フルクトース・グルコース混合炭水化物と持久系パフォーマンス(批判的レビュー)
Rowlands DS, Houltham S, Musa-Veloso K, Brown F, Paulionis L, Bailey D
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
フルクトース:グルコース(またはマルトデキストリン)混合の摂取が単一糖質と比較して、外因性糖質酸化率・消化器の快適性・持久系パフォーマンスに与える影響を検討した批判的レビュー。等カロリー条件でグルコース単独と比較すると、0.5〜1.0:1比率のフルクトース:グルコース飲料(1.3〜2.4g/分)は平均パワー出力を1〜9%高めた。単一糖質の酸化率は約60g/時が上限だが、混合摂取では腸管の異なる輸送体を使うことで最大約90〜105g/時まで酸化率を高められるとされる。
この研究で分かること
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0.5〜1.0:1比率のフルクトース:グルコース飲料(1.3〜2.4g/分)は、等カロリーのグルコース単独と比べて平均パワーを1〜9%向上
- 2
単一糖質(グルコースのみ)の外因性糖質酸化率は約60g/時が上限
- 3
フルクトース+グルコースの混合摂取では、腸管の異なる輸送体(グルコース用/フルクトース用)を使うことで酸化率が約90〜105g/時まで向上しうる
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効果は主に長時間(2時間超)の持久系運動を対象とした研究に基づく
関連する研究
グルコース+フルクトース併用飲料は持久系タイムトライアルのパフォーマンスを向上させる(RCT)
Medicine & Science in Sports & Exercise, 2008
訓練された自転車選手を対象に、120分間の中強度サイクリング(55% Wmax)に続くタイムトライアルで、グルコース+フルクトース飲料・グルコース単独飲料・水(プラセボ)の3条件を比較したクロスオーバーRCT。同じ糖質摂取速度(1.8g/分)でも、グルコース+フルクトース条件はグルコース単独条件よりタイムトライアルの所要時間が約8%短縮した。
炭水化物ピリオダイゼーション(戦略的グリコーゲン操作)がトレーニング適応と体組成に与える効果(系統的レビュー)
Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, 2011
炭水化物の摂取タイミング・量を意図的に変化させる「炭水化物ピリオダイゼーション(Train-Low, Compete-High等)」がトレーニング適応・体組成・パフォーマンスに与える影響を体系的に検討。グリコーゲン低下状態でのトレーニングが脂質代謝の酵素活性を高めるが、高強度パフォーマンスには一時的な低下リスクがある。
この研究を扱った記事
- 解説
スポーツドリンクの果糖ブドウ糖液糖は運動中に役立つのか?
ブドウ糖と果糖は腸管で別々の輸送体を使って吸収されるため、両方を混ぜて摂ると単一の糖質だけを摂るより多くの糖質を素早く利用できる。単一糖質の利用速度(酸化率)は1時間あたり約60gが上限だが、混合摂取では約90〜105gまで高められる。ただしこの知見の多くは2時間を超える長時間の持久系運動を対象とした研究に基づいており、数十分程度の筋力トレーニングにそのまま当てはまるとは限らない。
吉崎 槙吾
- 研究 vs 勘
「スポーツドリンクの果糖ブドウ糖液糖は運動パフォーマンスを上げる」は本当か? 通説 vs 研究
スポーツドリンクのパッケージには「運動パフォーマンス向上」を思わせる訴求がよく並ぶ。果糖ブドウ糖液糖(ブドウ糖+果糖の混合糖質)に本当にパフォーマンスを上げる効果があるのか、どんな運動・条件でその効果が確認されているのかを、研究の適用範囲まで含めて検証する。
吉崎 槙吾
最終確認: