ヒトの除脂肪体重の上限 ― 力士を対象にした研究
Kondo M, Abe T, Ikegawa S, Kawakami Y, Fukunaga T
研究はまだ限定的で、今後の検証が必要な段階
サマリー
プロ力士37名・ボディビルダー14名・非鍛錬者26名の体組成を比較した研究。力士の除脂肪体重はボディビルダーより有意に大きく、6名は除脂肪体重が100kgを超え、最大は121.3kg(身長186cm・体重181kg・体脂肪率33.0%)だった。体脂肪率は力士26.1%・ボディビルダー10.9%と力士のほうが高いが、脂肪の下の除脂肪量(筋肉・骨など)は力士が上回る。「太って見える」身体の強さの正体が脂肪ではなく圧倒的な除脂肪量であることを示す。除脂肪体重/身長比 0.7kg/cm付近がヒトの上限の可能性と示唆した。
この研究で分かること
- 1
力士の除脂肪体重はボディビルダーより大きく、6名が100kg超・最大121.3kg
- 2
体脂肪率は力士26.1%・ボディビルダー10.9%で力士のほうが高いが、除脂肪量も上回る
- 3
「太って見える」力士の強さの正体は脂肪ではなく圧倒的な除脂肪量(筋肉・骨)
- 4
除脂肪体重/身長比 約0.7kg/cm がヒトの上限の可能性と示唆
関連する研究
体重が重い人ほど絶対筋力が高い ― 若年成人の横断研究
Sports Medicine - Open, 2018
18〜30歳の68名を対象にした横断研究。体格(体重・BMI)が大きいほどレッグプレスとチェストプレスを合わせた最大筋力(絶対値)が高かった(BMIと最大筋力 r=.49, p<.001)。体重は除脂肪体重と強く相関し(r=.70〜.80)、その除脂肪体重が1RMと関連していた。つまり「重い人が強い」のは脂肪そのものではなく、体重に伴って増えている除脂肪量(筋肉)による。あくまで絶対筋力の話であり、体重比の相対筋力とは別である点に注意。
全身骨格筋量の分布 ― 全身MRIによる468名の計測
Journal of Applied Physiology, 2000
全身MRIで468名の骨格筋量を計測。男性は総骨格筋33.0kg(体重の38.4%)、女性21.0kg(30.6%)。加齢による筋量減少は主に下肢で起こり、下肢は量的に最大の筋プールである。
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