ミオスタチン遺伝子変異による著しい筋肥大 ― ある小児の症例報告
Schuelke M, Wagner KR, Stolz LE, et al.
研究はまだ限定的で、今後の検証が必要な段階
サマリー
筋肉の発達した小児に、ミオスタチン遺伝子(MSTN)の変異が見つかったことを報告した症例報告。ミオスタチンは骨格筋の成長を負に制御する分泌タンパク質で、同論文は、マウスでこの遺伝子を働かなくすると骨格筋量が2倍になることを背景として挙げている。確認できるのはここまでで、変異が両アレルの機能喪失型であること、筋量・筋力が同年代を上回ったこと、牛やマウスと同様であること、ヒトで初めて示したことは、機械で照合できる範囲に無いため収録していない。 n=1の症例報告であり、一般集団には外挿できない。
検証の内訳
- 書誌照合
- Crossref と照合済み
- 内容照合
- 本文の記述を原著の抄録と突き合わせています確認した範囲: 研究デザイン・対象集団照合できる範囲を超えていた記述(両アレルの機能喪失、同年代との筋量・筋力の比較、牛やマウスとの対比、ヒトで初という位置づけ)を要約と知見から削除した。確認できるのは、ミオスタチンが骨格筋の負の制御因子であること、マウスでの遺伝子破壊が骨格筋量を2倍にすること、筋肉の発達した小児にミオスタチン遺伝子の変異を同定したことまでである。n=1の症例報告。
- 訂正履歴
1件を表示
- 抄録・本文で確認できない記述(両アレルの機能喪失変異、同年代との筋量・筋力の比較、牛やマウスとの対比、ヒトで初の実証)を要約・知見・notes から削除した。変更履歴
- 編集の確認
書誌の照合は Crossref・PubMed への機械照会で行っています。結果は上記の照合日時点のもので、それ以降に出た撤回・訂正は反映されていません。最終照合から365日を超えたロックを使う新しいビルドは失敗します。 内容の照合はAIが原著の抄録と突き合わせたもので、専門的な妥当性の判断ではありません。 検証していない範囲も隠さず表示しています。 検証の方法について
この研究で分かること
- 1
ミオスタチン遺伝子(MSTN)の変異を持つ小児の筋肥大を報告した症例報告である。
- 2
背景として、マウスでミオスタチン遺伝子を働かなくすると骨格筋量が2倍になることが挙げられている。
- 3
「両アレルの機能喪失変異」「筋量・筋力が同年代を大きく上回った」「牛やマウスと同様」「ヒトで初めて示した」は、機械で照合できる範囲に無いため撤回した。 NEJM の症例報告で PubMed に抄録が無く、本文も参照できない。
- 4
n=1の症例報告でまれな変異。一般集団には外挿できない。
関連する研究
ACTN3「スプリント遺伝子」R577X多型とパワー系エリート選手の関連 ― メタ分析
PLoS One, 2019
38論文から得た44研究を統合し、α-アクチニン3をコードするACTN3遺伝子のR577X多型とエリートパワー系競技者の関係を検証したメタ分析。R対立遺伝子とエリート選手の間に有意な関連が認められた(オッズ比1.21、95%CI 1.07〜1.37、p=0.002)。西洋人のサブグループでも有意(OR 1.11、95%CI 1.01〜1.22)。性別で分けると、RX遺伝子型は男性で(OR 1.14、95%CI 1.02〜1.28)、R対立遺伝子は女性で(OR 1.58、95%CI 1.21〜2.06)有意に高かった。外れ値処理を行うとアジア人選手でもRX遺伝子型の関連が有意になった(OR 1.91、95%CI 1.25〜2.92)。ただし著者ら自身が、これらの有意な効果は大部分が外れ値処理の結果であると述べている点は読み落とせない。出版バイアスの証拠は認められなかった。
ヒトの除脂肪体重の上限 ― 力士を対象にした研究
American Journal of Human Biology, 1994
プロ力士37名・ボディビルダー14名・非鍛錬者26名の体組成を比較した研究。力士の除脂肪体重はボディビルダーより有意に大きく、6名は除脂肪体重が100kgを超え、最大は121.3kg(身長186cm・体重181kg・体脂肪率33.0%)だった。体脂肪率は力士26.1%・ボディビルダー10.9%と力士のほうが高いが、脂肪の下の除脂肪量(筋肉・骨など)は力士が上回る。「太って見える」身体の強さの正体が脂肪ではなく圧倒的な除脂肪量であることを示す。除脂肪体重/身長比 0.7kg/cm付近がヒトの上限の可能性と示唆した。
この研究を扱った記事
最終確認: