
プロテインの価格は筋肥大効果に比例するか
言われていること
プロテインレビューサイト・SNSの口コミ
高いプロテインはアミノ酸スコアが高く、吸収がよく、不純物が少ない。だから高価なほど筋肉への効果も高い。安いプロテインはフィラーだらけで意味がない。
研究が示すこと
- 筋タンパク合成(MPS)の刺激には、タンパク質の総量・ロイシン含有量・アミノ酸プロファイル・消化吸収速度が規定する。
- Morton ら(2018)のメタ分析(49件・1,800名超)は、タンパク源の種類よりも摂取量と総アミノ酸の質が主要因であることを示す。
- 同等の原料(ホエイコンセントレート同士など)であれば、価格帯が異なっても成分が揃っている限り筋肥大効果に差は生じない。
- 価格差を生む主な要素はブランド、フレーバー技術、第三者認証コスト、マーケティング費用であり、タンパク含有量あたりの費用対効果を見れば高価格品が優れているとはいえないケースが多い。
成分表が同等ならば、価格と筋肥大効果に相関はない。製品選択の基準は「1食あたりのタンパク量・ロイシン量・総カロリー」であり価格ではない。
ホエイ・アイソレート・ハイドロリセートで筋肥大効果に大差はあるか
言われていること
プロテインメーカーのマーケティング・サプリ系YouTuber
アイソレートは純度が高く脂質・乳糖ゼロ、ハイドロリセートは最速吸収で筋合成が爆発的に高まる。コンセントレートは安いだけで筋肉に対する効果は劣る。
研究が示すこと
- West ら(2011)のRCTは、急速吸収型(ホエイハイドロリセート)が遅吸収型に比べてトレーニング直後の筋タンパク合成シグナル(mTOR経路)をより強く刺激することを示した。
- しかし Tang ら(2009)の比較試験では、ハイドロリセート・カゼイン・大豆プロテインのMPS応答の差はトレーニング後の急性期(数時間)に限定されており、複数週にわたる筋肉量の増加(慢性適応)では差が縮小する傾向が示されている。
- 日常的な摂取(食事との組み合わせ、1日数回の分割摂取)では、アイソレートとコンセントレートの筋肥大への差はほぼない。
- 乳糖不耐症や脂質制限が必要な場合はアイソレートに実用的なメリットがある。
急性のタンパク合成シグナルではハイドロリセートが有利だが、数週間単位の筋肥大への影響は小さい。乳糖不耐症でなければコンセントレートで十分。アイソレートへの追加費用は用途次第。
食品由来のタンパク質とプロテインサプリの効果は同等か
言われていること
サプリ販売サイト・フィットネス雑誌の広告
食事でタンパク質を摂っても体への吸収が悪い。プロテインサプリは吸収が速くて純度が高いから、食品よりも筋肉に届く。食事だけでは本格的な筋肥大は無理。
研究が示すこと
- van Vliet ら(2015)のレビューは、動物性食品(鶏肉・卵・乳製品等)のタンパク質は必須アミノ酸・ロイシン含有量においてホエイと同等かそれに近い水準にあり、食品ベースでも十分な筋タンパク合成が得られることを示す。
- Morton ら(2018)のメタ分析でも、タンパク源(食品 vs サプリ)の違いよりも総タンパク摂取量が筋肥大の主要決定因子とされている。
- プロテインサプリの実質的なメリットは「手軽さ」「携帯性」「カロリーを抑えながら高タンパクを摂れる」という利便性であり、食品と比べて筋合成メカニズムが優れているわけではない。
総タンパク量とアミノ酸プロファイルが揃えば、食品とサプリの筋肥大効果はほぼ同等。サプリの価値は「利便性」にあり、食品を置き換えるものではない。
関連するサプリ
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関連する研究
出典
- Morton RW et al. (2018) Br J Sports Med — タンパク質補給が筋肉量・筋力に与える影響のメタ分析
- Tang JE et al. (2009) Appl Physiol Nutr Metab — ホエイハイドロリセート・カゼイン・大豆プロテインの安静時およびレジスタンス運動後の筋タンパク合成への影響
- West DWD et al. (2011) J Appl Physiol — 急速なアミノ酸血中濃度上昇が筋タンパク合成と細胞内シグナルを増強する
- van Vliet S et al. (2015) J Nutr — 植物性 vs 動物性タンパク質の骨格筋同化応答の比較レビュー
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- 解説
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「プロテインは摂るほど筋肉がつく」は本当か? 通説 vs 研究
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