
コアが強いと全身の競技パフォーマンスが向上する
言われていること
フィットネス系一般メディア、スポーツトレーナー
体幹の安定性がすべての土台。コアが強ければスクワット・スプリント・ジャンプ・投球のすべてが向上する。
研究が示すこと
- Instability-force-production RCT(本データベース収録)を含む研究では、不安定面での体幹トレーニングは体幹筋の活性化には有効だが、通常の地面での力発揮(スクワット・スプリント等)の向上には直接的に貢献しないという結果がある(Behm & Colado 2012)。
- コア筋力そのものとスクワット1RMの相関は強くないという調査もある(Nesser et al. 2008)。
- コアは「最低限の安定性」が確保されれば追加の強化が競技パフォーマンスに直結するわけではない。
体幹の「最低限の安定性」は全身パフォーマンスの前提として必要。しかし「コアが強ければ強いほどパフォーマンスが上がる」という線形な関係は研究では支持されない。目的別のトレーニング(スクワットならスクワット)の方が競技パフォーマンスへの転移が大きい。
体幹トレーニングは腰痛・怪我を予防する
言われていること
整体師・理学療法士系コンテンツ、スポーツ傷害予防プログラム
プランクや体幹トレを続ければ腰痛や怪我のリスクが大幅に下がる。アスリートも一般人も体幹トレは必須。
研究が示すこと
- 体幹安定性と怪我リスクの関連を調べた研究も、体幹トレーニングと腰痛を扱った研究も、本記事は収録していない。
体幹トレーニングと腰痛・怪我予防の関係を調べた研究を、本記事は収録していない。効果があるともないとも言えない。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文3件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 怪我と腰痛について書いていた「体幹安定性スコアが低いアスリートは下肢怪我リスクが高い(Leetun ら 2004)」「体幹トレーニングの腰痛への効果は中程度で、運動全般との差は小さい(Wang ら 2012)」「深層筋(腹横筋・多裂筋)の選択的強化が腰痛に有効というエビデンスは以前ほど強固ではない」——をすべて撤回した。Leetun ら(2004)も Wang ら(2012)も本記事は収録しておらず、3点目も出典を示せない。
撤回した原文3件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Leetun ら(2004)のコホート研究や複数の観察研究では、体幹安定性スコアが低いアスリートは下肢怪我リスクが高い傾向が示されている
体幹トレーニングプログラムが腰痛を予防・改善するという結果は「中程度」で、運動全般(ウォーキングなど)との差が小さいという報告も多い(Wang et al. 2012のメタ分析)
深層筋(腹横筋・多裂筋)の選択的強化が腰痛に有効、というエビデンスも以前ほど強固ではない
関連する研究
出典
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次に読む
- 研究 vs 勘
「トレーニングベルトがないと怪我する」は本当か? 通説 vs 研究
「ベルトは命綱。ベルトなしでスクワットやデッドをやるのは危険だ」という声がある一方で、「ベルトに頼ると体幹が弱くなる」「なくても問題ない」という反論も根強い。トレーニングベルトの使用を巡る主な主張を、研究データと突き合わせて整理する。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「ケトジェニックは筋トレに向かない」は本当か? 筋力・瞬発力への影響を研究で検証
「ケトジェニックは筋トレに向かない」「低糖質だと瞬発力が出ない」という言説はジムでよく耳にする。スプリントや高強度インターバルをケトジェニック食と対照食で直接比べた試験を、本記事は収録していない。 収録している研究がどこまで答えているかを整理する。
吉崎 槙吾
- 解説
「フィジカルの化け物」はなぜ強いのか:体格・遺伝・才能を研究で分解する
研究から言えるのは集団レベルの傾向だけで、特定の誰かの強さを説明するものではない。そのうえで大きく2つに分けられる。①体格:体重・BMI、除脂肪量(脂肪を除いた筋肉・骨・水分の合計)、絶対的な筋力は互いに相関する。ただし「脂肪ではなく筋肉が効いている」という読み方は、除脂肪量を介した媒介も脂肪の独立した寄与も解析していない横断研究からは出せない。 ②遺伝的素因:ACTN3のR型アレルはパワー系のエリート選手にやや多い(オッズ比1.21)。ただしこれは集団レベルの関連であり、素因と環境がどの割合で効くのかを比べた研究は本記事に収録していない。
吉村 浩嗣