
筋肥大には毎回重量を増やし続けなければならないか
言われていること
リニアプログレッションプログラム支持者・SNS筋トレコミュニティ
前回より重くできなかったトレーニングは無駄。重量が増えていない=筋肥大していない。プログレッシブオーバーロードとは重量を増やし続けることだ。
研究が示すこと
- プログレッシブオーバーロード(漸進的過負荷)の本質は「筋肉に以前より大きな刺激を与え続けること」であり、それは重量増加だけに限定されない。
- 総ボリューム(セット数×レップ数×重量)を増やすことも、同じ重量で反復回数を増やすことも、セット間休息を短縮することも、可動域を拡大することも、すべて過負荷の手段になりうる(Schoenfeld 2010)。
- 特に中〜上級者では毎回の重量増加は非現実的で、ボリューム増加や密度増加が主なプログレスの方法になる。
重量増加は漸進的過負荷の一手段にすぎない。セット数・レップ数・可動域・密度を増やすことも有効なプログレスの方法で、これらを組み合わせることが長期的な筋肥大につながる。
重量が増えなくなったら筋肥大は止まるか
言われていること
ストレングス重視のトレーニングコミュニティ
重量が頭打ちになった時点で筋肥大も停滞する。強くなれないということは筋肉も増えていない証拠。
研究が示すこと
- 筋力(1RM)と筋肥大は強く相関するが、完全に同一ではない。
- 神経適応(運動単位の動員効率向上)が先行し、筋断面積の増加はやや遅れて生じるため、筋力の伸びが止まっても筋肥大が継続する期間がある(Folland & Williams 2007)。
- また重量が変わらなくても、週の総セット数やトレーニング頻度を増やすことでボリュームを拡大し、筋肥大刺激を高めることは可能。
- 重量停滞=筋肥大停滞ではない。
重量が止まっても、ボリュームや頻度を増やせば筋肥大は継続できる。重量停滞と筋肥大停滞は必ずしも一致しない。
初心者はリニアプログレッション(毎回重量増加)が最適か
言われていること
Starting Strength系プログラム支持者
初心者はとにかく毎回重量を増やせ。Starting StrengthやStrongLifts 5×5のように、毎トレーニングで2.5〜5kg増やすリニアプログレッションが初心者には最速の方法だ。
研究が示すこと
- 初心者期は神経適応が急速に進み、筋力・筋肥大の両方が急増する「初心者ボーナス」が存在する。
- この時期はリニアプログレッションが有効で、実際にセッションごとの重量増加が可能なことが多い。
- ただし「最速の筋肥大」を目的にするなら、コンパウンド種目の重量増加だけでなくアイソレーション種目も加えてボリュームを確保することが有効(Helms et al. 2018)。
- 重量だけを追うことで総ボリュームが不足するリスクもある。
初心者期のリニアプログレッションは有効だが、重量増加だけを追うのではなくボリュームの確保も重要。アイソレーション種目を組み合わせることで筋肥大をさらに促進できる。
関連する研究
出典
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次に読む
- 研究 vs 勘
デロード(減負荷週)は筋肥大に本当に必要か? 意図的な休息の科学
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吉崎 槙吾