
通常の食事量の大豆摂取で男性テストステロンが低下するか
言われていること
筋トレ系コミュニティ・反大豆情報・一部のフィットネスコーチ
大豆・豆乳・ソイプロテインを摂ると植物性エストロゲン(イソフラボン)が体内でエストロゲンとして作用し、男性のテストステロンを下げる。筋トレする男性は大豆を避けるべきだ。
研究が示すこと
- Hamilton-Reeves ら(2010)のメタ分析は、大豆タンパク質やイソフラボンの摂取が男性のテストステロン・性ホルモン結合グロブリン(SHBG)・遊離テストステロン・遊離アンドロゲン指数に影響するかを検討し、統計モデルの取り方によらず有意な影響を検出しなかった。
- プラセボ対照の15群を主解析とし、さらに32報・36治療群を単純なモデルで確認している。
- 著者らの結論は「大豆食品もイソフラボンサプリメントも、男性の生物学的に利用可能なテストステロン濃度を変えない」である。
- なおこのメタ分析はエストラジオール(E2)・LH・FSHを測定しておらず、それらについてはこの論文からは何も言えない。
「大豆を摂るとテストステロンが下がる」は、生物学的に利用可能なテストステロンの指標で見るかぎり支持されない。ただしこのメタ分析が見ているのはテストステロン系の4指標であって、エストロゲンや性腺刺激ホルモンは対象外である点は区別しておきたい。
高用量イソフラボンサプリ(300mg/日以上)は安全か
言われていること
大豆食品と大豆サプリを区別する立場
大豆食品は問題ないが、イソフラボンサプリを高用量で摂ればホルモンへの影響は避けられない。サプリで摂る量は食品とは別物。
研究が示すこと
- 日常的な食事の範囲を大きく超える高用量のイソフラボンサプリメント(300mg/日以上など)を長期に摂った場合どうなるかは、本サイトが収録している出典では扱われていない。
- Hamilton-Reeves ら(2010)のメタ分析は用量別の層別解析を抄録で示しておらず、「150mg/日超では不明」といった閾値も本サイトが示せる根拠ではない。
- 分かっていないのは、(1) 高用量サプリでの長期的なホルモンへの影響、(2) 症例報告レベルで報告されている事象との因果関係、の2点である。
食品からの通常摂取について心配する根拠は見当たらない。一方、日常の食事と桁の違う高用量サプリを長期に使った場合については、本サイトが示せる出典が無い。「食品は問題ない、高用量サプリは分からない」が現時点の正直な線引きになる。
関連するサプリ
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ソイプロテイン(大豆プロテイン)運動後の筋タンパク質合成は、ホエイのほうが大豆より31%高かった(p<0.05)。若年男性18名(各群6名)に必須アミノ酸10g相当を摂取させた試験による(これは「大豆が31%低い」という意味ではない。ホエイを基準に言い直すと、大豆は約24%低い計算になる)。一方、大豆はミセラーカゼインより高く(安静時64%・運動後69%、いずれも p<0.01)、「植物性だから劣る」という単純な話ではない(Tang 2009)。各群6名の急性反応の試験であり、長期の筋肥大は測定していない。
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出典
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