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研究 vs 勘

「セット間の休憩は短いほど筋肥大に効く」は本当か? インターバル通説 vs 研究

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

「休憩は短くして常に追い込んだ方が成長ホルモンが出る」「長く休むのはサボっている証拠」——こんな声はジムで今も飛び交う。しかしセット間休憩の最適時間をめぐる研究は、その直感を覆す結果を示している。

Round1

短い休憩(1分以内)は成長ホルモン分泌を高め筋肥大を促進するか

言われていること

HIIT系フィットネスコミュニティ・ジム環境での口伝

短い休憩で代謝ストレスをかけると成長ホルモンが大量に分泌される。疲れた状態でセットを重ねる方が筋肥大に効果的で、長く休むほど成長刺激が逃げていく。

VS

研究が示すこと

  • 収録している Schoenfeld ら(2016)は、レジスタンストレーニング経験のある若年男性21名を、セット間1分(SHORT)と3分(LONG)に無作為に割りつけた8週間のRCTである。他の変数はすべて揃え、週3回の全身セッションで7種目を8〜12RMで3セットずつ行った。 最大筋力はスクワット・ベンチプレスの1RMとも LONG が有意に高かった。筋厚は大腿前面で LONG が有意に高く、上腕三頭筋でも大きい傾向が見られた(p=0.06)。局所的な上半身の筋持久力は両群とも有意に増加し、群間差は無かった。 抄録は肘屈筋について、測定したとは書いているが群間差の結果を報告していない。 乳酸もホルモン応答も、総挙上ボリュームも、本記事は測った研究を収録していない。
判定

収録したRCTでは、1分休憩より3分休憩のほうがスクワット・ベンチプレスの1RMで有意に大きく伸び、大腿前面の筋厚でも有意に大きかった。上腕三頭筋は傾向にとどまり(p=0.06)、肘屈筋の群間差は抄録に記載が無い。 比べたのは1分と3分の2条件だけである。

信頼度:中程度の根拠
Round2

筋力向上目的では休憩時間をさらに長くすべきか

言われていること

中級者向けフィットネス情報・一般的なジムプログラム

筋力アップには3〜5分も休む必要がある。でもそんなに休んでいたら集中力が切れるし、トレーニング密度が下がる。2分以内でも同じ効果があるはずだ。

VS

研究が示すこと

  • 収録している Schoenfeld ら(2016)では、3分休憩群のほうがスクワット・ベンチプレスの1RMとも有意に大きく伸びている。ただし比較したのは1分と3分の2条件だけで、2分や5分は検証していない。 神経系の適応も、クレアチンリン酸の再合成も、本記事は測った研究を収録していない。
判定

最大筋力については、1分より3分の休憩が有利という直接比較がある。ただし「3〜5分が最適」といった具体的な数字は、1分と3分しか比べていないこの試験からは出てこない。

信頼度:中程度の根拠
訂正履歴訂正1回・撤回した原文5件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • 第1ラウンドに書いていた「短い休憩が代謝ストレス・血中乳酸・一過性の成長ホルモン上昇をもたらすのは事実」「決定的な因子は、次のセットでの総挙上ボリュームを確保できるかどうかにあると考えられる」、第2ラウンドの「神経系への適応(最大筋力の向上)には、次のセットで最大出力を発揮できるだけの回復が要る」「クレアチンリン酸系の再合成には数分を要するとされ、筋力を狙う場面では長めの休憩が推奨されてきた」、およびその結論の「実務的には、次のセットで狙った重量と回数をこなせるかを基準にするのが妥当だろう」——を撤回した。乳酸もホルモン応答も、総挙上ボリュームも、神経系の適応も、クレアチンリン酸の再合成も、本記事は測った研究を収録していない。収録している Schoenfeld ら(2016)が比べたのはセット間1分と3分の2条件だけで、測定したのは1RM・筋厚・局所的な筋持久力である。撤回にあわせて、関連研究から Schoenfeld ら(2017)のレコード(training-volume-hypertrophy)を外した。撤回した「総挙上ボリュームを確保できるかどうか」に紐づいていたもので、本文はこれを引いていない。
    撤回した原文5件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. 短い休憩が代謝ストレス・血中乳酸・一過性の成長ホルモン上昇をもたらすのは事実
    2. 決定的な因子は、次のセットでの総挙上ボリュームを確保できるかどうかにあると考えられる
    3. 神経系への適応(最大筋力の向上)には、次のセットで最大出力を発揮できるだけの回復が要る
    4. クレアチンリン酸系の再合成には数分を要するとされ、筋力を狙う場面では長めの休憩が推奨されてきた
    5. 実務的には、次のセットで狙った重量と回数をこなせるかを基準にするのが妥当だろう

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  • クレアチン

    高齢者では、レジスタンストレーニングにクレアチンを加えると除脂肪量と筋力の増加が大きかった。 22件のRCT(計721名、平均年齢57〜70歳)を統合したメタ分析で、除脂肪量は平均差 +1.37kg(95%CI 0.97〜1.76、p<0.00001)、チェストプレス筋力は標準化平均差0.35(p=0.0002)、レッグプレス筋力は同0.24(p=0.01)だった(Chilibeck 2017)。若年者を対象にした同種のメタ分析を、本サイトはまだ収録していない。

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吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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