
各部位を週2回以上鍛える分割法は週1回より筋肥大が大きいか
言われていること
ブロスプリット支持者・伝統的ボディビル文化
部位別分割(ブロスプリット)で各部位を週1回鍛えても十分だ。1回のトレーニングで十分な刺激を与えれば筋肥大は起きる。
研究が示すこと
- 収録している Schoenfeld ら(2016)は、週あたりのレジスタンストレーニング頻度が筋肥大に与える影響を扱った10件の系統的レビュー・メタ分析である。 頻度を二値の予測変数として解析すると、頻度は筋肥大の効果量に有意な影響を与えており(P=0.002)、高頻度のほうが低頻度より効果量が大きかった(0.49±0.08 対 0.30±0.07)。 筋群あたり週1〜3日を、ボリュームを揃えて比べた研究に限ると、週2回のほうが週1回より優れた筋肥大をもたらすというのが現時点の証拠であり、著者らは主要な筋群を週2回以上鍛えるべきだと述べている。週3回が週2回より優れるかは未決着だとしている。
収録している Schoenfeld ら(2016)は、ボリュームを揃えた比較で週2回が週1回より優れた筋肥大をもたらすとし、主要な筋群を週2回以上鍛えるべきだと述べている(高頻度 0.49±0.08 対 低頻度 0.30±0.07、P=0.002)。週3回が週2回より優れるかは未決着だとしている。
全身法は分割法より筋肥大に有利か
言われていること
科学系フィットネスYouTuber(Jeff Nippard系)
全身法の方が各部位を毎回鍛えるから刺激の頻度が高く筋肥大しやすい。分割法はボリュームを確保できるが頻度が落ちる。
研究が示すこと
- 収録している Colquhoun ら(2018)は、レジスタンストレーニング経験のある若年男性28名を週3回(16名)と週6回(12名)に無作為に割りつけた6週間のRCTである。 スクワット・ベンチプレス・デッドリフトの1RM、パワーリフティングトータル、Wilks係数、除脂肪量のいずれにも時間の主効果があり(スクワット +16.8kg 対 +16.7kg、ベンチ +7.8kg 対 +8.8kg、デッド +19kg 対 +21kg、除脂肪量 +1.7kg 対 +2.6kg)、群×時間の交互作用も群の主効果も無かった。 著者らは、ボリュームと強度を揃えれば頻度を増やしても筋力の上乗せは無いようだと結論している。
全身法と分割法を直接比べた研究を、本記事は収録していない。どちらが筋肥大に有利かは示せない。 収録している Colquhoun ら(2018)が示すのは、ボリュームと強度を揃えれば週3回と週6回で筋力・除脂肪量の伸びが同等だったことまでである(28名・6週間)。
PPL(プッシュ・プル・レッグ)は他の分割法より優れるか
言われていること
オンラインフィットネスコミュニティ・Reddit r/Fitness
PPLは動作パターンで部位を分けるため、拮抗筋の干渉を避けつつ高ボリュームをこなせる。週6日PPLが最強の分割法だ。
研究が示すこと
- PPL を他の分割法と比べた研究を、本記事は収録していない。 分割の型ごとに比べた研究も、訓練段階で層別した研究も、回復能力を測った研究も収録していない。 収録している Schoenfeld ら(2016)が述べているのは、主要な筋群を週2回以上鍛えるべきだということまでで、その頻度をどの分割で満たすかは扱っていない。
分割の型どうしを比べた研究を、本記事は収録していない。PPLが優れるとも劣るとも示せない。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文16件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 出典を照合した結果、以前この記事が公開していた次の記述を撤回した。分割の型どうしを比べた研究を、本記事は1件も収録していない。
①「Schoenfeldら(2016)のメタ分析では、週2回以上の筋トレ頻度は週1回と比べて筋肥大が有意に大きかった(効果量 d=0.73)」——効果量が誤り。実際の値は高頻度 0.49±0.08 対 低頻度 0.30±0.07(P=0.002)である。②「この結果の解釈として重要なのは「週の総ボリュームを等量にした場合、頻度の差が小さくなる」という点」、③「ただし週1回でも十分な総ボリュームを稼げるなら差は縮小する」、④「週2回以上の頻度は週1回より筋肥大に有利な傾向。ただし週のボリュームが担保されれば差は縮小する」、⑤「頻度よりも「週の総ボリューム確保」の方が重要。」——同メタ分析の結論と逆である。 著者らは、ボリュームを揃えて比べた研究に限ると週2回のほうが週1回より優れた筋肥大をもたらすとし、主要な筋群を週2回以上鍛えるべきだと述べている。⑥「週ボリュームが固定の場合、週2回に分けて行う方が刺激の頻度が上がり、筋タンパク質合成(MPS)が週2回誘起される点で有利」——筋タンパク質合成を測った研究を収録していない。
⑦「総ボリュームを等量にした比較研究では、全身法と分割法の筋肥大差は小さく、統計的に有意差がないケースが多い(Colquhoun et al. 2018)」——同RCTが比べたのは週3回と週6回という頻度であって、全身法と分割法ではない。⑧「「頻度か量か」の議論は週総ボリュームを揃えれば意味が薄れる」、⑨「全身法の利点は各部位の頻度が高いこと、分割法の利点は一部位あたりの集中ボリュームを稼ぎやすいこと」、⑩「どちらが最適かは週のトレーニング日数・回復能力・好みで決まる」——全身法と分割法を比べた研究を収録していない。
⑪「PPLを他の分割法(全身法・上下分割など)と直接比較したRCTは少なく、「PPLが最優れる」を支持する強いエビデンスはない」、⑫「PPLを週6日実施することで各筋群を週2回刺激できるが、それは上下分割(週4日)や全身法(週3日)でも週2回刺激を確保できる」、⑬「週6日の高頻度は回復能力が高い中〜上級者には有効だが、初〜中級者や回復が追いつかない場合は週3〜4日の分割法が同等かそれ以上の筋肥大をもたらす可能性がある」、⑭「PPLは効果的な分割法の一つだが、「最強」ではない。」、⑮「週のボリュームと頻度が確保できれば、どの分割法でも同等の筋肥大が得られる」、⑯「自分のライフスタイルと回復能力に合ったものが最善。」——分割の型ごとに比べた研究も、訓練段階で層別した研究も、回復能力を測った研究も収録していない。⑪の「RCTは少なく」という書き方も、収録していない研究の多寡を述べたものだった。
撤回した原文16件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Schoenfeldら(2016)のメタ分析では、週2回以上の筋トレ頻度は週1回と比べて筋肥大が有意に大きかった(効果量 d=0.73)。
この結果の解釈として重要なのは「週の総ボリュームを等量にした場合、頻度の差が小さくなる」という点。
ただし週1回でも十分な総ボリュームを稼げるなら差は縮小する。
週2回以上の頻度は週1回より筋肥大に有利な傾向。ただし週のボリュームが担保されれば差は縮小する。
頻度よりも「週の総ボリューム確保」の方が重要。
週ボリュームが固定の場合、週2回に分けて行う方が刺激の頻度が上がり、筋タンパク質合成(MPS)が週2回誘起される点で有利。
総ボリュームを等量にした比較研究では、全身法と分割法の筋肥大差は小さく、統計的に有意差がないケースが多い(Colquhoun et al. 2018)。
「頻度か量か」の議論は週総ボリュームを揃えれば意味が薄れる。
全身法の利点は各部位の頻度が高いこと、分割法の利点は一部位あたりの集中ボリュームを稼ぎやすいこと。
どちらが最適かは週のトレーニング日数・回復能力・好みで決まる。
PPLを他の分割法(全身法・上下分割など)と直接比較したRCTは少なく、「PPLが最優れる」を支持する強いエビデンスはない。
PPLを週6日実施することで各筋群を週2回刺激できるが、それは上下分割(週4日)や全身法(週3日)でも週2回刺激を確保できる。
週6日の高頻度は回復能力が高い中〜上級者には有効だが、初〜中級者や回復が追いつかない場合は週3〜4日の分割法が同等かそれ以上の筋肥大をもたらす可能性がある。
PPLは効果的な分割法の一つだが、「最強」ではない。
週のボリュームと頻度が確保できれば、どの分割法でも同等の筋肥大が得られる。
自分のライフスタイルと回復能力に合ったものが最善。
関連する研究
出典
- Schoenfeld BJ et al. (2016) Sports Medicine — Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis
- Colquhoun RJ et al. (2018) J Strength Cond Res — Training Volume, Not Frequency, Indicative of Maximal Strength Adaptations to Resistance Training
- Ralston GW et al. (2017) Sports Med — The Effect of Weekly Set Volume on Strength Gain: A Meta-Analysis
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