
スロートレーニング(意図的に動作を遅くする)は通常テンポより筋肥大が多いか
言われていること
ボディビル系コーチング・BPT系YouTube
スロートレーニングは筋肉が力を発揮する時間(TUT)が長くなるから、筋肥大の刺激も大きくなる。テンポを落として「効かせる」ことが筋肥大を最大化する方法だ。
研究が示すこと
- Schoenfeldら(2019)のレビューでは、通常の動作速度(1〜3秒のコンセントリック・エキセントリック)と意図的なスロー動作(5〜10秒以上)を比較すると、筋肥大の差は小さく一貫しないと結論。
- 非常に遅い速度(10秒/コンセントリック以上)では、逆に同じ時間内の総ボリュームが低下し筋肥大効率が落ちる可能性がある。
- 適度なテンポ(コンセントリック1〜3秒、エキセントリック2〜4秒)は有効だが、「遅ければ遅いほど良い」はエビデンスで支持されない。
スロートレーニングは通常テンポと比べて筋肥大が大幅に増えるとは言えない。極端に遅い動作はボリューム低下につながりうる。適度なテンポで追い込みとボリュームを確保する方が重要。
エキセントリック(下ろす動作)はゆっくりやるべきか
言われていること
ストレングス&コンディショニング系テキスト
エキセントリックをゆっくりやると筋肉への負荷が大きくなり、筋肥大・筋力向上が促進される。特に下ろす動作を2〜4秒かけることが重要だ。
研究が示すこと
- エキセントリックをコントロールすること(急激に落とさない)はボリューム確保と怪我防止の観点から重要だが、極端に遅くする必要はない。
- Brigatto ら(2019)らのRCTでは2秒エキセントリックと4秒エキセントリックの間で筋肥大に有意差はなかった。
- ただし、エキセントリックを完全に無視(瞬間的に落とす)すると筋肥大刺激は低下する。
- 2〜3秒のコントロールで十分で、それ以上遅くしても追加の利益は少ない。
エキセントリックは2〜3秒程度のコントロールが有効。それ以上遅くしても追加の筋肥大は少ない。「落とす」ことで刺激を捨てることを避ければ十分。
コンセントリック(持ち上げる動作)はできるだけ速くすべきか
言われていること
パワートレーニング・爆発的トレーニング支持コミュニティ
コンセントリックは爆発的に速くやることで速筋繊維が動員され、筋肥大と筋力が最大化される。速い動作=より多くの筋繊維動員。
研究が示すこと
- 「意図的に速く動こうとする」コンセントリックは、高レップ低負荷のトレーニングでType IIファイバーの動員を促進する可能性がある。
- ただし高負荷(80%1RM以上)では重量の慣性により実際の動作速度は遅くなっても筋肥大への影響は変わらない。
- 重要なのは「速く動こうとする意図」であり実際の動作速度ではない。
- また爆発的動作はフォームの崩れや怪我リスクも上がるため、特にアイソレーション種目では無理な爆発的動作は推奨されない。
コンセントリックの「速く動こうとする意図」は有益かもしれないが、実際の動作速度は負荷によって変わる。フォーム維持を最優先にしつつ意図的に動かすことが重要。
関連する研究
出典
- Schoenfeld BJ, Grgic J (2019) Strength Cond J — Effect of Repetition Duration During Resistance Training on Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis
- Brigatto FA et al. (2019) J Strength Cond Res — Effect of Resistance Training Frequency on Neuromuscular Performance and Muscle Morphology
- Pareja-Blanco F et al. (2017) J Strength Cond Res — Effects of velocity loss during resistance training on athletic performance, strength gains and muscle adaptations
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