飽和状態に達することがcreatine-forms-comparison-metaでも確認されている。
  • 「早く効果を出したい競技シーズン直前」などではローディングの合理性はあるが、「急ぐ必要がない」場合は維持量からスタートしても最終的な筋力・筋肥大効果は同等。
判定

ローディングは「早く効かせたい場合」に有効な手段だが、「しなければ損をする」わけではない。3〜5g/日の維持量を毎日飲み続ければ、3〜4週後に同じ効果が得られる。急ぎでなければ維持量スタートで十分。

信頼度:強い根拠あり
Round2

ローディング中の胃腸不快感・体重増加は問題ない

言われていること

ローディングを推奨する一般的なフィットネス情報

ローディング中に少し胃もたれするかもしれないが、体重増加(水分貯留)も一時的なものだし、慣れれば問題ない。

VS

研究が示すこと

  • creatine-resistance-training-metaでは、ローディング中に1〜2kgの体重増加(主に細胞内水分の増加)が一般的に起きることが確認されている。
  • 胃腸症状(吐き気・下痢・胃部不快感)はローディング量が多いほど報告率が上がる。
  • 維持量(3〜5g/日)では胃腸症状は大幅に少ない。
  • 体重増加については「水が筋肉内に貯留される」ことを意味し、クレアチンの作用機序(筋内クレアチンリン酸と結合した水が増える)から避けられない。
  • ただし競技で体重カテゴリーが存在する場合(ウェイトリフティング・格闘技など)は計量前のローディングは避けるべき。
判定

ローディングによる1〜2kgの体重増加と胃腸症状は実在するリスク。体重管理が重要な競技では避けるべき。「胃が弱い・体重増加を最小化したい」場合は維持量スタートが合理的な選択。

信頼度:強い根拠あり
Round3

クレアチンHCL(クレアチン塩酸塩)はローディング不要で吸収が良い

言われていること

クレアチンHCL製品のマーケティング、比較コンテンツ

クレアチンHCLはモノハイドレートより吸収が良くて少量でOK。ローディングが不要で胃腸への負担も少ない。

VS

研究が示すこと

  • creatine-forms-comparison-metaでは、クレアチンHCLがモノハイドレートより「有意に優れた」パフォーマンス向上・筋量増加をもたらすという独立した大規模RCTが不足しており、現時点でHCLが優れるという結論は出ていない。
  • 溶解度が高いこと(HCLの方が水に溶けやすい)は事実だが、それがトレーニング成果の差につながるかどうかは未確立。
  • 最も研究が蓄積されているのはモノハイドレートであり、コストパフォーマンスも最も高い。
判定

クレアチンHCLが「ローディング不要・吸収が優れる」という主張の強いRCTエビデンスはない。胃腸症状が気になる場合の選択肢にはなりうるが、コスト・エビデンスの面ではモノハイドレートが現時点での標準的選択。

信頼度:根拠は弱い

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公開日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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