ACTN3「スプリント遺伝子」R577X多型とパワー系エリート選手の関連 ― メタ分析
Tharabenjasin P, Pabalan N, Jarjanazi H
研究が積み重なりつつある段階のエビデンス
サマリー
44研究・約2万人(パワー系エリート選手4,850名/対照15,903名)を統合したメタ分析。速筋線維で働くタンパク質α-アクチニン3をコードするACTN3遺伝子のR対立遺伝子は、パワー系エリート選手にやや多かった(R allele のオッズ比 約1.20 [1.12〜1.30])。女性ではより明確(OR 1.58)。ただし効果量は小さく、すべての遺伝子型にエリート選手は存在する。遺伝はパワー・スプリント適性の素因の一部にすぎず、単独で才能を決めるものではない。
この研究で分かること
- 1
R対立遺伝子はパワー系エリート選手にやや多い(OR 約1.20)。女性ではより明確(OR 1.58)
- 2
R対立遺伝子は速筋線維で働くα-アクチニン3の産生に関わる
- 3
効果量は小さく、すべての遺伝子型にエリート選手は存在する(素因の一部にすぎない)
- 4
研究間の異質性・対照のマッチング不足・西洋人集団への偏りが限界
関連する研究
ミオスタチン遺伝子変異による著しい筋肥大 ― ある小児の症例報告
New England Journal of Medicine, 2004
生まれつき並外れて筋肉質だった小児の症例報告。筋肥大にブレーキをかけるホルモン「ミオスタチン」をコードするMSTN遺伝子に機能喪失変異(両アレル)を持ち、筋量が同年代を大きく上回り筋力も高かった。ミオスタチンの不活化は、二重筋を示す牛(ベルギーブルーなど)や筋肉隆々の「マイティマウス」と同様に、ヒトでも著しい筋肥大を引き起こすことを初めて示した。ただしn=1の症例報告であり、まれな変異。一般集団には外挿できない。
男女の筋力・筋肥大トレーニングへの反応の違い(系統的レビュー&メタ分析)
Journal of Strength and Conditioning Research, 2020
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