カフェイン摂取は筋力・筋パワーを向上させる(メタ分析)
Grgic J, et al.
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
カフェイン摂取が最大筋力(1RM)と筋パワー(垂直跳び)に与える影響を統合したメタ分析。筋力を扱った10件、パワーを扱った10件が対象。カフェインは筋力(標準化平均差0.20、p=0.023)とパワー(同0.17、p=0.047)をいずれも有意に向上させたが、効果量は小さい。サブグループ解析では上半身の筋力で有意(0.21、p=0.026)だった一方、下半身の筋力では有意差が出なかった(0.15、p=0.147)。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 測定したアウトカム・研究デザイン抄録は統合参加者数を報告していない(筋力10件・パワー10件)。用量については記載が無い。
- 訂正履歴
1件を表示
- sampleSize 149 に根拠が無いため削除。「下半身の筋力では有意差が出ていない(p=0.147)」という内訳が落ちていたので補った。「3〜6mg/kg」「常用による耐性」も抄録に無いため削除。変更履歴
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
最大筋力が有意に向上した(標準化平均差 0.20、95%CI 0.03〜0.36、p=0.023)。効果量は小さい。
- 2
筋パワーも有意に向上した(標準化平均差 0.17、95%CI 0.00〜0.34、p=0.047)。下限がほぼ0であることに注意。
- 3
サブグループ解析では上半身の筋力で有意(0.21、p=0.026)だったが、下半身の筋力では有意差が出なかった(0.15、p=0.147)。
- 4
著者らは今後の研究で盲検化の有効性をより厳密に管理すべきだとしている。
- 5
女性を対象とした知見と、ガム・ジェルなど異なる形態のカフェインについては証拠が乏しいと明記されている。
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この研究を扱った記事
- 解説
重曹(重炭酸ナトリウム)─ 収録した3件が示している用量・タイミング・消化器症状
用量。 メタ分析(Carr 2011、Sports Med。重曹は38報・137推定値)が典型量として挙げているのは体重1kgあたり3.5 mmol(およそ0.3g/kg)で、男性アスリートが盲検下で1分間のスプリント1本を行う条件で平均パワーが1.7%向上した(90%信頼限界 ±2.0%)。この限界は0をまたぐ。 タイミング。 摂取時刻を直接比べた Siegler ら(2012、男性8名)では、運動の60分前・120分前・180分前のあいだで血中の緩衝能にもスプリント成績にも差が無かった。 消化器症状。 13名のクロスオーバー試験(Carr 2011、Int J Sport Nutr Exerc Metab)では、食事と一緒に摂った条件で症状の発生が最も少なく、[HCO3-]とpHも最も高かった。最も多かったのは溶液で摂ってから90分後である。 著者らは、高炭水化物食と一緒なら運動の120〜150分前に摂ることを示唆しつつ、8つのプロトコルの変化は同程度だったので最適なプロトコルは推奨できないとしている。 著者らの推奨は「短時間の高強度レースで平均パワーを1.7%(±2.0%)高めるために0.3〜0.5 g/kg/BM」である。
吉崎 槙吾
- 解説
サプリはいつ飲むか ─ 収録した研究が示している投与条件
成分ごとに、収録した出典が実際に示している範囲だけを書く。 カフェイン。 Grgic ら(2020)は21件のメタ分析を対象としたアンブレラレビューで、有酸素持久力・筋力・筋持久力・パワー・跳躍・移動速度でエルゴジェニックだったとしている。ただし95%予測区間を考慮するとすべての解析が効果の向きを確定的に示したわけではなく、証拠の質は概して中程度、個々の研究の多くは若い男性が対象である。摂取のタイミングを比較したものではない。 クレアチン。 運動の直前と直後を比べたRCT(男性19名・4週間、Antonio & Ciccone 2013)では、除脂肪量とベンチプレス1RMは増えたが、群と時間の交互作用はいずれの指標でも有意ではなかった。 著者らの「運動直後のほうが優れている」という結論は magnitude-based inference によるもので、有意差ではない。 プロテイン。 12時間で80gを分けた3通りのうち、20gを3時間ごとに4回が最も高かった(Areta 2013)。1日の総量も食事の回数も比べていない。
吉崎 槙吾
- 解説
1RMテストについて、収録した出典が言える範囲
1RMテストの安全性を調べた研究も、手順ごとの怪我のリスクを比べた研究も、本記事は収録していない。 収録している LeSuer ら(1997)と Pereira & Gomes(2003)が扱っているのは、推定式の精度と筋力テストの再現性であって、1RMテストの安全性ではない。
吉崎 槙吾
最終確認:
