自然(ナチュラル)で筋肉はどこまでつくのか? FFMI上限と筋肥大の限界
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FFMIとは何か:筋肉量の客観的な指標
FFMI(Fat-Free Mass Index)は体重から体脂肪量を引いた「除脂肪体重(LBM)」を身長の二乗で割った値。BMIの筋肉量版に相当する。FFMIは体重だけでなく体脂肪率を考慮するため、「見た目の筋肉量」の客観的評価に向いている。一般的な計算式はFFMI = LBM(kg) ÷ 身長(m)² で、より正確には身長で補正した補正FFMI(Normalized FFMI)が使われる(+6.1 × (1.80 - 身長m) の補正項を加算)。
ナチュラルのFFMI上限:約25という目安
Kouri ら(1995)の研究では、ステロイド使用者と非使用者(ナチュラル)のFFMIを比較し、ナチュラルのFFMIが25を超えるケースはほぼなかったとして「FFMI 25がナチュラルの実用的上限」という目安が広まった。ただしこれは絶対的な基準ではなく、遺伝的に恵まれた人物が適切なトレーニングと栄養を数年以上維持すれば25〜26に達することもある。あくまでも「一般的な上限の目安」であり、FFMI 25以上=薬物使用という断言はできない。
- 25
- ナチュラルのFFMIの実用的上限目安
ナチュラルで筋肉をつける速度の現実
Leangains の Martin Berkhan や研究者の推定によれば、ナチュラルのトレーニング熟練者が1ヶ月に增やせる筋肉量は体重の0.5〜2.0kg/年が現実的な上限(初心者は1〜2年目が最も多い)。具体的には:初心者(0〜1年):月0.9〜1.8kg、中級者(1〜3年):月0.45〜0.9kg、上級者(3年以上):月0.2〜0.45kgというモデルが一般的。これを上回る速度での筋増加は、体脂肪増加を伴うバルクアップか、初心者効果が残っている場合以外は困難。
- 0.9〜1.8 kg/月
- 初心者(0〜1年目)の最大筋肉増加速度
遺伝の影響:筋肥大の個人差はなぜ大きいのか
同じトレーニングと栄養プログラムを実施しても筋肥大の度合いが大きく異なる「ハイレスポンダー」と「ローレスポンダー」が存在することは研究で確認されている。遺伝的な違いは①筋繊維タイプの比率(Type IIが多い人は筋肥大しやすい)、②ミオスタチン(筋肥大を制限するタンパク質)の産生量、③ホルモン感受性(アンドロゲン受容体の密度など)に現れる。これらは自力では変えられないが、「自分がローレスポンダーかどうか」は1〜2年しっかりトレーニングしてみるまでわからない。
「ナチュラルの限界」を超えることを目指す必要はない
ナチュラルの限界(FFMI 25)は「遺伝的エリート×10年以上の最適化されたトレーニングと栄養」によって達成される極端な上限値であり、大半の人にとっては健康的な体組成や競技目的の水準(FFMI 21〜23程度)で十分に大きな効果が得られる。「限界値に近づくこと」よりも「継続性・一貫性・楽しさを維持したトレーニング」の方が、長期的な健康・体力・見た目に対してはるかに大きな影響をもたらす。
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関連する研究
出典
- Kouri EM et al. (1995) Clin J Sport Med — Fat-Free Mass Index in Users and Nonusers of Anabolic-Androgenic Steroids
- Aaberg E (2007) Resistance Training Instruction — Natural Muscular Potential Estimates
- Hubal MJ et al. (2005) Med Sci Sports Exerc — Variability in Muscle Size and Strength Gain after Unilateral Resistance Training
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