片腕レジスタンストレーニングと皮下脂肪 ― MRIで検証した局所 vs 全身の脂肪減少
Kostek MA, Pescatello LS, Seip RL, et al.
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
104名(男45・女59)が非利き腕を12週間トレーニングし対側を対照とした被験者内比較。皮下脂肪厚計(キャリパー)では男性の鍛えた腕でのみ減少が見られた一方、MRIでは性別を問わず腕のあいだに有意差が検出されなかった。著者らは、MRIの結果は「レジスタンストレーニングの結果として部分痩せは起きない」という見方を支持するとしているが、有意差が検出されなかったことは効果が無いことの証明ではなく、同じ試験のキャリパー測定は逆の結果を示している。測定法によって結論が分かれた研究である。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 被験者数・測定したアウトカム・研究デザインMRIで有意差が検出されなかったことを「部分痩せは否定された」と書いていたのを改めた。有意差が出なかったことは効果が無いことの証明ではなく、同じ試験のキャリパー測定では男性で局所差が出ている。測定法によって結論が分かれる研究である。
- 訂正履歴
1件を表示
- MRIの非有意差を「否定された」と読み替えていた記述を、「有意差が検出されなかった」に改め、同一試験内でキャリパーが逆の結果を示している点を残した。変更履歴
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
104名(男45・女59)が非利き腕を12週間トレーニングし、利き腕を対照とした被験者内比較。皮下脂肪をMRIとキャリパーの両方で測定した。
- 2
キャリパーでは、男性で鍛えた腕の皮下脂肪のみが減少した(P<0.01)。全体および女性では差が無かった(P>0.05)。ここだけ見れば部分痩せが起きたように読める。
- 3
MRIでは、全体でも性別ごとでも腕のあいだに有意差が検出されなかった(P>0.05)。「部分痩せは否定された」と書いていたが、有意差が検出されなかったことは効果が無いことの証明ではないので改める。
- 4
食い違いの理由も著者らが説明している。 MRIは上腕の全長にわたる変化に感度があり、トレーニングへの反応のばらつきをより大きく捉えたため、鍛えた腕と鍛えていない腕のあいだに有意差が出なかった。筋腹1か所でのキャリパー測定では、そのばらつきが見えない。
- 5
「どう測るか」で結論が分かれた研究である。 部分痩せを支持するように見えるキャリパーの結果は、上腕の全長に感度があるMRIでは検出されなかった。どちらを採るかで結論が変わる。
関連する研究
腹筋運動は腹部脂肪を減らすか ― 6週間RCT
Journal of Strength and Conditioning Research, 2011
座位中心の生活を送る成人24名(男14・女10、18〜40歳)で、等カロリー食のもと6週間・週5日・7種の腹筋運動を行っても、体重・体脂肪率・腹囲・腹部皮下脂肪厚のいずれも有意に減少しなかった。腹筋運動による部分痩せを支持しない結果。
収縮する筋の隣接皮下脂肪では血流・脂肪分解が高まるか ― 急性メカニズム研究
American Journal of Physiology - Endocrinology and Metabolism, 2007
健常男性10名が一晩絶食後に片脚膝伸展運動を行い(最大仕事率の25%で30分、反対脚で55%を120分、最初の脚で85%を30分)、収縮している筋に隣接する大腿部皮下脂肪と、安静側の皮下脂肪とで、血流と脂肪分解を比較した急性研究。血流は133Xeの洗い出しから、脂肪分解は間質および動脈のグリセロール濃度と血流から算出した。血流は25%(6.6対3.9 ml/100g/分)と55%(7.3対5.0)で収縮側が有意に高く、85%では有意差が無かった。脂肪分解は85%でのみ収縮側が有意に高く(88対−9 nmol/100g/分)、25%は有意には届かず(102対55、P=0.06)、55%では有意差が無かった。 著者らは「運動強度によらず、収縮筋に隣接する皮下脂肪では血流と脂肪分解が概して高い。したがって特定の運動は脂肪組織において『部分的な脂肪分解(spot lipolysis)』を誘発しうる」と結論している。
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