非使用者の標本で観察されたFFMIの分布 ─ 収録した出典が言える範囲
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Kouri ら(1995)が用いた FFMI の定義
収録している Kouri ら(1995)は、FFMI を「除脂肪体重(kg)×(身長m)^-2」と定義し、1.8mの人の身長に正規化するために「6.3 ×(1.80m − 身長)」というわずかな補正を加えている。 FFMI を他の指標と比べた研究を、本記事は収録していない。
非使用者の標本で観察された上限:正規化FFMI 25.0
収録している Kouri ら(1995)は、男性アスリート157名(アナボリックステロイド使用者83名、非使用者74名)のFFMIを算出したものである。ステロイドを使ったことのないアスリートの正規化FFMIは、25.0という明確な上限まで広がっていた。ステロイド以前の時代(1939〜1959年)のミスター・アメリカ優勝者20名について正規化FFMIを推定したところ、平均は25.4だった。対照的に、標本内のステロイド使用者の多くは25.0を容易に超え、一部は30も超えていた。 著者らは、これらの所見は予備的なものとしたうえで、FFMI はステロイド乱用の可能性をふるい分ける初期的な指標として有用かもしれないと述べている。
- 25.0
- 非使用者74名の標本で観察された正規化FFMIの上限(Kouri 1995)
- 25.4
- ステロイド以前の時代のミスター・アメリカ優勝者20名の推定平均
筋肥大反応の個人差 ─ Hubal ら(2005)が観察した範囲
収録している Hubal ら(2005)は、8つの研究センターで585名(女性342名、男性243名)が12週間、非利き腕の肘屈筋に漸進的な動的レジスタンストレーニングを行った研究である。 筋断面積の変化は -2〜+59%(-0.4〜+13.6cm²。PubMed の平文抄録では上付き文字が落ちて「cm」と表示されるが、測定量は断面積である)、1RM の伸びは 0〜+250%(0〜+10.2kg)、最大随意収縮の変化は -32〜+149%(-15.9〜+52.6kg)と幅があった。男性は女性より筋断面積の増加が2.5%大きかった(P<0.01)一方、筋力の相対的な増加は女性のほうが大きかった(P<0.05)。 著者らは、男女ともレジスタンストレーニングへの反応に幅があり、ほとんど伸びない人もいれば、断面積が10cm²以上増え筋力が倍になる人もいると述べている。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文20件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 出典を照合した結果、以前この記事が公開していた次の記述を撤回した。収録している2件(Kouri ら 1995・Hubal ら 2005)は、個人の生物学的上限も、筋肉がつく速度も、遺伝の機序も、FFMI の水準ごとの助言も扱っていない。
①「自然に達成できる筋肉量には生物学的な上限があり、それを推定する指標として「FFMI(脂肪除去筋肉量指数)」が使われる」、②「ナチュラルの限界はどの程度で、それに影響する要因は何か。」——Kouri ら(1995)が報告しているのは、非使用者74名という標本で正規化FFMIが25.0という明確な上限まで分布していたという観察であって、個人の生物学的上限ではない。著者ら自身が所見を予備的なものとしている。
③「BMIの筋肉量版に相当する。」、④「FFMIは体重だけでなく体脂肪率を考慮するため、「見た目の筋肉量」の客観的評価に向いている」——他の指標と比べた研究を収録していない。⑤「一般的な計算式はFFMI = LBM(kg) ÷ 身長(m)² で、より正確には身長で補正した補正FFMI(Normalized FFMI)が使われる(+6.1 × (1.80 - 身長m) の補正項を加算)」——補正項の値が誤りで、Kouri ら(1995)の値は6.3である。
⑥「Kouri ら(1995)の研究では、ステロイド使用者と非使用者(ナチュラル)のFFMIを比較し、ナチュラルのFFMIが25を超えるケースはほぼなかったとして「FFMI 25がナチュラルの実用的上限」という目安が広まった」、⑦「ただしこれは絶対的な基準ではなく、遺伝的に恵まれた人物が適切なトレーニングと栄養を数年以上維持すれば25〜26に達することもある」——⑦は同論文に無い。ミスター・アメリカ優勝者20名の平均25.4は推定値であり、個人の到達可能性を示したものではない。
⑧「Leangains の Martin Berkhan や研究者の推定によれば、ナチュラルのトレーニング熟練者が1ヶ月に增やせる筋肉量は体重の0.5〜2.0kg/年が現実的な上限(初心者は1〜2年目が最も多い)」、⑨「具体的には:初心者(0〜1年):月0.9〜1.8kg、中級者(1〜3年):月0.45〜0.9kg、上級者(3年以上):月0.2〜0.45kgというモデルが一般的」、⑩「これを上回る速度での筋増加は、体脂肪増加を伴うバルクアップか、初心者効果が残っている場合以外は困難」——筋肉がつく速度を訓練歴で層別した研究を収録していない。
⑪「遺伝的な違いは①筋繊維タイプの比率(Type IIが多い人は筋肥大しやすい)、②ミオスタチン(筋肥大を制限するタンパク質)の産生量、③ホルモン感受性(アンドロゲン受容体の密度など)に現れる」、⑫「これらは自力では変えられないが、「自分がローレスポンダーかどうか」は1〜2年しっかりトレーニングしてみるまでわからない」——Hubal ら(2005)はこれらを測っておらず、判別に要する期間も調べていない。
⑬「ナチュラルの限界(FFMI 25)は「遺伝的エリート×10年以上の最適化されたトレーニングと栄養」によって達成される極端な上限値であり、大半の人にとっては健康的な体組成や競技目的の水準(FFMI 21〜23程度)で十分に大きな効果が得られる」、⑭「「限界値に近づくこと」よりも「継続性・一貫性・楽しさを維持したトレーニング」の方が、長期的な健康・体力・見た目に対してはるかに大きな影響をもたらす」——到達に要する年数も、FFMIの水準ごとの効果も、継続性と限界追求を比べた研究も収録していない。
タイトルと見出しにも撤回した命題が残っていた。⑮「自然(ナチュラル)で筋肉はどこまでつくのか? FFMI上限と筋肥大の限界」(旧タイトル)、⑯「FFMIとは何か:筋肉量の客観的な指標」(第1節)、⑰「ナチュラルのFFMI上限:約25という目安」(第2節)、⑱「ナチュラルで筋肉をつける速度の現実」(第3節)、⑲「遺伝の影響:筋肥大の個人差はなぜ大きいのか」(第4節)、⑳「「ナチュラルの限界」を超えることを目指す必要はない」(第5節)。
統計カード「25」/「ナチュラルのFFMIの実用的上限目安」も、「25.0」/「非使用者74名の標本で観察された正規化FFMIの上限(Kouri 1995)」に改められている。値とラベルが別フィールドに分かれていて日本語として連続した原文を取り出せないため `removed` には収められないので、ここに原文で記録する。
この結果、削除の直前に「筋肉がつく速度について ─ 検討した出典が無い」「「限界を目指す必要はない」という助言について ─ 検討した出典が無い」という見出しだった2節は、収録した出典から書けることが何も残らなかったため節ごと削除した。(⑱⑳はこの2節が公開当時に持っていた見出しである。)
撤回した原文20件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
自然に達成できる筋肉量には生物学的な上限があり、それを推定する指標として「FFMI(脂肪除去筋肉量指数)」が使われる。
ナチュラルの限界はどの程度で、それに影響する要因は何か。
BMIの筋肉量版に相当する。
FFMIは体重だけでなく体脂肪率を考慮するため、「見た目の筋肉量」の客観的評価に向いている。
一般的な計算式はFFMI = LBM(kg) ÷ 身長(m)² で、より正確には身長で補正した補正FFMI(Normalized FFMI)が使われる(+6.1 × (1.80 - 身長m) の補正項を加算)。
Kouri ら(1995)の研究では、ステロイド使用者と非使用者(ナチュラル)のFFMIを比較し、ナチュラルのFFMIが25を超えるケースはほぼなかったとして「FFMI 25がナチュラルの実用的上限」という目安が広まった。
ただしこれは絶対的な基準ではなく、遺伝的に恵まれた人物が適切なトレーニングと栄養を数年以上維持すれば25〜26に達することもある。
Leangains の Martin Berkhan や研究者の推定によれば、ナチュラルのトレーニング熟練者が1ヶ月に增やせる筋肉量は体重の0.5〜2.0kg/年が現実的な上限(初心者は1〜2年目が最も多い)。
具体的には:初心者(0〜1年):月0.9〜1.8kg、中級者(1〜3年):月0.45〜0.9kg、上級者(3年以上):月0.2〜0.45kgというモデルが一般的。
これを上回る速度での筋増加は、体脂肪増加を伴うバルクアップか、初心者効果が残っている場合以外は困難。
遺伝的な違いは①筋繊維タイプの比率(Type IIが多い人は筋肥大しやすい)、②ミオスタチン(筋肥大を制限するタンパク質)の産生量、③ホルモン感受性(アンドロゲン受容体の密度など)に現れる。
これらは自力では変えられないが、「自分がローレスポンダーかどうか」は1〜2年しっかりトレーニングしてみるまでわからない。
ナチュラルの限界(FFMI 25)は「遺伝的エリート×10年以上の最適化されたトレーニングと栄養」によって達成される極端な上限値であり、大半の人にとっては健康的な体組成や競技目的の水準(FFMI 21〜23程度)で十分に大きな効果が得られる。
「限界値に近づくこと」よりも「継続性・一貫性・楽しさを維持したトレーニング」の方が、長期的な健康・体力・見た目に対してはるかに大きな影響をもたらす。
自然(ナチュラル)で筋肉はどこまでつくのか? FFMI上限と筋肥大の限界
FFMIとは何か:筋肉量の客観的な指標
ナチュラルのFFMI上限:約25という目安
ナチュラルで筋肉をつける速度の現実
遺伝の影響:筋肥大の個人差はなぜ大きいのか
「ナチュラルの限界」を超えることを目指す必要はない
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- 解説
FFMIの計算手順 ─ 収録した出典が言える範囲
FFMI は、身長に対する除脂肪体重の大きさを表す指数である。 収録している Kouri ら(1995)の定義は「除脂肪体重(kg)×(身長m)^-2」であり、除脂肪体重には筋肉以外の組織も含まれる。FFMI が筋肉量の指標として妥当かを検証した研究を、本記事は収録していない。 さらに身長補正した「補正FFMI」も使われる。 収録している Kouri ら(1995)が報告しているのは、ステロイド非使用者74名という標本で正規化FFMIが25.0という明確な上限まで分布していたという観察であり、著者ら自身が所見を予備的なものとしている。個人の残りの伸びしろを推定した研究ではない。 測定方法ごとの誤差の大きさについても、数値で示せる出典を収録していない。
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