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研究 vs 勘

筋トレ開始後のタイムラインについて、収録した出典が言える範囲

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

筋トレを始めて2〜3週間で「急に力が出るようになった」「体が変わった気がする」という体験は多い。早期の変化について、収録した研究は何を示し、何を示していないのか。

Round1

トレーニング開始2〜4週での筋力向上は筋肉が増えたからか

言われていること

初心者フィットネス体験談・一般的な理解

筋トレを始めて2週間で力が出るようになった。筋肉がついて強くなった証拠だ。プロテインを飲んでいるから成果が早く出ている。

VS

研究が示すこと

  • 収録している Damas ら(2015)は、早期の筋力向上が神経系適応によるものかを扱っていない。神経系適応の時期も内訳も、筋横断面積が増え始める週数も報告していない。 同レビューが述べているのは次のことである。
  • 急性のレジスタンス運動後に筋タンパク質合成が増加する幅と持続時間は、その人の訓練状態によって変わる。 未訓練の状態における運動後の初期の筋タンパク質合成の反応は、その後の筋肥大とは相関しない。 運動誘発性の筋タンパク質合成の増加は、訓練した状態では持続が短くピークも早く、全体としての反応は小さくなる。 著者らは、これが筋タンパク質の蓄積を制限しうるとしつつ、いつそれが起きるかは分かっていないと述べている。
判定

収録している Damas ら(2015)が示すのは、未訓練の状態での運動直後の筋タンパク質合成の上昇がその後の筋肥大と相関しないこと、訓練するとこの反応が小さくなることまでである。早期の筋力向上の内訳も、筋肥大が現れる週数も、同レビューは報告していない。

信頼度:研究待ち
Round2

見た目の変化(体型・筋肉の形)はいつ現れるか

言われていること

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毎日一生懸命やれば1ヶ月で見た目が変わる。1ヶ月やって変化がなければトレーニングや食事が間違っている。

VS

研究が示すこと

  • 見た目の変化が現れる時期を調べた研究を、本記事は収録していない。収録している Damas ら(2015)は筋タンパク質合成の反応を扱ったレビューであり、周囲径も体型も扱っていない。
判定

見た目の変化が現れる時期を調べた研究を、本記事は収録していない。8〜12週という目安も、個人差の要因も示せない。

信頼度:研究待ち
訂正履歴訂正1回・撤回した原文8件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • 導入に書いていた「しかし早期の変化の正体は何か。本当の筋肥大(筋横断面積の増大)が起きるまでに何週間かかるのか——研究が示すタイムラインは直感とはずれている」という枠組み、第1ラウンドの「Damas ら(2015)のレビューでは、トレーニング開始後1〜4週間の筋力向上の主体は神経系適応(運動単位の動員効率向上・筋間協調の改善・抑制系神経の減退)であり、筋横断面積の増加は限定的」「この期間の筋タンパク質合成の増加は損傷修復に優先的に使われるため、構造的な筋肥大への寄与は少ない」「早期の『急に力が出た』感覚は主に神経系の慣れである」、および第2ラウンドの「構造的な筋肥大は4〜8週以降から顕著になるが、見た目の変化(周囲径・体型)は筋横断面積の変化より数週遅れて現れる」「一般的に周囲から気づかれるレベルの変化には8〜12週の継続が必要とされる」「ただし体脂肪率・初期筋肉量・遺伝的多様性により大きな個人差がある」「1ヶ月で『全く変化なし』も正常範囲内であり、継続のシグナルを『見た目』だけに求めるのは早期脱落につながるリスクがある」——をすべて撤回した。収録している Damas ら(2015)は筋タンパク質合成の反応を扱ったレビューで、神経系適応の時期も内訳も、筋肥大が現れる週数も、見た目の変化の時期も報告していない。あわせて関連研究から training-volume-hypertrophy と rep-range-hypertrophy-meta を外した。撤回した週数の記述に紐づいていたもので、本文はどちらも引いていない。タグからも「神経系適応」を外した。撤回によって本文がこの話題を扱わなくなり、収録している Damas ら(2015)も神経系適応を報告していないため。
    撤回した原文8件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. しかし早期の変化の正体は何か。本当の筋肥大(筋横断面積の増大)が起きるまでに何週間かかるのか——研究が示すタイムラインは直感とはずれている
    2. Damas et al.(2015)のレビューでは、トレーニング開始後1〜4週間の筋力向上の主体は神経系適応(運動単位の動員効率向上・筋間協調の改善・抑制系神経の減退)であり、筋横断面積の増加は限定的
    3. この期間の筋タンパク質合成の増加は損傷修復に優先的に使われるため、構造的な筋肥大への寄与は少ない
    4. 早期の「急に力が出た」感覚は主に神経系の慣れである
    5. 構造的な筋肥大は4〜8週以降から顕著になるが、見た目の変化(周囲径・体型)は筋横断面積の変化より数週遅れて現れる
    6. 一般的に周囲から気づかれるレベルの変化には8〜12週の継続が必要とされる
    7. ただし体脂肪率・初期筋肉量・遺伝的多様性により大きな個人差がある
    8. 1ヶ月で「全く変化なし」も正常範囲内であり、継続のシグナルを「見た目」だけに求めるのは早期脱落につながるリスクがある

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  • クレアチン

    高齢者では、レジスタンストレーニングにクレアチンを加えると除脂肪量と筋力の増加が大きかった。 22件のRCT(計721名、平均年齢57〜70歳)を統合したメタ分析で、除脂肪量は平均差 +1.37kg(95%CI 0.97〜1.76、p<0.00001)、チェストプレス筋力は標準化平均差0.35(p=0.0002)、レッグプレス筋力は同0.24(p=0.01)だった(Chilibeck 2017)。若年者を対象にした同種のメタ分析を、本サイトはまだ収録していない。

  • ホエイプロテイン

    レジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると、筋力・除脂肪量が増える。 健常成人の49件のRCT(計1,863名)のメタ分析で、6週間以上のトレーニングに補給を加えると1RM筋力が+2.49kg、除脂肪量が+0.30kg、筋線維横断面積が+310µm²増えた。総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日(95%CI 1.03〜2.20)と推定されている。ただし著者らはこの分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)を明記しており、確立した閾値ではない。(Morton 2018)

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公開日: 更新日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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