植物性タンパク質と動物性タンパク質の筋肥大・筋力への効果比較(メタ分析)
Lim MT, et al.
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
動物性タンパク質と植物性タンパク質が除脂肪量と筋力に与える影響を比較した無作為化比較試験のシステマティックレビュー・メタ分析。18件を系統的レビューの対象とし、うち16件をメタ分析に用いた。ベースラインでも介入終了時でも、総タンパク質摂取量は概ね推奨量を上回っていた。解析の結果、タンパク質の由来は絶対的な除脂肪量にも筋力にも影響しなかった。ただし除脂肪量の割合(%)については動物性タンパク質が有利という結果が出ている。レジスタンストレーニングの有無は結果に影響しなかった一方、50歳未満の若年者では動物性タンパク質の摂取で絶対的な除脂肪量(+0.41kg、95%CI 0.08〜0.74)と割合(+0.50%、95%CI 0.00〜1.01)がいずれも増えた。著者らは、動物性タンパク質のほうが除脂肪量にとって有利な傾向があり、とくに若年者でその傾向が見られると結論づけている。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 測定したアウトカム・研究デザイン・対象集団抄録は統合参加者数を報告していない(18件中16件をメタ分析)。絶対量では差が出ないが割合では動物性が有利、という二段構えの結果である点に注意。
- 訂正履歴
1件を表示
- 「差は小さく統計的に有意でないケースが多い」と差が無い側に寄せていたが、抄録は除脂肪量の割合で動物性が有利、50歳未満では絶対量でも動物性が有利とし、「動物性のほうが有利な傾向」と結論している。この結論が落ちていた。sampleSize 1070 も根拠なし。変更履歴
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
タンパク質の由来は、絶対的な除脂肪量にも筋力にも影響しなかった。
- 2
ただし除脂肪量の割合(%)については動物性タンパク質が有利という結果が出ている。
- 3
50歳未満では、動物性タンパク質で絶対的な除脂肪量(+0.41kg)と割合(+0.50%)がいずれも増えた。割合の信頼区間は下限0.00とぎりぎりである。
- 4
レジスタンストレーニングの有無は結果に影響しなかった。
- 5
著者らの結論は「動物性タンパク質のほうが除脂肪量にとって有利な傾向があり、とくに若年者でその傾向が見られる」であって、「差はない」ではない。
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ソイプロテイン(大豆プロテイン)運動後の筋タンパク質合成は、ホエイのほうが大豆より31%高かった(p<0.05)。若年男性18名(各群6名)に必須アミノ酸10g相当を摂取させた試験による(これは「大豆が31%低い」という意味ではない。ホエイを基準に言い直すと、大豆は約24%低い計算になる)。一方、大豆はミセラーカゼインより高く(安静時64%・運動後69%、いずれも p<0.01)、「植物性だから劣る」という単純な話ではない(Tang 2009)。各群6名の急性反応の試験であり、長期の筋肥大は測定していない。
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関連する研究
タンパク質補給はレジスタンストレーニングによる筋量・筋力増加を高める(メタ分析)
British Journal of Sports Medicine, 2018
健常成人を対象とした49件のRCT(計1,863名)を統合したメタ分析。6週間以上のレジスタンストレーニングにタンパク質補給を加えると、1RM筋力(+2.49kg)・除脂肪量(+0.30kg)・筋線維横断面積(+310µm²)がいずれも有意に増加した。収録試験のあいだのメタ回帰では、年齢が高いほど補給の上乗せ効果が小さく(除脂肪量で −0.01 kg/歳、p=0.002)、トレーニング経験者では大きい(+0.75kg、p=0.03)という関連が推定された。補給量も対象集団も試験ごとに違うので、年齢そのものの効果とは読めない。 総タンパク質摂取量については、除脂肪量の増加が頭打ちになるブレークポイントが1.62 g/kg/日と推定されている。その95%信頼区間(1.03〜2.20)と、この分節回帰が統計的に有意でないこと(p=0.079)は、抄録ではなく全文(PMC5867436)の記載である。
ロイシン摂取量と筋タンパク質合成(MPS)の用量反応関係
American Journal of Clinical Nutrition, 2009
健康な若年男性6名が5回にわけて来所し、脚のレジスタンス運動を行ったあと、全卵タンパク質を0g・5g・10g・20g・40g含む飲料を無作為な順序で摂取して、その後4時間の筋タンパク質合成(MPS)とアルブミン合成、ロイシン酸化を測定した試験。MPSは用量に応じて増え、20gで最大に達した。アルブミン合成も同じく20gで頭打ちになった。一方、MPSを調節すると考えられていたシグナル分子(p70S6K・リボソームタンパクS6・eIF2Bε)のリン酸化は、どの用量でも変化しなかった。著者らは、運動後のMPSの刺激はアミノ酸の利用可能性に関係している可能性があるとしている。ロイシン酸化は20gと40gの両方で有意に増えており、組織タンパク質に取り込める速度を超えた分は不可逆的に酸化されることが示された。
ホエイ加水分解物・カゼイン・大豆分離プロテイン摂取が安静時および筋力トレーニング後の筋タンパク合成に与える影響
Journal of Applied Physiology, 2009
健常な若年男性18名(各群6名)が片脚のレジスタンス運動を行い、必須アミノ酸を10gに揃えたホエイ加水分解物・ミセラーカゼイン・大豆分離タンパクのいずれかを摂取して、安静時と運動後の混合筋タンパク質合成(MPS)を比較した試験。抄録は「3群に割りつけた(assigned)」とだけ記しており、無作為割付とは述べていない。無作為化比較試験としては扱わない(idは公開URLの後方互換のため変更していない)。ホエイは血中の必須アミノ酸・分岐鎖アミノ酸・ロイシン濃度をカゼイン・大豆より大きく上昇させた(p<0.05)。安静時のMPSは速いタンパク質ほど高く(ホエイ0.091・大豆0.078・カゼイン0.047 %/時)、ホエイはカゼインより約93%高かった(p<0.01)が、大豆との差(約18%)は p=0.067 で有意に届かなかった。運動後も同じ順序で、ホエイはカゼインより約122%(p<0.01)、大豆より31%(p<0.05)高かった。大豆もカゼインより安静時64%・運動後69%高い(いずれも p<0.01)。
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