
水を多く飲むと直接的に脂肪が燃えるか
言われていること
ダイエット情報サイト・美容健康コンテンツ
水をたくさん飲むと代謝が上がって脂肪が燃えやすくなる。1日2〜3Lの水を飲むだけで体脂肪が落ちていく。
研究が示すこと
- Boschmann ら(2003)は健常な標準体重の男女14名を対象に、500mLの水の摂取で代謝率が約30%上昇し、上昇は摂取後30〜40分でピークに達したと報告している。
- 90分間の熱産生反応の合計はおよそ100kJ(約24kcal)で、そのうち約40%は水を22℃から37℃へ温める分だった。
- 著者らは、1日2Lの水を飲むとおよそ400kJ(約96kcal)のエネルギー消費増に相当すると述べている。
- 同試験では、代謝上昇のエネルギー源が男性では主に脂質、女性では主に炭水化物だったと報告されている。 また上昇はβ遮断薬で減弱しており、交感神経系の関与が示唆されている。
- 本記事が収録しているのは Dennis ら(2010)と本試験だけで、脱水と代謝効率の関係を扱った出典は無い。
収録した試験では500mLの水で代謝率が約30%上がり、90分間の合計はおよそ100kJだった。うち約40%は水を体温まで温める分である。代謝上昇のエネルギー源は、男性では主に脂質、女性では主に炭水化物だったと報告されている。
食前の水摂取は減量に有効か
言われていること
水飲みダイエット懐疑派
食前に水を飲んでもすぐ胃を通過するだけで、食欲を抑える効果はない。水で腹が膨れるのは気のせいで、実際の食事量は変わらない。
研究が示すこと
- Dennis ら(2010)のRCTでは、55〜75歳・BMI 25〜40の過体重/肥満の成人48名を対象に、低カロリー食に食前500mLの水を加えた群が、加えなかった群より12週間で約2kg多く体重を減らした(体重の減り方は44%大きい)。
- ただし食事量への効果には注意がいる。
- テスト食のエネルギー摂取量は、ベースラインでは水を先に飲んだほうが有意に少なかった(498±25 kcal 対 541±27 kcal、P=0.009=約8%)が、12週時には有意差が無くなっていた(480±25 対 506±25、P=0.069)。
- 食前の水による食事量の抑制は、介入を続けた後には持続していない。 胃壁の伸展や食欲調節ホルモンへの影響という説明はよく語られるが、この試験が測定したものではない。
- 著者ら自身も「一因は水の摂取による食事エネルギー量の急性の減少にあるかもしれない」と述べるにとどめている。
収録している Dennis ら(2010)では、低カロリー食に食前500mLの水を加えた群が、加えなかった群より12週間で約2kg多く体重を減らした(55〜75歳・BMI 25〜40の48名)。ただしテスト食のエネルギー摂取量の差は、ベースラインでは有意だったが12週時には有意でなくなっている。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文8件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 水と減量について書いていた「効果量は小さく、1日の総エネルギー消費に与える影響は限定的である」、「水が直接『脂肪を燃やす』わけではなく、脂肪酸化率の有意な増加は示されていない」、「水が減量に有用な理由は代謝促進ではなく、食欲抑制・食事のカロリー置換・脱水防止による代謝効率維持にある」、第1ラウンドの結論に書いていた「水は直接的な脂肪燃焼促進効果は小さい」「食欲抑制・カロリー飲料の代替・パフォーマンス維持という間接的な経路での貢献が実際の価値である」、および第2ラウンドの結論に書いていた「食前の水摂取は食欲抑制・カロリー削減に有意な効果あり」「特に中年以降でのエビデンスが強い」「シンプルで低コストの補助習慣として有用である」——をすべて撤回した。Boschmann ら(2003)は代謝上昇のエネルギー源が男性では主に脂質、女性では主に炭水化物だったと報告しており、脂肪酸化が増えていないとは述べていない。効果量の大小や1日の総消費への影響の評価も、同抄録には無い。脱水と代謝効率の関係を扱った出典を本記事は収録していない。食前の水による食事量の抑制について、Dennis ら(2010)はベースラインでは有意(P=0.009)だが12週時には有意でない(P=0.069)と報告している。「有意な効果あり」と結論すると、この試験が持続しなかったと報告した部分を落とすことになる。エビデンスの強さと補助習慣としての有用性の評価も、収録している1件のRCTからは述べられない。
撤回した原文8件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
効果量は小さく(500mL摂取で30分間に代謝が約30%上昇)、1日の総エネルギー消費に与える影響は限定的
水が直接「脂肪を燃やす」わけではなく、脂肪酸化率の有意な増加は示されていない
水が減量に有用な理由は代謝促進ではなく、食欲抑制・食事のカロリー置換・脱水防止による代謝効率維持にある
水は直接的な脂肪燃焼促進効果は小さい
食欲抑制・カロリー飲料の代替・パフォーマンス維持という間接的な経路での貢献が実際の価値
食前の水摂取は食欲抑制・カロリー削減に有意な効果あり
特に中年以降でのエビデンスが強い
シンプルで低コストの補助習慣として有用
関連するサプリ
PR
電解質(エレクトロライト)体水分の不足(低水和)は心血管系と体温調節への負担を増やし、有酸素パフォーマンスを低下させる(Shirreffs 2011)。
以下のリンクはアフィリエイトリンク(PR)を含みます。
関連する研究
出典
公開日: / 更新日:


次に読む
- 研究 vs 勘
「朝食を抜くと代謝が下がる」は本当か? 朝食神話 通説 vs 研究
「朝食は一日の代謝を左右する重要な食事」「食べないと太りやすい体になる」——朝食に関するアドバイスは根強い。しかしこの通説はRCTで直接検証されており、その結果は通念とは異なる。
吉崎 槙吾
- 解説
ケト適応(ケトアダプテーション)には何週間かかる? 脂肪を燃料にする体になるまでのプロセス
ケト適応にどれだけかかるのかを示せる出典を、本記事は持っていない。 収録している2件は期間を測る設計ではない。Volek ら(2016)は低糖質食を平均20か月続けているエリート選手10名と高糖質食10名を比べた断面研究で、ピーク脂質酸化率が2.3倍高い一方、筋グリコーゲンの利用と再充填には有意差が無かった。Burke ら(2017)はエリート競歩選手29名の3週間の介入試験で、低糖質高脂肪群は脂質酸化率が上がったのに運動エコノミーが悪化し、10kmのタイムが改善しなかった(高糖質群は6.6%改善)。空腹時運動のメタ分析(Vieira 2016)が示しているのは運動中の脂質酸化であって、ケト適応ではない。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「カフェインは脂肪を燃やす」は本当か? カフェインの脂肪燃焼効果 通説 vs 研究
コーヒー・緑茶・脂肪燃焼系サプリに必ずと言っていいほど含まれるカフェイン。「代謝を上げて脂肪を燃やす」という主張のエビデンスを確認する。
吉崎 槙吾