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研究 vs 勘

「砂糖を食べると太る」vs「太るのはカロリーオーバー」どちらが正しいか? 通説 vs 研究

公開日: 更新日:

執筆: 吉崎 槙吾監修: 染田 智信

「砂糖は太る」「いや太るのはカロリーオーバーだ」——この二項対立は長年続いている。この記事では、収録している1件のメタ分析が実際に評価した体重・体脂肪の結果から整理する。

Round1

等カロリー条件下で砂糖は脂肪を特別に増加させるか

言われていること

インスリン仮説支持者・低糖質ダイエット推奨者

砂糖はカロリーに関係なく太る。血糖スパイク→インスリン大量分泌→脂肪蓄積というメカニズムがあるから、カロリーが同じでも砂糖を摂ると太りやすい。

VS

研究が示すこと

  • Te Morenga ら(2012、BMJ)は、無作為化比較試験と前向きコホート研究を統合した系統的レビュー・メタ分析である。
  • 試験は30件(7,895件から)、コホートは38件(9,445件から)が組み入れられた。 自由摂取の成人の試験では、糖の摂取を減らすと体重が減り(0.80kg、95%CI 0.39〜1.21、P<0.001)、増やすと同程度に増えた(0.75kg、0.30〜1.19、P=0.001)。一方、糖を他の炭水化物と等カロリーで置き換えた場合には体重の変化が無かった(0.04kg、−0.04〜0.13)。 子どもの試験は、糖で甘味をつけた食品・飲料を減らす助言を用いたもので遵守率が低く、全体として体重の変化は無かった。 前向き研究では、糖で甘味をつけた飲料の摂取が最も多い群は最も少ない群と比べて、1年後の過体重・肥満のオッズ比が1.55(1.32〜1.82)だった。 著者らの結論は、自由摂取の生活のもとでは遊離糖や加糖飲料の摂取が体重の決定因子であり、摂取量を変えたときの体脂肪の変化はエネルギー摂取量の変化を介しているとみられる(等カロリーの置き換えでは体重が変わらなかったため)である。
判定

等カロリーで他の炭水化物と置き換えた場合、体重は変わらなかった(0.04kg、95%CI −0.04〜0.13)。一方、自由摂取の条件では、糖を減らすと体重が減り、増やすと増えた。 著者らは、体脂肪の変化がエネルギー摂取量の変化を介しているとみられるとしている。砂糖の摂りすぎやすさそのものを測った研究を、本記事は収録していない。

信頼度:強い根拠あり
Round2

砂糖は過食・依存性を引き起こすか

言われていること

砂糖中毒論・反砂糖運動・動物実験の過剰解釈

砂糖には依存性があって、一度食べると止められなくなる。砂糖中毒は本物の問題で、ドラッグと同じメカニズムで脳が変化する。

VS

研究が示すこと

  • 収録している Te Morenga ら(2012)は体重・体脂肪を評価項目としており、食欲・過食・依存のいずれも扱っていない。本記事はそれらを調べた研究を収録していない。
判定

砂糖が過食や依存を引き起こすかどうかを、本記事が収録している出典からは判定できない。決着させるには、摂取する糖の量を割り付けたうえで、その後の食欲・摂取量・行動指標を追う試験が要る。

信頼度:研究待ち
訂正履歴訂正1回・撤回した原文8件

公開後に撤回・訂正した内容です。本文は現在の知見だけを書いています。何をどう直したかを確かめられるように、経緯をここに残しています。

  • 導入に書いていた「メタ分析の結論と砂糖の行動的特性から答えを整理する」という枠組み、第1ラウンドの「Hall et al.の代謝室研究(2015)でも等カロリー条件での砂糖制限は体脂肪変化に有意な優位性を示さなかった」「根本はカロリーバランスであり、『砂糖だから太る』はカロリーを超えた特別なメカニズムではない」、結論の「等カロリー条件では砂糖特有の体脂肪増加メカニズムはない」「『砂糖だから太る』ではなく『砂糖は摂りすぎやすいためカロリーオーバーになりやすい』が正確な理解」、および第2ラウンドの「砂糖摂取後の血糖急上昇→急落のサイクルが食欲再刺激・間食欲求を高める行動的メカニズムは研究で示されている」「『砂糖依存症』(ドラッグと同様の神経変化)についてはヒトの研究エビデンスは限られており、動物実験(ラット)の知見をそのままヒトに外挿するのは慎重が必要」「砂糖が高度に嗜好性の高い食品であり過食リスクを高めることは支持されるが、薬物依存と同等の神経生物学的変化がヒトで起きるかは未確定」——をすべて撤回した。代謝室の研究を本記事は収録していない。収録している Te Morenga ら(2012)が評価したのは体重・体脂肪で、機序の有無も、摂りすぎやすさも、食欲・過食・依存も扱っていない。同メタ分析が述べているのは、等カロリーの置き換えでは体重が変わらなかったこと、自由摂取では糖の増減とともに体重が動いたこと、そして体脂肪の変化はエネルギー摂取量の変化を介しているとみられること、である。
    撤回した原文8件

    公開されていた本文の文字列です(運営者による要約ではありません)。現在の本文に残っていないことは、ビルドのたびに機械で検査しています。過去の公開内容に含まれることは、変更履歴の全体と突き合わせる検査を用意していますが、これは全履歴が必要なため公開ビルドでは自動実行していません。どちらの照合も、また上の表示も、強調の印(アスタリスク2つ)と改行・空白の違いは無視します。1件に複数の記述が含まれる記録もあるため、件数は原文の件数であって撤回した主張の数ではありません。

    1. どちらが本質的に正しく、実践的にどう考えればよいか。メタ分析の結論と砂糖の行動的特性から答えを整理する
    2. Hall et al.の代謝室研究(2015)でも等カロリー条件での砂糖制限は体脂肪変化に有意な優位性を示さなかった
    3. 根本はカロリーバランスであり、「砂糖だから太る」はカロリーを超えた特別なメカニズムではない
    4. 等カロリー条件では砂糖特有の体脂肪増加メカニズムはない
    5. 「砂糖だから太る」ではなく「砂糖は摂りすぎやすいためカロリーオーバーになりやすい」が正確な理解
    6. 砂糖摂取後の血糖急上昇→急落のサイクルが食欲再刺激・間食欲求を高める行動的メカニズムは研究で示されている
    7. しかし「砂糖依存症」(ドラッグと同様の神経変化)についてはヒトの研究エビデンスは限られており、動物実験(ラット)の知見をそのままヒトに外挿するのは慎重が必要
    8. 砂糖が高度に嗜好性の高い食品であり過食リスクを高めることは支持されるが、薬物依存と同等の神経生物学的変化がヒトで起きるかは未確定

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吉崎 槙吾

執筆

吉崎 槙吾

エンジニア / BODYDATAリサーチ担当

エンジニアの仕事は裏付けを取ること。筋トレの通説も、ソースコードと同じで中身を読んでから信じます。

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染田 智信

監修: 染田 智信

トレーニング指導とサプリメント業界での実務経験の観点から内容を確認しています

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