
カフェインは代謝を上げて脂肪燃焼を促進するか
言われていること
コーヒーダイエット推薦者・サプリメントブランド
コーヒーを飲むと体が熱くなって代謝が上がる。カフェインは最強の天然脂肪燃焼剤。
研究が示すこと
- 収録している Astrup ら(1990)は、習慣的なカフェイン摂取が中等度の健常者を対象に、プラセボと経口カフェイン100mg・200mg・400mgがエネルギー消費、血漿中の基質・ホルモン濃度、血圧、心拍数に与える影響を二重盲検で調べた試験である。 カフェインは用量依存的にエネルギー消費を増やし、熱産生反応は血漿カフェイン(r=0.52、p<0.018)、血漿乳酸(r=0.79、p<0.000001)、血漿トリグリセリド(r=0.53、p<0.02)の反応と正の相関を示した。 著者らは、乳酸とトリグリセリドの産生および血管平滑筋の緊張の亢進が、カフェインの熱産生効果の大部分を担っている可能性を示唆している。 同抄録は、安静時代謝の上昇率も脂肪酸酸化も報告していない。1日あたりの追加消費量を示した記述も無い。 収録している Goldstein ら(2010)の国際スポーツ栄養学会ポジションスタンドは、運動パフォーマンスに対するカフェインの効果を扱ったものである。
カフェインへの耐性が形成されると脂肪燃焼効果は消えるか
言われていること
カフェインサイクリング推奨者・プレワークアウトマニア
毎日コーヒーを飲んでいると耐性ができて、脂肪燃焼効果がなくなる。効かせたいなら週2〜3回にすべき。
研究が示すこと
- 習慣飲用の有無でカフェインの効果を比べた研究を、本記事は1件も収録していない。 収録している Astrup ら(1990)の対象は習慣的なカフェイン摂取が中等度の健常者で、習慣飲用の有無で群を分けた比較ではない。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文12件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 第1ラウンドに書いていた「Astrup et al.(1992)の試験ではカフェイン100mg摂取後に安静時代謝が約3〜4%上昇し、脂肪酸酸化も増加することが示された」、「この効果は『脂肪動員の増加(交感神経系の活性化→脂肪細胞からの脂肪酸放出)』と『熱産生亢進』が主なメカニズム」、「カフェイン3〜6mg/kgの摂取で運動パフォーマンスも向上し、脂肪燃焼サポートとしての効果は比較的エビデンスが充実している」、「『飲むだけで体脂肪が落ちる』ほどの効果は期待できず、消費カロリー増加は100kcal/日程度」、その結論の「カフェインの代謝・脂肪酸酸化促進効果は研究で支持されているが、効果量は控えめ(追加消費100kcal/日程度)」「単独で体脂肪を大幅に減らすほどの力はない」、第2ラウンドの「カフェインの代謝亢進効果・熱産生効果には習慣飲用者で耐性形成が報告されており、非習慣者と比べて効果が弱まることが示されている(Westerterp-Plantenga et al.)」「ただし運動パフォーマンス向上効果は習慣飲用者でも概ね維持される」「脂肪燃焼効果の耐性については証拠が混在しており、『効果がゼロになる』わけではないが『非飲用者ほどの効果は期待しにくい』という解釈が適切」、その結論の「代謝亢進への耐性は形成されうるが『効果ゼロ』にはならない」「休息日を設けることで効果をある程度維持できる可能性はあるが、劇的な差ではない」——をすべて撤回した。Astrup ら(1992)と Westerterp-Plantenga らの研究を、本記事は収録していない。収録している Astrup ら(1990)の抄録は用量依存的なエネルギー消費の増加を述べるのみで、安静時代謝の上昇率も脂肪酸酸化も1日あたりの追加消費量も報告していない。機序として挙げているのは乳酸・トリグリセリドの産生と血管平滑筋の緊張である。習慣飲用の有無で効果を比べた研究も1件も収録していない。あわせて、撤回の過程で「収録しているのは Astrup ら(1990)の別の試験であり、PubMed に抄録が無いため、この数値が同試験のものかを確認できない」と書いていたが、これは誤りだった。同試験の抄録は存在する。あわせて第2ラウンドの確信度を「mixed(賛否が割れる)」から「insufficient(判定できない)」に下げた。習慣飲用の有無で効果を比べた研究を1件も収録していない以上、賛否が割れているとも言えないため。
撤回した原文12件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Astrup et al.(1992)の試験ではカフェイン100mg摂取後に安静時代謝が約3〜4%上昇し、脂肪酸酸化も増加することが示された
この効果は「脂肪動員の増加(交感神経系の活性化→脂肪細胞からの脂肪酸放出)」と「熱産生亢進」が主なメカニズム
カフェイン3〜6mg/kgの摂取で運動パフォーマンスも向上し(Caffeine & Exercise Performance Meta)、脂肪燃焼サポートとしての効果は比較的エビデンスが充実している
ただし「飲むだけで体脂肪が落ちる」ほどの効果は期待できず、消費カロリー増加は100kcal/日程度
カフェインの代謝・脂肪酸酸化促進効果は研究で支持されているが、効果量は控えめ(追加消費100kcal/日程度)
単独で体脂肪を大幅に減らすほどの力はない
カフェインの代謝亢進効果・熱産生効果には習慣飲用者で耐性形成が報告されており、非習慣者と比べて効果が弱まることが示されている(Westerterp-Plantenga et al.)
ただし運動パフォーマンス向上効果は習慣飲用者でも概ね維持される(Caffeine Strength Meta)
脂肪燃焼効果の耐性については証拠が混在しており、「効果がゼロになる」わけではないが「非飲用者ほどの効果は期待しにくい」という解釈が適切
代謝亢進への耐性は形成されうるが「効果ゼロ」にはならない
休息日を設けることで効果をある程度維持できる可能性はあるが、劇的な差ではない
収録しているのは Astrup ら(1990)の別の試験であり、PubMed に抄録が無いため、この数値が同試験のものかを確認できない
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緑茶エキス(EGCG)日本以外で行われた6件を統合した解析では、体重の平均差は −0.04kg だった。 BMIの平均差は −0.2 kg/m²(95%CI −0.5〜0.1、P=0.21、222名)、ウエスト周囲径は −0.2cm(95%CI −1.4〜0.9、P=0.70、404名)で、いずれも有意でない(Jurgens 2012)。

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出典
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次に読む
- 解説
ケト適応(ケトアダプテーション)には何週間かかる? 脂肪を燃料にする体になるまでのプロセス
ケト適応にどれだけかかるのかを示せる出典を、本記事は持っていない。 収録している2件は期間を測る設計ではない。Volek ら(2016)は低糖質食を平均20か月続けているエリート選手10名と高糖質食10名を比べた断面研究で、ピーク脂質酸化率が2.3倍高い一方、筋グリコーゲンの利用と再充填には有意差が無かった。Burke ら(2017)はエリート競歩選手29名の3週間の介入試験で、低糖質高脂肪群は脂質酸化率が上がったのに運動エコノミーが悪化し、10kmのタイムが改善しなかった(高糖質群は6.6%改善)。空腹時運動のメタ分析(Vieira 2016)が示しているのは運動中の脂質酸化であって、ケト適応ではない。
吉崎 槙吾
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「有酸素なしでは痩せられない」は本当か? 筋トレだけダイエット 通説 vs 研究
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「激しい運動をすると体が燃え続ける状態になり、運動後も何時間も脂肪が燃える」——EPOC(運動後過剰酸素消費)を根拠にした主張だ。EPOCは実在するが、その「規模」が大きく誇張されている。
吉崎 槙吾