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研究 vs 勘

「低強度有酸素が一番脂肪を燃やす」は本当か? 脂肪燃焼ゾーン神話 通説 vs 研究

公開日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

ジムのカーディオマシンに表示される「脂肪燃焼ゾーン(最大心拍数の60〜70%)」。これが「一番脂肪が燃えるゾーン」として知られているが、実際に体脂肪を最も効率よく落とすかどうかは別の話だ。

Round1

運動中に「脂肪」を最も多く燃焼するのは低強度運動か

言われていること

ジムのトレーナー・有酸素マシンのパネル表示

心拍数を上げすぎると炭水化物が燃えてしまい、脂肪燃焼ゾーンを外れる。ゆっくり動く方が脂肪が燃える。

VS

研究が示すこと

  • Romijn et al.(1993)の研究では確かに、低〜中強度(最大酸素摂取量の25〜65%)の運動では脂肪酸の酸化(燃焼)割合が高く、高強度になるほど炭水化物(糖質)の利用率が上がることが示されている。
  • しかし「運動中の脂肪酸酸化率が高い」=「体脂肪が落ちやすい」ではない。
  • 高強度運動は1時間あたりの総消費カロリーが大きく、燃料が糖質であっても一日の総エネルギー収支を大幅にマイナスに傾ける。
  • 体脂肪の増減は「24時間の収支」で決まる。
判定

運動中の脂肪酸酸化率は低強度の方が高いのは事実だが、体脂肪を落とすのは運動中だけでなく24時間の収支。総消費カロリーが多い高強度の方が体脂肪減少に有利なことが多い。

信頼度:強い根拠あり
Round2

長期的な体脂肪減少は「脂肪燃焼ゾーン」での運動が最も効果的か

言われていること

マラソン推薦ダイエット法・有酸素重視の指導

ダイエット目的なら激しく動くより、ゆっくりと長時間動く方が体脂肪が落ちていく。

VS

研究が示すこと

  • Achten & Jeukendrup(2003)のレビューは脂肪酸酸化が最大になる心拍数(Fatmax)を特定する方法論を提示しているが、同時に「Fatmaxでトレーニングすることが体脂肪減少に最適」とは主張していない。
  • 複数のメタ分析で高強度(HIIT含む)と低〜中強度の長期体脂肪減少量は総カロリー消費を一致させた場合に概ね同等であることが示されており、「脂肪燃焼ゾーン」に固執する根拠は薄い。
  • 重要なのは継続できる強度・種目の選択。
判定

「脂肪燃焼ゾーン」はマーケティング的な概念に近く、体脂肪を最も落とすゾーンとは研究が示さない。継続できる強度を選ぶことが最も重要。

信頼度:強い根拠あり

公開日:

吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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