
スロートレーニング(意図的に動作を遅くする)は通常テンポより筋肥大が多いか
言われていること
ボディビル系コーチング・BPT系YouTube
スロートレーニングは筋肉が力を発揮する時間(TUT)が長くなるから、筋肥大の刺激も大きくなる。テンポを落として「効かせる」ことが筋肥大を最大化する方法だ。
研究が示すこと
- 収録している Schoenfeld、Ogborn、Krieger(2015)の反復動作時間のメタ分析は、6週間以上・フェイラーまで追い込む・生検/画像/密度測定で形態変化を測った8試験を対象とし、反復1回あたり0.5秒から8秒までの範囲では筋肥大の結果は同等だったと報告している。
- 著者らは、意図的に非常に遅い動作(1反復10秒超)は筋肥大の観点では劣ると示唆しつつ、「この主題を扱った対照研究が乏しいため確定的な結論は出しにくい」とも述べている。
収録したメタ分析では、反復1回あたり0.5〜8秒の範囲で筋肥大の結果は同等だった。10秒を超える動作は劣ると示唆されるが、著者らは対照研究が乏しいと述べている。
エキセントリック(下ろす動作)はゆっくりやるべきか
言われていること
ストレングス&コンディショニング系テキスト
エキセントリックをゆっくりやると筋肉への負荷が大きくなり、筋肥大・筋力向上が促進される。特に下ろす動作を2〜4秒かけることが重要だ。
研究が示すこと
- 収録している Schoenfeld、Ogborn、Krieger(2015)が示しているのは、反復1回あたり0.5〜8秒の範囲で筋肥大の結果が同等だったことまでである。
エキセントリックの秒数を比べた研究を、本記事は収録していない。適切な秒数も、怪我のリスクも示せない。
コンセントリック(持ち上げる動作)はできるだけ速くすべきか
言われていること
パワートレーニング・爆発的トレーニング支持コミュニティ
コンセントリックは爆発的に速くやることで速筋繊維が動員され、筋肥大と筋力が最大化される。速い動作=より多くの筋繊維動員。
研究が示すこと
- 収録している Pareja-Blanco ら(2017)が比べたのは、意図でも実速度でもなくセット内で反復速度がどれだけ落ちるまで続けるかである。
- 速度低下20%(VL20)の群は、速度低下40%(VL40)の群より反復回数が40%少なかったにもかかわらず、スクワットの筋力向上は同等で、カウンタームーブメントジャンプの改善は大きかった(9.5%対3.5%、P<0.05)。 一方で外側広筋・中間広筋の筋肥大は VL40 のほうが大きく、ミオシン重鎖IIXの割合は VL40 で低下し VL20 では保たれた。
動作の意図や実速度を比べた研究を、本記事は収録していない。収録している Pareja-Blanco ら(2017)が比べたのはセット内の速度低下率で、速度低下20%は40%より反復が40%少なくてもスクワット筋力は同等・ジャンプの改善は大きく、一方で大腿の筋肥大は40%のほうが大きかった。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文15件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 出典を照合した結果、以前この記事が公開していた次の記述を撤回した。
①「Schoenfeldら(2019)のレビューでは、通常の動作速度(1〜3秒のコンセントリック・エキセントリック)と意図的なスロー動作(5〜10秒以上)を比較すると、筋肥大の差は小さく一貫しないと結論」——年が誤りで、収録しているのは Schoenfeld、Ogborn、Krieger(2015)の反復動作時間のメタ分析である。同メタ分析が報告しているのは反復1回あたり0.5〜8秒の範囲では筋肥大の結果が同等だったことで、「1〜3秒 対 5〜10秒以上」という区分ではない。②「非常に遅い速度(10秒/コンセントリック以上)では、逆に同じ時間内の総ボリュームが低下し筋肥大効率が落ちる可能性がある」、③「極端に遅い動作はボリューム低下につながりうる」——同メタ分析は総ボリュームを測っていない。④「適度なテンポ(コンセントリック1〜3秒、エキセントリック2〜4秒)は有効だが、「遅ければ遅いほど良い」はエビデンスで支持されない」、⑤「適度なテンポで追い込みとボリュームを確保する方が重要」——この秒数の組み合わせを検討した出典を収録していない。
⑥「エキセントリックをコントロールすること(急激に落とさない)はボリューム確保と怪我防止の観点から重要だが、極端に遅くする必要はない」、⑦「Brigatto ら(2019)らのRCTでは2秒エキセントリックと4秒エキセントリックの間で筋肥大に有意差はなかった」、⑧「ただし、エキセントリックを完全に無視(瞬間的に落とす)すると筋肥大刺激は低下する」、⑨「2〜3秒のコントロールで十分で、それ以上遅くしても追加の利益は少ない」、⑩「エキセントリックは2〜3秒程度のコントロールが有効。それ以上遅くしても追加の筋肥大は少ない。「落とす」ことで刺激を捨てることを避ければ十分」——⑦は別の主題の論文への帰属だった。Brigatto ら(2019)は訓練経験のある男性20名を対象に、セット数を揃えたうえで各筋群を週1回(16セット)鍛える群と週2回(8セット×2)鍛える群を8週間比べた頻度のRCTで、動作速度もエキセントリックの秒数も扱っていない。エキセントリックの秒数を比べた研究も、怪我のリスクを調べた研究も収録していない。
⑪「「意図的に速く動こうとする」コンセントリックは、高レップ低負荷のトレーニングでType IIファイバーの動員を促進する可能性がある」、⑫「ただし高負荷(80%1RM以上)では重量の慣性により実際の動作速度は遅くなっても筋肥大への影響は変わらない」、⑬「重要なのは「速く動こうとする意図」であり実際の動作速度ではない」、⑭「また爆発的動作はフォームの崩れや怪我リスクも上がるため、特にアイソレーション種目では無理な爆発的動作は推奨されない」、⑮「コンセントリックの「速く動こうとする意図」は有益かもしれないが、実際の動作速度は負荷によって変わる。フォーム維持を最優先にしつつ意図的に動かすことが重要」——動作の意図を比べた研究も、線維タイプの動員を測った研究も、怪我のリスクを調べた研究も収録していない。収録している Pareja-Blanco ら(2017)が比べたのは意図でも実速度でもなく、セット内で反復速度がどれだけ落ちるまで続けるかである。
撤回した原文15件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Schoenfeldら(2019)のレビューでは、通常の動作速度(1〜3秒のコンセントリック・エキセントリック)と意図的なスロー動作(5〜10秒以上)を比較すると、筋肥大の差は小さく一貫しないと結論。
非常に遅い速度(10秒/コンセントリック以上)では、逆に同じ時間内の総ボリュームが低下し筋肥大効率が落ちる可能性がある。
極端に遅い動作はボリューム低下につながりうる。
適度なテンポ(コンセントリック1〜3秒、エキセントリック2〜4秒)は有効だが、「遅ければ遅いほど良い」はエビデンスで支持されない。
適度なテンポで追い込みとボリュームを確保する方が重要。
エキセントリックをコントロールすること(急激に落とさない)はボリューム確保と怪我防止の観点から重要だが、極端に遅くする必要はない。
Brigatto ら(2019)らのRCTでは2秒エキセントリックと4秒エキセントリックの間で筋肥大に有意差はなかった。
ただし、エキセントリックを完全に無視(瞬間的に落とす)すると筋肥大刺激は低下する。
2〜3秒のコントロールで十分で、それ以上遅くしても追加の利益は少ない。
エキセントリックは2〜3秒程度のコントロールが有効。それ以上遅くしても追加の筋肥大は少ない。「落とす」ことで刺激を捨てることを避ければ十分。
「意図的に速く動こうとする」コンセントリックは、高レップ低負荷のトレーニングでType IIファイバーの動員を促進する可能性がある。
ただし高負荷(80%1RM以上)では重量の慣性により実際の動作速度は遅くなっても筋肥大への影響は変わらない。
重要なのは「速く動こうとする意図」であり実際の動作速度ではない。
また爆発的動作はフォームの崩れや怪我リスクも上がるため、特にアイソレーション種目では無理な爆発的動作は推奨されない。
コンセントリックの「速く動こうとする意図」は有益かもしれないが、実際の動作速度は負荷によって変わる。フォーム維持を最優先にしつつ意図的に動かすことが重要。
関連する研究
出典
- Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW (2015) Sports Medicine — Effect of Repetition Duration During Resistance Training on Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis
- Brigatto FA et al. (2019) J Strength Cond Res — Effect of Resistance Training Frequency on Neuromuscular Performance and Muscle Morphology
- Pareja-Blanco F et al. (2017) Scand J Med Sci Sports — Effects of velocity loss during resistance training on athletic performance, strength gains and muscle adaptations
公開日: / 更新日:


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