
緑茶カテキン(EGCG)は代謝を上げ脂肪燃焼を促進するか
言われていること
緑茶サプリブランド・東洋食文化を語るメディア
緑茶を飲むだけで代謝が上がり、脂肪が燃える。日本人が欧米人より痩せているのは緑茶のおかげ。
研究が示すこと
- 収録している Hursel ら(2009)が報告しているのは体重についてである。 49報から組み入れた11報を統合し、カテキンが体重を有意に減らし、減量後の体重維持にも有意に寄与した(−1.31kg、P<0.001)。 習慣的なカフェイン摂取が多い場合(1日300mg超)にこの効果が阻害されるかどうかは有意に達しておらず(P=0.09)、人種差も有意ではない(P=0.37)。
- 有意だったのは人種とカフェイン摂取の交互作用である(P=0.04)。 著者らの結論は「カテキンまたはEGCG-カフェイン混合物が、減量と体重維持に小さな正の効果を持つ」である。
示されているのは、カテキンが体重を平均1.31kg減らし、減量後の維持にも寄与した(P<0.001)ということまでである。著者らはこれを「小さな正の効果(small positive effect)」と表現している。
緑茶の脂肪燃焼効果はカフェインによるものか、カテキン固有の効果か
言われていること
緑茶効果懐疑派・栄養科学ライター
緑茶はカフェインがあるから代謝が上がるだけ。EGCGとかカテキン単体に効果はない。コーヒーと同じ。
研究が示すこと
- Hursel ら(2009)のメタ分析(11報)が報告しているのは、カテキンが体重を有意に減らし、減量後の体重維持にも寄与したこと(−1.31kg、P<0.001)である。 習慣的なカフェイン摂取が多い場合(1日300mg超)にこの効果が阻害されるかどうかは、有意に達していない(多い群 −0.27kg、少ない群 −1.60kg、P=0.09)。
- 人種差も有意ではない(白人 −0.82kg、アジア人 −1.51kg、P=0.37)。
- 有意だったのは人種とカフェイン摂取の交互作用である(P=0.04)。 著者らの結論は「カテキンまたはEGCG-カフェイン混合物が、減量と体重維持に小さな正の効果を持つ」であって、両者を組み合わせたほうが優れているという比較ではない。
言えるのは、カテキンが体重を平均1.31kg減らしたこと(Hursel 2009)と、緑茶エキスのカプセルで運動中の脂肪酸化率が17%高かったこと(Venables 2008、健常男性12名)までである。
訂正履歴訂正1回・撤回した原文11件
公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。
- 出典を照合した結果、以前この記事が公開していた次の記述を撤回した。収録している2件(Hursel ら 2009・Venables ら 2008)は、相乗効果を検証しておらず、緑茶とコーヒーを比べてもいない。
①「Hursel et al.(2009)のメタ分析では緑茶カテキン(主にEGCG)が24時間の安静時代謝を3〜4%上昇させ、脂肪酸酸化を増加させることが示されている」、②「効果のメカニズムはカテキンによるノルアドレナリン分解酵素(COMT)の阻害を通じた交感神経活性化」、③「ただし絶対的な効果量は控えめで、1日あたりの追加カロリー消費は60〜80kcal程度」、④「「飲むだけで痩せる」ほどの効果ではないが、他の介入と組み合わせると補助効果が期待できる」、⑤「緑茶カテキンの脂肪燃焼促進効果は研究で支持されているが、効果量は小さい(追加60〜80kcal/日)」、⑥「単独で体脂肪を大幅に減らす力はなく、他の介入の補助として機能する」——同メタ分析の抄録が報告しているのは体重についてで(−1.31kg、P<0.001)、安静時代謝も脂肪酸酸化もCOMTも60〜80kcalという数値も無い。補助として使うべきだという助言も無い。
⑦「研究ではカフェインとカテキンの相乗効果が示されており、カテキン単体にも独立した効果がある可能性が報告されている」、⑧「ただしカフェインとカテキンの組み合わせで効果が最も大きくなるという「相乗効果」も確認されており、緑茶の脂肪燃焼効果はカフェイン単独・カテキン単独より高い可能性がある」、⑨「カテキン単体にも独立した脂肪燃焼促進効果がある可能性があり、カフェインとの相乗効果で緑茶全体の効果はコーヒー(カフェインのみ)より高い可能性がある」——著者らの結論は「カテキンまたはEGCG-カフェイン混合物が、減量と体重維持に小さな正の効果を持つ」であって、両者を組み合わせたほうが優れているという比較ではない。
⑩「Venables et al.(2008)はカフェインを除いた緑茶エキス(デカフェEGCG)でも脂肪酸酸化率が有意に増加することを示した」——同抄録にカフェインを除いたという記載は無い。
⑪「カフェイン耐性のある人でもカテキンの効果が一部残る可能性がある」——Hursel の該当する解析(習慣的カフェイン摂取が1日300mg超かどうか)は有意に達していない(P=0.09)。
撤回した原文11件
公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。
Hursel et al.(2009)のメタ分析では緑茶カテキン(主にEGCG)が24時間の安静時代謝を3〜4%上昇させ、脂肪酸酸化を増加させることが示されている。
効果のメカニズムはカテキンによるノルアドレナリン分解酵素(COMT)の阻害を通じた交感神経活性化。
ただし絶対的な効果量は控えめで、1日あたりの追加カロリー消費は60〜80kcal程度。
「飲むだけで痩せる」ほどの効果ではないが、他の介入と組み合わせると補助効果が期待できる。
緑茶カテキンの脂肪燃焼促進効果は研究で支持されているが、効果量は小さい(追加60〜80kcal/日)。
単独で体脂肪を大幅に減らす力はなく、他の介入の補助として機能する。
研究ではカフェインとカテキンの相乗効果が示されており、カテキン単体にも独立した効果がある可能性が報告されている。
ただしカフェインとカテキンの組み合わせで効果が最も大きくなるという「相乗効果」も確認されており、緑茶の脂肪燃焼効果はカフェイン単独・カテキン単独より高い可能性がある。
カテキン単体にも独立した脂肪燃焼促進効果がある可能性があり、カフェインとの相乗効果で緑茶全体の効果はコーヒー(カフェインのみ)より高い可能性がある。
Venables et al.(2008)はカフェインを除いた緑茶エキス(デカフェEGCG)でも脂肪酸酸化率が有意に増加することを示した。
カフェイン耐性のある人でもカテキンの効果が一部残る可能性がある。
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緑茶エキス(EGCG)日本以外で行われた6件を統合した解析では、体重の平均差は −0.04kg だった。 BMIの平均差は −0.2 kg/m²(95%CI −0.5〜0.1、P=0.21、222名)、ウエスト周囲径は −0.2cm(95%CI −1.4〜0.9、P=0.70、404名)で、いずれも有意でない(Jurgens 2012)。
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出典
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- 解説
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ケト適応にどれだけかかるのかを示せる出典を、本記事は持っていない。 収録している2件は期間を測る設計ではない。Volek ら(2016)は低糖質食を平均20か月続けているエリート選手10名と高糖質食10名を比べた断面研究で、ピーク脂質酸化率が2.3倍高い一方、筋グリコーゲンの利用と再充填には有意差が無かった。Burke ら(2017)はエリート競歩選手29名の3週間の介入試験で、低糖質高脂肪群は脂質酸化率が上がったのに運動エコノミーが悪化し、10kmのタイムが改善しなかった(高糖質群は6.6%改善)。空腹時運動のメタ分析(Vieira 2016)が示しているのは運動中の脂質酸化であって、ケト適応ではない。
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