
先に行った種目の方が後に行った種目より筋肥大が大きいか
言われていること
ボディビル系プログラミング・トレーナー指導
先にやった種目の方が疲労がない分フォーム・重量ともに最大のパフォーマンスが出るため、それを優先したい筋肉に当てるべきだ。後の方に回すと効果が大きく落ちる。
研究が示すこと
- Simãoら(2012)のRCTでは、種目の順番を変えてベンチプレスとトライセップスカールの順を逆にしたところ、先に行った種目の方が後の種目より最大挙上重量・総ボリュームが高かった。
- ただし長期(数週間以上)での筋肥大差を測定した研究では、先に行った種目と後の種目の間で有意な筋肥大差を示したものは少ない。
- 1セッション内のパフォーマンスへの影響は明確だが、それが長期の筋肥大差に直結するかは別問題。
先の種目がセッション内パフォーマンスで有利なことは確か。ただし長期の筋肥大差への影響は小さいという報告が多い。弱点や優先部位を最初に持ってくることに一定の合理性はある。
プレ疲労法(アイソレーションを先にやる)は筋肥大を高めるか
言われていること
アーノルドシュワルツェネッガー系ボディビル理論
大胸筋を最大限鍛えるには、先にフライ(アイソレーション)で大胸筋を疲弊させてからベンチプレス(コンパウンド)をやると、三頭筋が大胸筋に先んじて疲れないから大胸筋に最大の刺激が入る。
研究が示すこと
- Nortonら(2011)のRCTでは、プレ疲労法(アイソレーション先行)は通常のコンパウンド先行と比較して筋肥大に有意差はなく、むしろコンパウンド種目での総ボリューム(重量×レップ数)が低下することが示された。
- 先にアイソレーション種目で疲弊させると、後のコンパウンド種目でより軽い重量しか扱えなくなり、総ボリュームが下がるデメリットがある。
- 特定の筋群への神経学的な「当て感」の改善効果が主眼であれば一定の意味があるが、総ボリューム観点からはデメリットが大きい。
プレ疲労法は特定筋への意識向上に使えるが、後続コンパウンドのボリュームを低下させるため、筋肥大の観点では通常の順序(コンパウンド先行)が推奨される。
同一セッション内での部位の順番(例:胸→三頭 vs 三頭→胸)は重要か
言われていること
基本的なウェイトトレーニングガイドライン
胸のトレーニングで三頭筋を先に使い切ると後半のベンチプレスが弱くなる。だから補助筋(三頭筋・三角筋前部)のアイソレーションはチェストプレスの後に行うべきだ。
研究が示すこと
- 拮抗筋ではなく協働筋(シナジスト)の疲弊が主働筋のパフォーマンスを制限することは理論的に合理的。
- ただし「胸→三頭」と「三頭→胸」を比較した長期RCTでの筋肥大差のデータはまだ限定的。
- 一方、拮抗筋ペア(胸と背中、二頭筋と三頭筋)を交互に行うスーパーセットは、両方の筋肉へのボリュームを維持しながら休息時間を短縮できることがメタ分析(superset-antagonist-rct)で示されている。
協働筋を先に疲弊させることは主働筋のパフォーマンスを制限しうるため、主働筋の先行は合理的。長期の筋肥大差への影響は限定的だが、ボリュームを最大化する観点から標準的なプログラミング順序に従うことが無難。
関連する研究
出典
- Simão R et al. (2012) J Strength Cond Res — Influence of exercise order on the number of repetitions performed and perceived exertion
- Gentil P et al. (2007) J Strength Cond Res — Effects of exercise order on upper-body muscle activation and exercise performance
- Spreuwenberg LP et al. (2006) J Strength Cond Res — Influence of exercise order in a resistance-training exercise session
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