本文へスキップ
BODYDATA
JPEN
読みもの解説

女性が「なかなか痩せない」のには理由がある——ダイエットの性差を研究から理解する

公開日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

女性は男性より脂肪が落ちにくいのはなぜ?女性に合ったダイエットアプローチは?

女性のホルモン環境(エストロゲン・プロゲステロン)・脂肪組織の分布特性・有酸素運動時の燃料利用パターンが男性と異なり、同じカロリー制限でも体重減少のスピード・体組成の変化が異なることが研究で示されている。ただし「女性は痩せにくい」ではなく「男性と異なるアプローチが最適」と理解する方が正確。

1

ホルモン環境の違い:エストロゲンは脂肪の「守り役」

エストロゲンは皮下脂肪(特に臀部・大腿部)の蓄積を促進するホルモンで、女性が男性より皮下脂肪を多く持つ主な理由の一つ。この皮下脂肪は内臓脂肪より健康リスクが低いが、エストロゲンが「脂肪を守る」方向に働くため動員(脂肪燃焼)しにくい特性がある。また月経周期によってエストロゲン・プロゲステロン比が変動し、排卵後(黄体期)に体温上昇・食欲増加・水分貯留が起きるため体重の変動が大きくなる。

20〜30%(男性は10〜20%)
女性の体脂肪率(正常範囲)
2

有酸素運動時の燃料利用:女性は脂肪を燃やしやすいが……

興味深いことに、同強度の有酸素運動では女性は男性より脂質(脂肪酸)を多く燃料として使い、炭水化物(糖質)の利用率が低い。これはエストロゲンが脂肪酸動員を促進するためとされる。しかし「運動中に脂肪をよく燃やす」ことが「体脂肪の減少が速い」を意味するわけではない。体脂肪の増減は24時間のエネルギー収支で決まり、女性は全体的に安静時の代謝量が男性より低く(除脂肪量の差に起因)、同じカロリー制限でも赤字幅が小さくなりがち。

女性が男性より高い(エストロゲン効果)
同強度運動での脂肪酸酸化割合
3

女性に合ったダイエット戦略

女性の減量研究(women resistance training meta)でも、タンパク質摂取量の確保・筋トレの継続が体組成改善に有効であることは男性と同様に示されている。女性固有の注意点として①月経周期による体重変動を1週間以上のスパンで評価する(短期変動で一喜一憂しない)②排卵後の黄体期(生理前1〜2週間)は食欲が増しやすいため対策を立てる③断食(インターミッテントファスティング)の強度が高すぎると月経不順(相対的エネルギー不足:REDs)を引き起こすリスクがある点が研究で指摘されている。

体重1kgあたり1.6〜2.2g
推奨タンパク質摂取量(女性含む)

公開日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

プロフィールを見る
染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

Read Next

次に読む